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蒼き閃滅のドラゴンハート  作者: ドラソード
プロローグ
3/30

第1話 始まる夏休み、始まる俺達の戦い

6月21日修正


今回こうして人生で初めて小説を書かせていただきました。正直本もあまり読んだことが無く色々とお見苦しい点もあるかも知れませんが、是非最後まで見ていただけると幸いです。また、未完で執筆途中の為多少の修正や次の話が遅くなるかもしれません。


第1話 始まる夏休み、始まる俺達の戦い


居眠りしている生徒が1人、2人、3人……また1人、やる事も特に無く居眠りしている生徒を数え始めたが案外面白い。


それやそれにより動く周りの教師の反応なんかも見ている分には滑稽な物だ。まるで天から人を眺める傍観者の様な気分を味わえる。


長い校長の話、ありきたりな体育教師の注意、校歌斉唱、誰もがその頭に浮かべるありきたりなテンプレの流れだ。


魔神か悪魔の召喚でもあるまいし、一々手順を最後まで踏まないと安心できないのが日本人の悪い癖と良く解る。


もう耳にタコじゃなくてクラーケンでも召喚されそうな気分だ。


いや何をくだらないことを考えているんだ俺は。暑さで頭がおかしくなったか。まだ儀式は終わっていない。この儀式が終わればそこには約束されし長期休みが俺を待っていてくれる。


今日は7月21日。晴天、終業式、体育館。特に変わった事も無い本日、日本中で様々な中学が行っているであろう普通の終業式だ。


辺りでは相変わらず寝ている生徒や携帯を隠し持ち込んで弄っている生徒までいる。


地域では評判の良い中学ではあるが、実際心の底から善良な生徒なんて世の中にはいない。


礼儀正しく成績優秀、模範的な生徒だって心の奥底では何を考えているのかわからない。


現に俺だってそうだ。成績は普通、運動神経も普通、おまけに友人は人並み。趣味もアニメやラノベを眺めて楽しむ程度で、何かを集めたりしているわけでもハマっていることもない。


とくに誰から目を付けられるわけでもなく、ただ毎日を普通にだらだらと、まあ言うなれば人生を食いつぶしている。


実際テスト等も一切勉強せず運動もしていない。そう、努力なんてしなくても手を抜きあう人間全てにある程度媚を売れば人並みの生活なんて誰でもできる。


人生なんてそんなもんだ。人は助け合っているわけでも頑張っているわけでもない。お互い誰かに寄生して生きているクマノミとイソギンチャクの関係性みたいなものだ。


現に考えてみろ。助け合いだけで世界が成立するなら金なんてものは不要だ。「ボランティア」という言葉が1つの行為として存在し続ける限り、無償で助け合うことは既に「当たり前」では無いのだ。


仮に救世主が唱えた助け合い、慈愛の理念があった。その意思を継いだ信者達が後の世でした事、結局多くの場合はそれぞれの権力者が自らの権力の為に利用して多くの血が流れた。


現代ではもう無くなった事だがそれでも結局究極の平和、愛に溢れる世界などそれらを作り出すはずの「宗教」による戦争が起きていることを考えたらすぐにわかることだろう。


こんな世界を見て、果たして傍観者や救世主は何を思うのか面白いものだ。



俺の名は高坂隆誠。至ってパッとしない何の取り柄も無い普通の中学生だ。


中学2年生の割に考え方が冷めてるだとか、子供らしくないだとか、大人臭い等言われる事もある。


情報技術が発達した現代、様々な話を見て聞くことが出来る。その過程で様々な事を知るうちに、初めはあった好奇心もその好奇心故に気付けば真逆のものとなってしまった。


ここは東京のあんましパッとしない普通の町。そこにあるありきたりな謳い文句の普通の中学校だ。そこで俺達は勉強という名の拷問を毎日、クーラーもろくに効かないむさ苦しい部屋でやらされている。


毎日毎日同じ勉強を繰り返しテストをする。繰り返し、また繰り返し同じ流れを繰り返す。こうして同じことを毎日繰り返し、駒としてひたすら働かされ要らなくなったら捨てられる、そんな社会の歯車として育てられていくのだろう。



あれからしばらく経った気がしたがまだ5分も経っていない。嫌な事だけは本当に長く続く。


辺りには未だに校長の声と携帯を持ち込んでいた生徒を怒鳴る体育教師の声だけが響きわたっていた。



それから30分程経ち終業式が終わり数十分が経った。ようやく話や校歌斉唱等が終わりクタクタになり俺達2年は教室に帰って来た。


クラスメイトは皆各自仲の良いメンバー同士で終業式が長いだのなんだの愚痴を言いあったりしている。

俺も仲の良いメンバーはいない訳でも無いので適当に愚痴を言い合い来るべき休みを待っていた。


「ほんっと、あの校長話長いわね! 何回同じ話するのよ! 長期休みに入る度にあのお決まりの『怪我はしないようにー』、『悪さはするなー』言われなくてもしないっての。ただでさえ親呼ばれたばっかで萎えてるってのに。このままじゃあたし耳にイカでもできそう!!」


いつもと変わらずお得意のマシンガントークを披露する彼女の名は鈴原悠理(すずはらゆうり)。学力と成績は下から数えた方が早い様な生徒だが、俺なんかとは違う夢の為に常に毎日を一生懸命に生きているタイプの人間だ。


なんだかんだ言って彼女とは長い付き合いでお互いつるむのは嫌いじゃ無い。


「あと悠里、それイカじゃなくてタコな」


「知ってるわよ! その位の話、ジョークジョーク、そんなんも解らないのー? 隆誠」


やれやれ、悠理は今日も絶好調のようだ。実際この様な空間は嫌いじゃない。むしろこんな性格だが騒がしい空間の方が落ち着くようになってきた。


「ジョークだとしたらそれはセンス無いんじゃないか?」


と、不意に先程の自分のクラーケン発言を思い出し自分も変わらないじゃないか、と自分に対して恥ずかしくなってきた。


「うるさい! つまんなくても良いじゃない、美少女だもの」


「どこがだよ」


顔はそこそこ、幼い頃からやっている空手のお陰でスタイルにもしまりがある。実際様々な男子が憧れるクラスの華の1人かもしれない。


まあ実際告白なぞしようものなら告白した男子生徒は大体返り討ちにあわされるものだが。


「まあこんなくだらない話してるけどそういやもう明日から夏休みなんだよねぇ……」


「そういえばそうだな、明日から夏休みか。どうせ宿題やら夏期講習やらで休みなんでないがな」


「まあね、休みなんて最初っから与えるつもりなんて無いもん。学校なんて」


なんだかんだで努力をせずぐうたら過ごしてきていたが結果やはり成績が低くなってきた。流石に力を抜きすぎたのか担任から親に連絡が入りこっぴどく叱られた結果、夏期講習に出される事になっている。


「やれやれ。どうせ今年も気がついたら毎年恒例の皆のトラウマ、8月31日だろうな。もう夏休みない方が楽なんじゃないか?」


「……それは違う、夏休みは普通に休めるだろ。お前らが勉強をしないのが悪いだけじゃないのか」


声の方向を向くとそこには眼鏡をかけた、いかにも頭が堅そうな長髪の男子生徒が立っていた。


「ん? 誰かと思えば隼人か。どういう事だ? 優等生の嫌味か?」


彼の名は碧隼人(あおいはやと)。うちらのクラスの学級委員で成績も優秀、運動神経も抜群、絶対音感。冗談抜きにして将来は有望な完璧中学生だ。


周りには彼に魅せられた人間がすぐに集まる。だが実際本人は1人の時の方が好きらしいがな。


何故こんな俺がクラスの華である悠里やクラス委員長の隼人と仲がいいのかと言うと幼稚園からの長い付き合いがある幼なじみだからだ。

何だかんだ言って付き合いが長いと立場なんて物の壁はすぐに壊れて無くなる。


「お前達が夏休み忙しいのは自業自得だろ、授業中に課題終わらしておけば良いのに。それに夏期講習だって成績悪いからだな……」


いつもの如く始まる隼人の説教、いつもすぐにこうなる。悪いが俺は努力をしたくないだけというのを理解してもらいたい物だ。


「あー、あー、なにも聞こえないわよー隼人ー。ねえ? 隆誠もなにも聞こえないよね? どうせ宿題が終わらないのは周りの環境が悪いから、宿題が多いから、宿題が終わらない! はい証明終了。QED」


なに勝手に俺巻き込んでしかも証明終了しているんだ。それにまったく意味がわからん。落ち着け、落ち着きたまえ。


聞き流していたがQEDなんて難しい言葉をよく知ってるなと少しだけ感心した。まあどうせどっかのテレビか何かで引っ張ってきただけの知識だろうが。


「やれやれだな、何なんだお前ら。そんな調子じゃまた成績悪くて呼び出し食らうぞ?」


「はいはいどうせアホの隆誠ですよと……」


どうせまた担任から突っつかれたら本気を出せばいい。この言葉だけだと天才児みたいな物だが現実は辛いものだ。


「ははーん、今自分でアホって言ったよね? アホの隆誠君?」


「うるさい、お前が言えた事か悠理。国語12点。理科14点。地理5点」


「なによ!? 成績私より下の癖に!」


「上だよ何言ってんだお前」


「はいはい見苦しいぞ悠里も隆誠も。どうせどんぐりの背比べなんだから別に競った所で意味ないぞ」


『うるさい!! 黙ってろ!! ドラム缶に積めて東京湾に沈めるぞ!!』


「やっぱおまえら仲いいよな……。てか東京湾にドラム缶っていつの時代の怖い人だよ。久々にクスッと来たぞ」


そんなくだらない話をしていると担任が返ってきて皆席についた。通知表や夏休みの宿題が配られまた延々と夏休みの注意を担任からされる。



担任が夏休みの話をしている最中鈴原が不意に話しかけてきた。


「あんた、今日も厨二病全開ね。顔に出てるわよ」


「ちゅっ……違う、だから厨二病なんかじゃない。俺は普通に楽して毎日を生きたいだけの中学二年の学生だ」


「ふーん。まあ良いけど。そんな厨二病の隆誠君、隆誠は宇宙人や魔法使いは信じる?」


「だから厨二病じゃ無いってさ……。で、どうした? 悠里」


「いや隆誠、実はこんな話があって……」


「こんな話?」


「そう、人間をさらう宇宙人の話……」


一瞬大爆笑しそうになったが、周りから白い目で見られ担任にも睨まれたのでこらえた。流石に自分のキャラが壊れて崩壊しそうになった。


「宇宙人……? フフッ」


吹き出しそうになるもこらえる。

何を言っているんだ悠里?


「そう、人さらい宇宙人よ」


「ほう。で?」


人さらい宇宙人の時点で国語能力の低さと脳内年齢が見えた。


「で? じゃないわよ。本当に宇宙人が居るらしいの! しかもなんとここの近所で目撃されたみたい」


いい歳にもなって何を言い出すんだと思ったらこれである。実際サンタとかをまだ本当に信じていそうで怖いものだ。


「近所、ふむ」


「話だと黒服を着た男達と一般人のおじさんが住宅街の死角になった場所で話をしていたらしいの。すると……」


「すると……?」


と、少しからかい半分で話を続ける。


「次の瞬間おじさんが燃えたらしい」


「燃えた……?」


「そう、そして黒服はその場から走って去ったらしい」


突然の会話の終了だった。おっさんが居て、いきなり燃えた。


では今の話を深く掘り下げて解いていこう。


話が急展開過ぎ、大雑把、デタラメ、どうしてこうなった。


誰から聞いたのかは知らないがそれは絶対遊ばれてる。話の主語と述語が意味不明にわからない。流石国語能力が低いな。


そろそろ笑いをこらえるのが限界に来た。冷静な自分が壊れそうだ。とりあえずこらえる腹が痛い。


というかそろそろ昼だ、メシを早く喰いたい。だんだん頭の中で別の事を考え始めた。


「それによ? 最近うちのクラスに休みが多くない? それに今日休んでるメンバーには副生徒会長の白刃虎徹もいたり、教科書にも載ってる天才技師の息子の郷田炎仁だって居るのよ!? 絶対怪しい臭いがするわ」


「怪しい臭いってそれ多分俺だわ。昨日風呂入るの忘れたから」


我ながらいい切り返しだ。将来は漫才師か?


「なによつまらない反応っ……。隆誠、少しぐらいはこんな美少女の噂話を聞いてくれてもいいじゃない」


またそれか。美少女なのはわかったからそんなに自慢したいなら美少女コンテスト行ってこい。悠里なら多分本当に優勝できるから。


さっきから美少女美少女聞いているうちにちょっと悠里に一泡吹かせたくなってきた。


「ん? 聞こえないなあ? ビックボイス、ビックボイスでtake2頼むぜ?」


「少し位はこんな……」


「鈴原、先生が夏休みの過ごし方について話している最中にこんなのがどうしたんだ?」


「先生ッ!? あのッ……こんなにたくさんの宿題やるんですか!?」


「そうだ。こんなにたくさんの宿題をするんだ。いいね? 後で職員室来なさい」


辺りで笑いが起こる。これは自業自得だ。


「はぁ~い……」


担任の話が終わり、その後帰りの会も終わって掃除の時間になった。悠里は課題を追加されて帰ってきた、やったぜ。


「と言うことでいつもの如くアレ、行くわよ、隆誠、隼人」


「まて、何故か俺が巻き込まれている件について。何の話だ、待て、待って」


マジで行くのかよ。



俺たちは普通の学生、特に変わったこともなくこうやって馬鹿な事を毎日やってる。


アレだけカッコつけた文章を頭の中で再生しておいて、結局のところ俺も所謂ただの厨二病気味の暇人である。


そう、本当はどこにでも居るただの中学生だ。能力も無ければ抜きん出た何かも無い、ただ少し厨二的な事が好きなだけの少年、それが俺の正体。俗に言う『モブキャラ』のくせに知り合いと言葉の辞書がちょっと広いだけのやつだ。


だが唯一普通と違う事と言ったらこうやって馬鹿な事を毎日やっている。


そんなありきたりな毎日が楽しくて、斬新で、生きて居るんだなと感じる事ができる唯一の日常だった。


こうした事をたまにしないと自分が先程語っていた自分みたいになって、本当に機械のように毎日を意味なく過ごしていく。そうなってしまうのではないかと思う事もある。


昔から俺たちはこうして怪奇現象や怪物を探して街を探索(徘徊)することが度々あった。


だが大体の場合が不思議なんて物はほとんど無く東京の街を歩くだけだった。


ただそんな何も無いけど何かを探す、そんな意味不明で無意味な事が毎日を無気力に生きる俺に唯一色を付けてくれている。


そう今回もまたいつも通り何もなく終わるはずだった。


「じゃ、よろしくねー」


悠里達と別れ門を出ようとした時、不意に噂話が聞こえた。


『やっぱりー? あの黒服噂通り居たでしょー?』


『マジよ、やっぱり本当に見たのよ~、黒いスーツにサングラス、明らかに怪し過ぎてついて行ったのよ~。そしたら公園の先のもう使われていない無人のビルに入っていったわけ~』


『何それ怖いんだけど~』


何も無い普段の日常会話が聞こえる。喋り方がなんというか、俺の苦手なタイプでまあまさにガールズトークと言った感じだ。


普段なら相手にはしないような話だが、悠里もしていた話だったため少し気になった。ただの不審者かなんかじゃないのか。そうにしか思えなかった。


とりあえず後で悠里に会ったらどうせ不審者だから相手にするなって言っておくか。そう考えを固めた。


俺たちは一旦家に帰り準備をしていつもの場所、と言っても近所の公園で待ち合わせをした。こう見るとやはり中学生らしいと言えばそうかなと思う。


しかしこの公園ももう見慣れたしむしろすこし飽きた。こんなのを幼稚園のころから続けているんだからな、中学生になったら普通こういうのやめるだろ。


と、こんな感じの普通で何も起こるはずの無い普通の日常。別に空が赤く染まっていたり魔物が街を襲ってきたり、魔法使いが現れたり……。そんなことは無い、現実。日常。それが普通のはずだったんだ。


だがすぐにその考えは根本からへし折られる事になる。


驚いたよな?魔法とか能力とか本当に存在したもの。


怖かったよな?悪魔に襲われて死をそこに感じたもの。


悲しかったよな?大切な物を失う事を初めて知ったもの。


こう言うの確か、アニメとかではこう言う。正直アホ臭いが実際あった、それは事実だ。


『この時は、あんな事が起こるなんて、誰も想像もしていなかった』



「すまんすまん遅れたー」


「反省の余地なし。20分遅れのくせになんだその棒読みは」


隼人に同意だ。悠里はなんというか、こういった所で妙に抜けている?というか天然な所がある。実際時間を間違えたりすることから挙句集合場所がここじゃない場合迷ったりすることすらある。


「いやー親に説教されちゃってさー、成績悪いって。なんかごめん」


数学19点。数学まで低かったかお前……。これは酷い。まあ別に時間なんてこれから夏休みだし沢山……無いんだったな畜生め。


「まあ全員揃った事だ、どうする? 隆成に任せるぞ?」


「まあとりあえず、一応悠里が言っていた話について聞いたんだが、怪しい黒ずくめのいかにもヤバそうな男がこの公園の先のビルに入っていった位しか話は分からなかった。とりあえず普通の不審者だろうし通報安定だろうな」


「だったら話は速いじゃない。さっさと行くわよ!」


「……何を言っているんだ悠里。いくらなんでもアホにも程があるぞ。相手はどう見てもただの不審者。不思議現象どうこうの前に普通に襲われたらどうするんだ。ここは流石に隆成の言う通り通報するなり最前は無視だ」


そろそろこのコントみたいなやりとりに疲れた。帰って昨日録画したアニメ見たい。最近見れてないんだ。


「アホかよ悠里。不審者目撃情報がある場所にわざわざ行くアホがいるか? な? 通報するか一番は無視安定」


「ムカーッ。二人して私のことをアホだアホだってさ……。あったまキターッ! ……ん? でも、逆に考えれば私はアホなんだしだし行って問題無いんじゃね……?」


「なんて暴論だ。頭痛くなってくる。悠里も世の中には一般人が関わっちゃいけない事とかがあるの位解るよな……?」


「関わっちゃ行けないことね~……しーらない!」


隼人が説教をしていたら気がついたら悠里がいきなりビルに向かって走り始めた。


「だから悠里、黙っていつも通り隆成の家で……っておい待て!」


何だか広い公園で手を離された幼稚園みたいな感じだ。制御不能。ましてや鬼の様な怪力を持つ彼女を無理矢理にでも止めようとした所で暴走したダンプカーを素手で止めるような物だ。


「悠里ならもういっちまったぞー。悠里の制御が効かないのはお前も知っているだろ隼人」


もう付き合いきれん。


「マズイな、あいつは何をやらかすかわからない。追いかけるぞ!」


「はいはーい行ってらっしゃい! 俺はちょっとコンビニ行って待ってるから~。殺されたり子供にされたり誘拐されても俺は知らんぞ」


「お前も行くんだよ! 隆誠!」


殴られた。

まて、何故殴った。


「なんでだよ、厄介事に巻き込まれるのは俺の性に合わん」


「悠里になんかあってもいいのか、相手は悪魔や宇宙人じゃないとしても黒服の不審者だ。仮に本当に危ない人間だったとしたらそれこそ大変だぞ」


隼人が少し口調を強める。


「そんなに焦る事か……?どうせひょっこり帰ってくんだろ」


「よく冷静にいられるよな。例えばだ、黒服が拳銃でももっていたらどうするんだ。悠里が殺されるかもしれないんだぞ?」


何だかんだ言って俺も中学生だ。実際言われているうちにだんだんと怖くなってきた。


「仕方ないな……隼人。その代わりなにがあっても知らんぞ?」


「ああ、了解」


俺たちは知らなかった。今の瞬間、世界の行く末を、俺たち3人の未来の大切な分岐点を渡っていたことを。



あの頃のただの厨二病を発症した頃の俺が懐かしい物だ。


もしタイムマシンがあるなら欲しい、そう何度も思わされた。


誰が思うだろうか、魔物が存在したなんて、誰が考えたのだろうか、タイムマシンなんかが本当に存在するなんて、誰が予測してただろうか、能力者なんてのがいて世界が戦争になるなんて。


まあ一番はこれだったな。


『親友が目の前で無残に死ぬなんて』

ここまで見ていただきありがとうございます。こんな執筆初心者の作品ですが実は話の構想や設定はある程度最後まで一応考えています。先は長いですがこれからもよろしくお願いします。

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