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オカルト研究部 田中祐一 今日も怪異あり  作者: waku


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本格調査に向けた準備へ

 山小屋の浄霊を終え、本格的な調査を行う為の準備に取り掛かる事になったオカルト研究会のメンバー達だった。

***旅館のひと時***


 山を車で降り、一時間ほど走った所にある宿に到着した。浄霊を終えた疲労もあり、メンバーたちは今夜ここに泊まることにした。


温泉でゆっくりと体を休めた後、夕食を済ませた六人は、旅館の一室に集まった。


「さて、明日のことを話し合おう」


小川が口火を切る。テーブルを囲んだメンバーたちが、今日の出来事や明日の予定について話し合い始めた。


「明日は、山小屋の簡易的な整備と、周辺の調査を行いたい」


祐一がスケジュール表を広げる。


「あの山小屋、最低限の補修はしておいた方がいいな」


峯川が腕を組んで考える。


「屋根の雨漏り対策と、壁の隙間を埋めるくらいはやっておこう」


「掃除もしないとね。あのままじゃ、とても使えないわ」


松井が言う。


「岩の周辺──山神之社の場所も整備したい」


祐一が地図を指差す。


「じゃあ、午前中は小屋の簡易補修と掃除。午後から岩の周辺を整備しよう」


小川がまとめる。


「そして夜は、可能であれば試しに小屋に泊まってみるのは、どうかな。拠点として使えるかどうか、確認しないとね」


祐一が提案した。


「了解」


こうして、明日の予定を決めた六人は、それぞれの部屋へと戻っていった。


*** 簡易改修作業***


 翌朝、六人は旅館を出発し、再び山小屋へと向かった。清々しい朝の空気の中、小屋に到着した。


山小屋は木造で建てられており、幅8メートル、奥行き12メートル程度の広さだった。ドアを開けて中に入ると、中央には木のテーブルが置かれており、長さ2メートル、幅1メートル30センチほどだった。


 右側には簡単なキッチンが設置されていた。反対側には収納棚と休憩スペースがある。窓は3か所。キッチンスペースの壁面と、入ってすぐドアの左側、そしてもう1つは反対側の側面にあった。


「じゃあ、始めよう」小川が指示を出す。


「峯川、星川、祐一で屋根と壁の応急処置。松井と広末で掃除。僕は必要に応じてサポートに回る」


「了解」


峯川たち三人は、まず屋根に上った。


「陥没した部分に、とりあえず板を張って防水シートを被せよう」


 峯川が指示する。完璧な修理ではないが、雨漏りを防ぐ程度の応急処置を施す。次に、壁の隙間を埋める作業。剥がれかけた板を打ち直し、大きな隙間には木片を詰めて、その上からビニールシートを張る。


「これで、少しはマシになったな」


星川が汗を拭う。割れた窓ガラスも、透明ビニールシートで覆った。


一方、松井と広末は小屋の中を掃除していた。


「とりあえず、床だけでも綺麗にしましょう」


松井が箒を手に取る。埃を掃き出し、雑巾で拭く。完璧にはならないが、何とか人が座れる程度には綺麗になった。


「不要な物は外に出して」


広末が壊れた道具を運び出す。簡単な机と椅子だけを残し、スペースを確保する。


祐一は、車中泊用の装備を小屋に運び入れた。小型のソーラーパネル、ポータブルバッテリー、LEDライト、カセットコンロ、寝袋──。


「最低限の装備は揃えたけど……やっぱり、隙間風が凄いな」


祐一が小屋の中を見回す。


「断熱材を入れるとか、本格的な工事が必要だな」峯川が壁を叩く。


「今日のところは、これで限界だ」午前中の作業を終え、簡単な昼食を取った。


***岩の周辺整備***


午後、六人は山神之社──石碑のある場所へ向かった。


「ここを整備しよう」


小川が周囲を見回す。石碑の周りには、雑草が生い茂り、倒れた木の枝が散乱していた。


「まずは草を刈って、ゴミを片付けよう」


全員で作業を分担する。峯川と星川が鎌で草を刈り、祐一と小川が倒木や枝を片付ける。松井と広末は、石碑を丁寧に掃除した。


「苔も少し落としましょう」


広末がブラシで優しく磨く。文字が少しずつ見えやすくなる。


『山神之社』


松井がダウジングで、浄化のための水晶を埋める場所を探す。


「ここ」


石碑の四方に、小さな水晶を埋設した。


「お香も焚いておこう」


星川が白檀のお香に火をつける。煙が静かに立ち上り、風に流れていく。


祐一が祝詞を唱える。


「山の神様、どうかこの山をお守りください。僕たちも、この山を大切にしていきます」


全員が手を合わせた。


すると──風が優しく吹き抜けた。


「……山が、喜んでいる」


広末が目を閉じて呟く。作業を終え、小屋へ戻る頃には、日が傾き始めていた。



*** 宿への帰還と今後の方針***


岩の周辺整備を終え、日が傾き始めた頃、六人は山小屋に戻った。


小屋の中を見回しながら、小川が呟く。


「さて、どうする?ここに泊まってみるか?」


しかし、隙間風が吹き込む小屋の中を見て、全員が顔を見合わせた。


「……やっぱり、今日のところは宿に戻りましょう」松井が提案する。


「そうだな。今の状態では、まともに休めそうにない」

峯川も頷く。こうして、六人は車に乗り込み、昨夜泊まった旅館へと向かった。


*** 今後の方針***


旅館に到着し、夕食を済ませた後、六人は再び一室に集まった。


「今日の作業、お疲れ様でした」


小川が口を開く。テーブルを囲んで、今日の出来事を振り返る。


「山小屋の状態は、思っていたより深刻だったな」峯川が腕を組む。


「応急処置はしたけど、あれじゃ拠点としては使えない」


「やっぱり、改築していかないと難しそうだ」祐一が切り出す。


「断熱材を入れて、水回りを整備して……本格的な工事が必要になる」


星川が言う。


「予算も時間もかかりそうですね」


広末が心配そうに呟く。小川が考え込んでから、提案した。


「一旦、部長に相談してから決めよう」


「そうですね。研究会としての活動だから、ちゃんと報告しないと」


祐一も同意する。


「了解。じゃあ、明日大学に戻ったら、すぐに報告しよう」


こうして、山小屋の調査は、一旦終えることになった。


*** 部室での報告***


後日、オカルト研究会の部室で、六人は部長に詳細な報告を行った。


山小屋の現状、浄霊作業の成果、そして今後の改築の必要性について説明する。


部長は報告書に目を通しながら、しばらく考え込んでいたが、やがて口を開いた。


「なるほど……状況はよく分かった。ただ、短期間での大規模な改築は、予算や時間の関係から難しいな」さすがに即座の改築は却下された。


「ただし──」


 部長が続ける。

「週末の改築作業と調査は認めよう。少しずつでも、拠点として使えるように整備していってくれ」


「本当ですか!」


祐一が目を輝かせる。


「ああ。君たちのメンバーで、引き続き山小屋の改築と調査活動を行ってくれ。報告は定期的に頼むぞ」


「ありがとうございます!」


 六人は顔を見合わせて笑顔を交わした。こうして、同じメンバーで、山小屋の改築と調査活動を引き続き行うことが決まった。


新たな挑戦の始まりだった。

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