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蒼き閃滅のドラゴンハート  作者: ドラソード
プロローグ
12/30

第8話 出撃前日

今回は少し早く仕上がりました。繋ぎの回なので内容は短めです。次回からある程度の戦闘や怒涛の展開にしていく予定なので頑張って執筆していきます。

第8話

出撃前日




「……と言う訳だ。明日の11時には突入を開始する。君が私達に協力する、及び基地に所属した以上君にも等しく任務を遂行させてもらう事になる。その為少々早いが君には悪魔と言う物をよく知ってもらうため次の任務に参加してもらう」


「了解……しました」


「まあ僕や他の隊員も一緒だし君の身の安全は最大限保証する。君にはバックアップをしてもらいながら戦場というものを把握してもらう感じかねぇ」



もう基地に来て何日か経ちそろそろ朝も慣れてきた頃である。既に日常になりつつある非日常だったがどうやらそれも錯覚だった様だ。


いつも通り悠里や竜剣と食堂で合流し今日もまたトレーニングや訓練か、と思いながら食事を終え席から腰を上げると聞きなれないアナウンスが響き渡った。


内容は呼び出しで、俺と、竜剣、そして2名の名前が上がり司令室に呼び出された。


そしてその肝心の内容はと言うと、どうやら例の地下研究所への潜入が決まりそれの人員として呼び出されたという事だ。

そして作戦内容やらなんやらを聞かされ今に至る。



「……と言う訳で概要は以上だ。質問が無いならばこれで解散とする」


「了解さんと」


その後解散し司令室を出て再び食堂へと戻った。悠里がやたらと心配そうにしているが規定上詳しい事を部外者扱いの悠里には伝えることが出来ないため、余計に事態をごたごたさせてしまっている。


「も〜……隆誠また隠し事〜?最近そんなのばっかりじゃない。……まあこういう世界に入ったから仕方が無い事なのかもしれないけど」


「まあ大丈夫だ。主人公ってのは大体どうにかなるもんだろ?」


「あんた、まーたお得意の厨二病ですか」


「厨二病言うな!」


俺と悠里のいつものやり取りを見て竜剣が怪訝な顔をする。


「厨二病……?君はもしかして何かを患っているのか?……いや入団時の記録には何も無かったけど……」


ピュア過ぎる……と一瞬驚かされたがそれもそうか、この人は一応過去から来た人間、厨二病だなんてそっち系の単語を知るわけも無いか。


「ああ、悠里の言ってることは大体気にしなくて良いです。厨二病だなんてそんな物は無いから大丈夫です」


厨二病……そうだ、そんな物は無い。そのまま気にしないで、何も無かったように過ごして欲しい。


俺だって自分で痛いことには気付いている、だがやめられないのがこの年の少年というものだ。


「どこの口が言うのよ。昔は今と違ってそんなかっこつけた様な発言しなかったし、多分今だって頭の中で小説の語りみたいな厨二病みたいな自分語りしてるんでしょ」


否定ができない……何も言い返す言葉が存在しない。


「どうせいつも頭の中で『俺の名は高坂隆誠、至ってパッとしない能力も何もない普通の中学生だ。中学2年生の割に考え方が冷めてるだとか大人びている等言われる事もある。参っちゃうぜ』とかそんな事考えて語っちゃったりコーヒーをブラックで飲んでみちゃったりコンビニでお釣りは、要らないですとか言っちゃったりするんじゃないの?」


いや待て、途中からもはや厨二病が関係なくなっていないか? なんという偏見で俺は見られているのか本当に心配になってくる。


「……俺は参っちゃうぜとかそんなのは言わないぞ……コーヒーはミルクを入れる派だし……」


そろそろ心が痛い。辞めろ、辞めてくれ悠里、そろそろ竜剣が引いてんぞ。


「ま……まあ僕はコーヒーは飲まないからわからないかなハハハ……」



微妙な間隔が空く。



「……まあ悠里、とりあえず明日の昼にはまた例の基地に突入してくる事になった。悠里には心配させちまうが本当に安心していてくれ、俺ならば大丈夫だ。俺にはあの剣と俺の能力がある。それに竜剣さんだって一緒に行くんだ」


「そう……でも本当に気を付けてね、無理はしないでよ?」


「わかってる」


「本当に本当よ?」


「お前は戦地に夫を送り出す妻かよ……」


「こんな良妻他には居ないわよ?」


「そういう問題じゃなぁ……」


とこんな雑談をしていると時間は1時を回っていた。


この後研究室に行って真希奈から例の剣を受け取る話になっていた為に俺は研究室に向かう事にした。悠里と竜剣は別件があるから後から合流するらしい。



道順もすっかり慣れ早速研究室に着いたがこの前とは変わって意外と静かな印象だった。


「失礼しまーす……」


「……ん?隆誠じゃない。来たわね」


真希奈の方を見ると真希奈はテレビを見ていたようだ。ソファに寝そべりポテチを貪る姿は休日のおっさんか何かだろうか。


俺が研究室に入ると真希奈はすぐにテレビを消し起き上がった。


「例のブツなら完成させといたわよ。あとオマケも作っておいたわよ」


「オマケ?」


そういうと真希奈は研究室の奥に行き剣ともう一つ何かを持ってきた。


「対悪魔強化術式で作られた強化繊維を使い作った戦闘用の服よ。あなた様に能力を最大限に使える様に調整してあるしサイズも合わせておいたし、とりあえずこれを中に着ておけば即死は無いわね」


見た目は近未来的な感じの戦闘服と言った感じの見た目だろうか。それ以外は特にこれと言った特徴はない。


「ありがとう、受け取っておく」


「あともちろんこっちも」


真希奈から俺はリザードマンを受け取った。昨日からこれと言った変化は見受けられないが何か変わったのだろうか。


「あんたの能力ってまだ全貌はわかってないんだけど必要以上に使うと身体に相当負荷がかかっちゃうのだけはわかってるのよ。だからある程度のリミッターをかけておいたわ」


「なるほどな……」


俺はリザードマンを眺めていた。というかこれ、もしかしていつも持ち歩かなきゃいけないのかだろうか。


「そうそう、あんた能力を発動してみて」


俺は言われたとおりに能力を発動した。


「そしたらそのまま能力ごと剣を引き込むように能力を解除してみて」


言われた通りに能力を解除した。すると驚くべき事が起こった。


「剣が……消えた!?」


「そう、ちょっと細工して剣をあんたの中にしまえる様にしておいたわけ。別に日常に支障が出ることもないし出したい時は能力を発動すれば良いだけよ」


「凄い……」


俺は能力をもう一度発動した。するとそこには剣が握られていた。


「すげえな……なんか楽しくなってきた」


俺は剣をしまったり出したりと何回も繰り返した。なんというかこんな気分は小学生ぶりだ。


「あんたさぁ……やっぱり脳内年齢小学生でしょ?」


「お前は見た目年齢がだろ」


「うるっさいわね、もう。ごちゃごちゃ言ってないで用が住んだらさっさと行きなさいこのダメ犬。私は録画を消化するのにかなーり忙しいんだから」


「誰がダメ犬だこの小学生」


とテレビの方を見るとその画面には見覚えがあった。


「こりゃあ……今期の新作アニメじゃないか。俺こっち来てから見れてねぇんだよな」


「ふーん、やっぱりあんたアニメとか見る筋なのね。まあ別に他人の趣味は馬鹿にしないけど」


意外にもこの少女、真希奈はアニメなども見るのかと少し親近感が沸いた。


なんというかここに来てから地上での元々の生活が全く出来ておらずこういったものを見ると地上を思い出して少しだけ懐かしいというか、ホームシックのような物になってしまう。


「なあ、こんど暇になったらここにある録画したアニメ見せてもらって良いか?久しぶりに見たくてな」


「別にいいわよ、むしろ私も同じ趣味の人間がようやく一人出来て内心ちょっと嬉しいし」


と時間もそろそろ時間だった。どうせだったらもう少しアニメ談議をしたいところだがまた今度暇にでもなったら来ようと思った。


「まあ、武器の方はサンキュな」


「まあ、うまく使いなさい」


「おうよ」


「んじゃ、まあ話は済んだし行っていいわよ。明日の作戦、頑張ってね」


「ああ、行ってくる」


俺は研究所を後にし次に竜剣と待ち合わせをしている場所へと向かった。


「来たね、例の剣はどうだった?」


「こんな感じですかね」


と俺は得意気な顔でリザードマンを出した。


「なるほど、それも格納できるよう調整してある感じか」


すると竜剣も魔法陣の様な物の中から刀を出した。


「僕も一応似たような感じでは出せるんだけど君のは更に素早く構えを取れそうでいいね、今度真希奈に相談してみるよ」



こうして俺達は作戦出発の際集まる部屋に明日の確認、下見の為に向かった。


中はそこそこ広く、巨大な装置が横一列に置かれている。話によるとメンテナンス用の機材等の様だ。各自武装の最終確認、弾薬や魔力の補給をここでして、作戦の地に向かうようだ。


奥には悪魔達から奪った技術やらを用いて作られたという巨大な機械の門、「サンクチュアリ」があり、それを通じ基地と外部を移動する様だ。

事実上のこの基地の出入口に当たるそうだ。


……なんというか国民的アニメのすごい道具を思い出すというか……いや、これ以上はやめにしよう。

なんというか言ってしまってはいけない気を本能的感じる。


「さて、こんな所かな。明日は多分忙しくて詳しく説明できないだろうし今のうちにきいておきたいことは?」


「転送先はいきなりビルのあの地下に飛ぶ感じですかね?」


「いや、直接は飛べない。転送するのにもそれなりのスペースが必要だからね。まあ行けるとしたらせいぜいあのビルの前に転送する位しか……ある程度こっちも人数が居るしいきなり目の前より少し離れた箇所から転送した方が相手に察知されにくいからね。一応あの辺りには人払いの魔術式をかける予定だから一般人の心配はそこまでしなくても大丈夫かな」


「帰りは同じ場所から帰るんですかね」


「まあ扉の仕様上そうなるね」


「ふむ……」


辺りには明日同行するドローンやら何やらが既に待機していて作業員がも忙しそうだ。


こんな大掛かりな準備をしているが話によるとこれで小規模から中規模団体任務らしい。

大掛かりなものは50人近くの総出の任務などもあるとの話だった。


実際今では戦闘班の人員も戦死やらなんやらで少なくなってしまってあんまり大掛かりなものはできなくなってしまっているらしいが。


「さて、僕らもこの後準備を整えて、明日に向けて休むとしますか」


時刻は3時を過ぎた辺り、俺は気持ちを整えて戦いに備える事にした。


とはいっても特にやることもなくまたトレーニングか自室のテレビを眺めるしかやる事が無い。

実際後で暇になったら真希奈の研究室におじゃまさせてもらってアニメでも見せてもらう事にするか。


まあ何がともあれこれが恐らく俺の初の戦闘になる。

果たして地獄に落ちるか、楽園への階段が1つ増えるか、全ては俺達にかかっている。


「今日夜は飯食ったら早めに寝るか・・・」


話によると日本も、世界もまだ平和な様だ。地上ではいつもの日常が流れている。だが普通こんな少年少女が行方不明になっているのだから連日ニュースとかで特集されてもいい気がするが……


「隼人は元気にしてるのかね……てか考えて見れば俺達は今行方不明扱いだったな。元気も何も心配させちまってんな……」


まああいつにもお土産話、帰ったらしてやらなきゃな。


とりあえず俺は生きて帰ることを最大に考える事にした。


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