スキル、覚醒。
その時だった。
【スキルレベルが上がりました。スキルレベルが10となりました。万種のボールを生成が可能となりました。制限数値が撤廃されました。】
「…は?」
その声はもう数年は聞いていない脳内に直接語りかけられるレベルアップのアナウンスだ。
そしてその内容は万種のボールが生成が可能となる事。つまりゴム球以外のボールも作れる様になるという事。
力を振り絞りミノタウロスの一撃をギリギリで回避した。
レベルが上がった。だったらまだ生き残れる希望はある。
「だったらまだ、死んでたまるか!」
そう叫びミノタウロスの真上に直径1mほどの鉄球を生成した。
今までは手の平から1cmまでの範囲でしか出せなかったがそれも撤廃された。
それを落としたらミノタウロスは受け止めた。流石Aランクだ。
僕は鉄球のサイズを数十倍に拡大した。ミノタウロスが耐えきれなくなる程の重さになる様に。
そしてミノタウロスは耐えきれず鉄球により、頭蓋が破壊され倒れた。
生き延びた。
けど、まだ終わって無い。帰るための道は塞がれてる。ミノタウロスにボールを投げている際、更にアースウォールを発動している音が聞こえていた。こっちへの道を完全に塞いだのだろう。僕が脱出出来ない様に。多分あいつらは僕は死んだ事にするだろう。
「だったら、死に損なったこの命でいける所までいってやる」
僕は、そう決意した
「進むか…」
荷物も全てあいつらが持って行った。そのまま進むしかない。
一旦状況整理だ。
まず、レベルが10になってどうなったか。
今までは、作ったボールを投げる際はごく僅かな照準補正が入り、少しだけボールのサイズを変えれ、9個までボールが作れた。
しかし、今はその制限が無い。つまり完全な自動照準、ボールサイズの自由な可変、個数無制限のボールの生成が出来る様になった。
また、ボールもゴム球以外も作れる様になった。
そしてあの時アナウンスが言ってたのは「万種のボールが作れる」と言う事。だったら、属性のボールも作れるのか?
スキルの中にも属性魔法と呼ばれる物がある。リーナが使っていた<治癒魔法>やアレンが使っていた<土魔法>等の属性毎の魔法だ。そしてほぼ全ての魔法の中にはボール系の魔法がある。まあ、基本使われるのは威力、発射速度等圧倒的に優れているアロー系の魔法なのだが。
そう思い手始めに<炎魔法>のファイアーボールをイメージしてボールを作る。
成功だ。
手の平の上には燃え盛る炎の玉があった。その燃え様は通常のファイアーボールとは比にならないほどに強い。そして色が白い。
威力補正ってここまで補正が入るのか。
その後思いつく限り、属性のボールを作った。全て成功した。…威力は本来の物を遥かに上回っているが。要はボールであればいい。ボールと言える物なら何でも作れる。解釈としてはそれで良いはず。
そしてフロアボスの部屋の前に来た。
「フロアボス、覚悟しとけ」
フロアボスはケンタウロス。移動、一撃の攻撃力に優れた魔物。
レベルが上がったボールの実験台にはもってこいだ。
試しにファイアーボール、ウォーターボール、ウィンドボール、アースボールなどのボールをそれぞれ5個作ってみた。
「行け」
それを一斉にケンタウロスへと投げつけた。爆発音が聞こえる、確か火属性と風属性魔法が組み合わさると爆発が起こるっていう記述があったか。採掘の時以外基本誰も使わないけど。
発射が終わった頃にはケンタウロスは残骸も残らず消え去っていた。
可哀想に。まあ俺がやったんだが。
ケンタウロスがいた場所を眺めていたら次のフロアへの扉が開いた。
因みにLv.10前までの〈ボール〉
Lv.1 手の平から1cmの範囲に直径10cmのボールを作れる
Lv.2 ボールを投げる時に9%の照準補正が入る
Lv.3 直径1cmまでのボールが作れる
Lv.4 直径55cmまでのボールが作れる
Lv.5 ボールを9個まで作れる
Lv.6 作った後に直径を45%大きく出来る(Lv.3のサイズが最大値)
Lv.7 作った後に直径を45%小さく出来る(Lv.4のサイズが最小値)
Lv.8 45%までの威力補正
Lv.9 耐重量5kg、秒速2cmまでなら作ったボールが9cm上げられ、45cmまでの範囲なら遠隔で投げられる
ユニークスキルでさえなければ便利なスキルなんだけどねぇ…




