唐突
「インビジブルボール」
〈隠密魔法〉のボールだ。中の物を透明に出来る。小物しか普通なら隠せないからこれもまた使われる事は通常はない。
あいつらの拠点の場所は流石に覚えている。あと裏口も。
その中には誰も居なかった。また何処かのダンジョンにでも行ってるのだろうか。
何かないかと探してると、机の上にダイザス宛の一枚の手紙があった。
〈我ら在る所に聖者在り。聖者在る所に我ら在り。聖者が理に逆らいし者には制裁を。呪いを。〉
何だこれ?あいつらには確かに恨みはあるがここまでされる様な悪い事はあいつらはしてない。俺が生まれた村の共々よりはまだマシな奴らだ。そもそも誰からだ?
それで裏を見ようとした時に背筋に突然悪寒が走った。何かの気配ーー。
「誰だ!!エアーボール!」
振り向きざまにエアーボールを打ち込んだ。今感じた気配は確実に殺気だったものだった。
「おっとお。初対面の相手に攻撃を仕掛けるなんて感心しないねぇ。」
それは背中から名状しがたい悍ましい触手の様なものを生やした、人型の化け物だった。
チッ、ボールが弾かれてる。面倒な。
「君が誰かは知らないけど君に用は無いんだよねぇ。ダイザスとやらを待ってるんだけどねぇ。けど見られちゃったから、ここで始末しないと。」
「そっちの方が助かるな。だったら叩きのめしてやるよ」
「ははっいいねぇ、その虚勢。少し遊ばせてもらおうかな」
「強化ボール、魔焉弾、ブラックボール!」
一旦デバフを打っておく。話はそこからだろう。
「面倒だねぇ。一応こっちにだってそういうの耐性あるはずなんだけどかけられちゃうとね、困るんだよ。ホラ。シャドウブレイク」
背中の触手が襲って来た。無駄に速い。けど見える。強化ボール様々だ。
あの触手千切れるか?一旦殴ってみるか。
ガキンッ
堅ったッ見た目の数十倍は堅い。それも下からも生えてくるようになったから面倒ったらありゃしねぇ。本体殴った方が速いな。
「速いね。けど背後は無理だよ。」
ッ!?盲目かけても見えるのかよ
クッソ触手が迫って来てるけど避けれねぇ!
「ガハッ」
「つっかまーえたー。よかったね。我らが主は無駄な殺生は望まないようだ。お、丁度彼らも帰って来た。私は処理したらお暇することにさせてもらおうかな。」
ええ、決して変な薄い本みたいな展開にはしませんとも、出来ませんとも。




