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オカルト研究部 田中祐一 今日も怪異あり  作者: waku


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部長交代と、これからの活動方針

 山小屋の改修が終わり、しばらく経った頃、

河餅部長たちから、次の引継ぎにについての話が行われる事になった。

年が明け、新学期が始まった頃。

オカルト研究会の部室に、河餅部長と岡田副部長が、主要メンバーを集めた。

「さて、そろそろ俺たちも引退の時期が近づいてきた」


河餅部長が切り出す。

「今日は、次期体制について話したい」

岡田副部長が資料を配る。

「次の部長は、2年生の田中祐一君に頼もうと思っている」

河餅部長が祐一を見る。

「え……僕ですか?」

祐一が驚きを隠せない様子だった。

「副部長は、同じく2年生の峯川君と星川君に頼む」

「了解しました」

峯川が真剣な表情で頷く。

「頑張ります」

星川も決意を込めて答える。

「それと……」

河餅部長が少し間を置いてから続ける。

「色々と残された調査依頼についても話しておく」

部長が机の上に、未解決の案件ファイルを広げる。

「はっきり言って、原因の究明、解決は、しなくても良いと思っている」

部長の言葉に、部室の空気が少し張り詰めた。

祐一が、少し驚きを隠せない様子だった。

「でも、部長……」

「俺たちで出来るところまでチャレンジするのが、正解だと思います」

峯川が反論する。


 その話を聞いた星川が、口を開く。

「いや、河餅部長の意見が正解だと思う」

星川が真面目な顔で言う。


「星川……」祐一が驚いて星川を見る。

祐一も、複雑な気持ちだったが、ゆっくりと口を開いた。

「確かに、気持ち的には解決したいけど……僕たちの力では、多分、無理だと思います」


祐一がうつむく。

「寮さん達や、山田先輩の援助で何とか、ここまで乗り切れたことがほとんどです」


「そうなんだよ。我々だけで解決できたことは、ほとんど無い」河餅部長が頷く。

「調査や体験はしても、それ以上、深入りして解決できるだけの力は、残念ながら、我々の力では到底無理だった」


 祐一が続ける。

「確かに、これまでの活動で、パワーアップしているけど、それ以上に未知数の存在や問題も大きいです」

峯川も深く考え込んでいた。


 「今回の山の調査も、形としては継続しますが、問題を解決するだけの力は、今の段階では、無理かもしれません」祐一が正直な気持ちを吐露する。


 「だからこそ、無理をするなと言いたい」河餅部長が優しく言う。

「俺たちは学生だ。プロの霊能者でもなければ、命を懸ける義務もない」

「調査は続けていい。でも、解決まで背負い込む事はしなくてもいいんだ」





 岡田副部長が付け加える。

「自分たちの限界を知ることも、大切な成長と考えています」


 部室に静かな沈黙が流れた。

「……分かりました」祐一がゆっくりと頷く。

「無理はしない。調査と体験を中心に、安全第一で活動します」


「それでいい」河餅部長が満足そうに笑う。

「君たちなら、良い研究会を続けていけるよ」

こうして、新体制と新しい活動方針が決まった。

解決よりも、理解と体験を重視する──それが、オカルト研究会の新しい道だった。

寮との対話

つばき壮に戻った祐一は、寮に部長になったことと、これからの方針について語った。

「そうか、部長になったのか。おめでとう」

寮が笑顔で言う。

「ありがとうございます。でも……」

祐一が複雑な表情で続ける。

「解決まではしない、という方針になりました」

寮も頷きながら、真剣な顔で答える。

「確かにな。僕は、祐一君の能力は認めているけど……」

寮が少し間を置く。

「絶対的な能力、力となると、やっぱり、簡単に身に付けることは難しいからね」

寮も、以前は古代魔法継承者として活動していた時の話をした。

「まあ、結果的には、霊力を捨てきれずに今は、オカルト編集者として活動もしているけど……」

寮が遠い目をする。

「本当の意味での絶対的な力は、もう失ってしまったんだ」


「寮さんに憧れていました」と答え、祐一は驚きを隠せなかった。

「今の、その力では、及ばないということなんですね・・・・」


「ああ……」寮が静かに頷く。

「それと、美紀や春香も、その意味では、僕と同じかもしれないね」


寮が続ける。「山田さんや、瑞希もそうなんだ……」

祐一は、そうそうたる名前を聞きつつも、ショックを隠し切れなかった。


 自分が知っている強力な霊能者たちでさえ、絶対的な力には届かないのか。


「陽菜さんは……どうなんですか?」祐一が恐る恐る聞く。

「陽菜は、そう、昔の僕の力を継承している」寮が答える。

「でも、それは、過酷な使命でもあるし、絶対的な力を使うことは、大きな責任もある」

寮が真剣な顔で続ける。


「そういった大きな責任がないのも気楽だと思っている」祐一が黙って聞いている。

「祐一君も、これから部長となって、自分の力を信じても、絶対とは思わない謙虚さも必要だ」

寮が優しく諭す。

「たいていの普通の心霊スポットでは、十分な力だけど……」

「絶対的な力を持つ存在には、抗えないことを認めることも大切なんだ」


祐一が深く頷きながら「……分かりました」と答えた。


「自分の限界を知って、無理をしない。それが、これからの僕の役目ですね」

「そうだ」寮が満足そうに笑う。


「それが分かっているなら、君は良い部長になれるよ」

祐一は、部屋に戻りながら、今日の会話を思い出していた。

力には限界がある──それを認めることが、本当の強さなのかもしれない。


寮との対話

つばき壮に戻った祐一は、寮に部長になったことと、これからの方針について語った。

「そうか、部長になったのか。おめでとう」

寮が笑顔で言う。

「ありがとうございます。でも……」

祐一が複雑な表情で続ける。

「解決まではしない、という方針になりました」

寮も頷きながら、真剣な顔で答える。

「確かにな。僕は、祐一君の能力は認めているけど……」

寮が少し間を置く。

「絶対的な能力、力となると、やっぱり、簡単に身に付けることは難しいからね」

寮も、以前は古代魔法継承者として活動していた時の話をした。

「まあ、結果的には、霊力を捨てきれずに今は、オカルト編集者として活動もしているけど……」

寮が遠い目をする。

「本当の意味での絶対的な力は、もう失ってしまったんだ」

「寮さんが、憧れていました」

祐一が驚きを隠せない。

「でも、その力でも、及ばないということなんですね」

「ああ……」

寮が静かに頷く。

「それと、美紀や春香も、その意味では、同じかもしれないね」

寮が続ける。

「山田さんや、瑞希もそうなんだ……」

祐一は、そうそうたる名前を聞きつつも、ショックを隠し切れなかった。

自分が知っている強力な霊能者たちでさえ、絶対的な力には届かないのか。

「陽菜さんは……どうなんですか?」

祐一が恐る恐る聞く。

「陽菜は、そう、昔の僕の力を継承している」

寮が答える。

「でも、それは、過酷な使命でもあるし、絶対的な力を使うことは、大きな責任もある」

寮が真剣な顔で続ける。

「そういった大きな責任がないのも気楽だと思っている」

祐一が黙って聞いている。

「祐一君も、これから部長となって、自分の力を信じても、絶対とは思わない謙虚さも必要だ」

寮が優しく諭す。

「たいていの普通の心霊スポットでは、十分な力だけど……」

「絶対的な力を持つ存在には、抗えないことを認めることも大切なんだ」

祐一が深く頷く。

「……分かりました」

祐一がゆっくりと答える。

「自分の限界を知って、無理をしない。それが、これからの僕の役目ですね」

「そうだ」

寮が満足そうに笑う。

「それが分かっているなら、君は良い部長になれるよ」

祐一は、部屋に戻りながら、今日の会話を反芻していた。

力には限界がある──それを認めることが、本当の強さなのかもしれない。


***新体制へ向けて***


 河餅部長、岡田めぐみ副部長、一谷が卒業し、新体制となったオカルト研究会。

4月から3年生になる田中祐一部長、峯川副部長と星川副部長、小川、松井あゆみ、宮田優子。

2年生になる佐藤一、織田隆、広末摩耶、鮎川美奈の10名で新体制が整えられることになった。

新学期の最初のミーティングで、祐一は新メンバーを含めた全員に挨拶した。


「改めて、これから部長を務めることになった田中祐一です」

祐一が立ち上がる。


「副部長の峯川と星川と共に、安全第一で活動していきます。よろしくお願いします」

「よろしくお願いします!」

全員が声を合わせた。

「さて、春になったことだし……」


峯川が地図を広げる。「山小屋の本格的な調査を開始しよう」


***山の調査開始***


春の陽気に包まれた週末、10名のメンバーが山小屋に集まった。

改修された山小屋は、すっかり快適な拠点となっていた。

「よし、今日から本格的な調査だ」

祐一が全員を集める。

「まずは、山小屋周辺の詳細な調査から始めよう」

織田隆がドローンを飛ばし、山小屋周辺を調査する。

「山小屋から先に進めるルートを探ってみよう」

織田がコントローラーを操作しながら言う。

ドローンからの映像がタブレットに映し出される。森の中に、いくつかの獣道らしきものが見える。

佐藤一は、持ち前のオカルト知識を駆使し、山の怪奇現象など事例をピックアップし、霊現象が起こりやすい地点をチェックする。


「山小屋は、まだ、序章の地点だろうね」佐藤がノートを見ながら言う。


「この先、もっと先に何かありそうね」

鮎川は神社周りの知識を生かし、山に祀られている岩の調査や周辺の風景をカメラに写していく。

「この岩が要の石、封印の1つとすると、もっと先にも何かありそうね」

鮎川がカメラのファインダーを覗きながら呟く。


 宮田優子も持ち前の霊感を生かし、霊的な気配を探っていく。

「うん……もっとこの先に何か霊的な気配を感じたわ」

宮田が目を閉じて集中する。


「どの方向?」祐一が聞く。

「あっち……山の奥の方」

宮田が指差す方向は、まだ誰も足を踏み入れていない深い森の中だった。


「織田、その方向にドローンを飛ばせるか?」峯川が指示する。

「やってみます」

織田がドローンを操作する。


しばらくして、ドローンの映像に、森の中に続く古い石段のようなものが映った。

「あれは……」

星川が画面を凝視する。

「古い参道かもしれない」

小川が推測する。

「明日、実際に行ってみよう」祐一が決断する。

「ただし、安全第一で。無理はしない」

「了解」

全員が頷いた。

新体制での最初の本格的な調査が、いよいよ始まろうとしていた。



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