表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一輪に両手を  作者: リン
75/120

16.一途な想い1(村松恵・中島夏樹)

 恵ちゃんは、堂々と遠藤くんと手を繋いだりできて……凄いな。

「どしたの、夏樹。アタシのこと、好き?」

「うん。え、あ、違う! そうじゃなくて」

「うん、アタシも女のコはちょっと、ね」

 私は、変な意味じゃなければ、恵ちゃんのこと好――

「だから、違うんだってば。恵ちゃん、大胆だなぁって」

「え、夏樹、女のコなのに胸とか興味あるの? もっとよく見せてあげよっか?」

 確かに、どうしたらそうなるのかは興味あるけれど……。

「ねえ、恵ちゃん、わざとやってるよね」

「何か悩んでるんでしょ? お姉さんに話してみなさい」

 誕生日は私の方が早いのに。でも、私より、しっかりしているんだよね。

「うん、あのね。私、好きなヒトがいて」

「シュウくんでしょ?」

「え? あ、その、あれ?」

 何でわかるの? 誰にも言っていないのに。

「アタシが気付かないとでも思ってたの? たまに一緒に部活見に行くけどさ、あれだけ目を輝かせて姿を追ってたらわかるって。いいじゃん、はっきりしちゃいなよ」

「あ、うん……。早瀬くんのことが、好き、なんだけど」

 目を輝かせてって……本当かな? 恥ずかしい……。

「で、どうして欲しいの? 今日、告白する?」

「そんな! 無理、無理だよ」

「わかってるよ、夏樹のことは。放っといたらいつまでだって悩み続けるかもね」

 恵ちゃん、それ、私は笑えないよ。

「あの、早瀬くんって、付き合ってるヒトとかいるのかな」

「……それ、関係あるの? いたら、どうする?」

「え、何も、しない」

 彼女さんに、悪いよね。

「じゃあ、いなかったら?」

「えっと、ちょっと話してみたいなって」

「ねえ、夏樹とシュウくんって同じクラスでしょ」

「うん、そうなんだけど……何か用事が無いと話せなくて」

「シュウくんのことが好きっていう大事な用事があるでしょ」

 好き好き言われると恥ずかしいよ……。

「恵ちゃん、私のこと、わかるんだよね」

「はいはい。無理ですね」

 うぅ……。

「由希ちゃんに相談してみようかな。早瀬くんと親しそうだし」

「夏樹。アタシ、知ってるよ。シュウくんに彼女いるかどうか」

「そうなの? それ、聞いてもいい?」

「もちろん。相手はいないから、頑張りな」

「そうなんだ。あの、最初、ちょっと手伝って欲しいな……なんて」

「わかってるよ。テルくんとシュウくんはアタシ達くらい仲良しだから、一緒に遊びに行こうってテルくんにお願いしてみるね」

「うん。ありがとう」

 いきなり、デート……。恵ちゃんがいてくれるなら、大丈夫かな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ