キメラ
「カ゛ァ゛ス゛ア゛ロ゛ォ゛ヴ」
おそらくカースアロー、の筈だが数が違う。俺のボール並みに数が多い。そしてー黒い。
「やろうか!シャドウブレイク、派生、物見台!我が主、ここからは頼んだよ!」
「りょーかい、トゥーム!」
トゥームがあいつを囲む様にして高い台を作ってくれた。そしてあいつの体は人間の姿すら取っていない、アンデットに近しい姿。だったらーー?
答えはホーリーボールだ。それもエンプティボールに複数詰め込んだ。
「ホーリーボール・改!数には数だよ!」
ホーリーボールとカースアローがぶつかって消滅していく。
「喰らえよ、ホーリーボールだ!」
そしてその間に背後に回ってホーリーボールを打ち込んだ。
ー抉れたそこには、大きい大きい、核があった。
「こいつゴーレムか何かだ!」
「そーなのかい?意外だね。ちゃんと臓物はあると思ってたんだけどね。」
核に直接ボールを打ち込もうとしたらすぐに穴が塞がっていった。再生能力も持ってるのか。
合成の反対は分解。だったら〈復元魔法〉を使うか?物は試しか。
「リバースボール!」
それは当たる前に弾かれた。けど、ホーリーボールは何の問題もなく当たっていた。合わせれば使える筈!
「リバースボール、ホーリーボール!発射ッ!」
…当たった所から、ウルフの死骸が出てきた。分離するとそうなるのか。だったらここからは本当に数勝負だ。
ボールを作る、投げる。ボールを自分に纏わせる、蹴る、殴る。
死骸は勝手にダンジョンが吸収してくれていた。そして偶に、人間が出て来た。だいぶ前に居なくなったと騒がれていた人の顔もあった。そしてそれも死骸として吸収されていったーー。
しばらくそれを続けた後、最初に見た時は巨大だった核が、心臓サイズになって、人が2人合わさったような姿の物の胸の部分に埋め込まれていた。
「お前らでラストだ。喰らえホーリーリバースボールを!」
最後、ソレは分離して最初に見た姿になって分離した。そしてそのまま核が落ちてきた。
「力が出ない…クソックソッ、クソッタレが!」
「さーてお前ら。この俺の手の中にある物が分かるかな?」
今の俺の手の中には、核があった。
「返せ!それを!」
そしてあいつらが人間から作ったらしいナイフを上に掲げてーーー
「やめろ!」
核を叩き割った。
「クソが、何で俺たちはこんな目に遭わなきゃ…」
あいつらはまとめて消えていった。
「トゥーム、お疲れ。お終いだ」
「お疲れ様だね。マス。この調子でいけば本当に《聖者狩り》を滅ぼせそうだ。」
「そうだな。」
「あとーー21体かな。」
「なんか言ったか?」
「いや、何でもないよ」
トゥームは敵の前では極力「マス」じゃなくて「我が主」って言ってます。何でだろうね。




