赤ずきんのおつかい
初投稿です。
なんちゃって赤ずきんちゃん。おばあちゃん家にむかいながら無双しちゃうサイキョウ系赤ずきんちゃんです。まだだらだらしかしてませんが。
童話という皮を被った何かですがお楽しみいただけたら幸いです。
赤い頭巾の女の子はおばあちゃんに会うため森を行く――
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あるお天気なお散歩日和の日、とある女の子がお母さんにおつかいを頼まれました。
「ねえ、ちょっと。ちょっくらおばあちゃん家までコレ、届けてくんない?」
そう言って掲げられたのは女の子が持つには少し大きなバスケットでした。
「何ソレ。中に何入ってるの?」
「ん~~、秘密?」
お母さんは少し楽しげに答えます。
でも、ちょっとめんどくさがり屋さんな女の子は不満顔。
「え~、お母さんが行って来ればいいじゃない。
おばあちゃん家[チ]なら近いでしょ~」
少し大きめなソファーでゴロゴロするのに忙しい女の子は、遠回しに「めんどくさい」と伝えます。
でもそこはお母さん。娘の扱いは心得ています。
「お母さん忙しいから無理。
どうせ暇なんだからおばあちゃんに顔くらい見せてあげなよ」
「そのうちね」
「今行きなさいよ今」
「今忙しい「ん?」~ってこともないかなぁ!」
「……」
「……」
「……花代のお釣り」
「千円」
「五百円」
「……」
「……」
「……おーけー千円な」
「よっしゃ!」
勝者:女の子
しかしながら、実はこれがお母さんの作戦だったのです。
めんどくさがりな娘でもお金が絡めば動くと知っているお母さん。
でも最初からあげようとすれば調子に乗ることも知っていました。
なのでちょっぴり親譲りの黒さを滲ませつつ、最初は少なめに金額を提示して、交渉に勝ったと娘に錯覚させたのです。
というかそもそも千円じゃあ立派な花束は買えません(笑)。
自分の若い頃によく似た娘を乗せるのなんてお手の物(何せ自分がはめられてきたのだから)です。
そんなこんなで、女の子はおばあちゃん家へ行くことになりました。
お母さんに渡されたバスケットはかなり……少し、重かったです。