2つ目の祠で起きた変異
1つ目の祠の浄化を終え、次のポイントに祐一たちは向かう事になった。
***林の中へ***
用水路沿いの道を離れ、一行は林の中へと入っていった。
木々が生い茂り、陽の光が遮られる。
空気が、少しひんやりとしている。
「……何か、雰囲気が変わったな」
峯川が小さく呟く。
星川も頷く。
「霊的なエネルギーが、強くなっている気がします」
松井が立ち止まった。「……何か、います」
全員が警戒態勢に入る。
由香が静かに言った。
「敵意は……ない。でも、何かが見守っているような……」
祐一は周囲を見回す。
木々の間から、何かの視線を感じる。
しかし、姿は見えない。
「……行こう。立ち止まっていても仕方ない」寮が静かに告げた。
一行は、再び歩き出す。
林の中の小道を、慎重に進んでいく。
やがて、前方に、目的の場所が見えてきた。
「あれは……」
祐一が目を凝らす。
そこには、二つ目の祠が、ある様だった。
しかし、その祠の周りには——
不気味な霧が、立ち込めていた。
「……来たか」寮が表情を引き締める。
由香も真剣な目で祠を見つめた。
「みんな、気をつけて。ここからが本番だよ」
その言葉に、全員が緊張した面持ちで頷いた。
***藪の中の祠***
先を進むと、霧が少し晴れて、そこは、深い藪に覆われた場所だった。
「二つ目の祠は……藪に埋もれているな」
峯川が地図を確認しながら呟く。
確かに、祠があるはずの場所には、背の高い草と絡み合った蔦が生い茂っていた。
「仕方ない。道を作ろう」そう祐一が話すと、
祐一、峯川、小川、星川の四人が、藪を払いながら進んでいく。
祐一が草を掻き分け、峯川が蔦を切り払う。
小川が魔法で絡まった枝を解きほぐし、星川が足場を確保していく。
「うわ、これは……結構大変だな」
峯川が額の汗を拭う。
「でも、少しずつ進んでいる。もう少しだ」
祐一が励ます。
十分ほど藪と格闘した後——
ようやく、藪を抜けた。
「……見えた」小川が指さす。
そこには、古びた石の祠が、静かに佇んでいた。
***重苦しい空気***
全員が、祠の前に集まった。
しかし、一つ目の祠とは、明らかに雰囲気が違う。
空気が重い。
まるで、何か大きな重しが心に乗っているような感覚。
「……ここは、何か重い感じだね」由香が表情を曇らせる。
寮も頷いた。「ああ、この祠は……かなり弱っている」
橘が祠に手をかざす。「封印が、ほとんど機能していません。早く強化しないと……」
「みんな、すぐに準備を」祐一が全員に指示を出す。
松井が浄化スプレーを手に取った。
「まず、周囲を清めます」
シュッ、シュッと、祠の周囲に浄化スプレーを撒いていく。
しかし——
いつもなら、空気が清められていく感覚があるはずなのに、今回はそれが感じられない。
「……効果が、薄い……?」松井が不安そうに呟く。
さくらが、お供え物の準備を始めた。
日本酒を注ぎ、白い花を丁寧に活ける。
「お供えは、これで……」
さくらの声が、少し震えている。
橘がカバンから封印の札を取り出し、準備を始めた。
***黒い影の襲来***
その時——
「何か……来るわ!」松井が叫んだ。
周囲から、黒い影が集まってくる気配を感じた。
霧の中から、いくつもの人型の影が姿を現す。
「悪霊だ!」峯川が身構える。
影たちは、ゆっくりと一行に近づいてくる。
その目は、虚ろで——しかし、確かな敵意を放っていた。
「みんな、下がって!」祐一が前に出た。
深呼吸をし、集中する。
そして両手を前に突き出した。
「浄化!」祐一の手から、白い光が放たれた。
霊光が、最も近くにいた黒い影に命中する。
「ギィィィ……!」
影が苦しそうに身をよじり——
やがて、光に包まれて消えていった。
「一体、浄化した!」小川が叫ぶ。
***連携攻撃***
星川が素早く香炉を取り出し、
「浄化のお香を焚きます!」
火をつけると、濃い白煙が立ち上る。
煙が、黒い影たちを包み込む。
「ギィ……ギィィ……」
影たちが、苦しそうに後退する。
「今だ、小川!」
「分かった!」
小川が魔法陣を描いた護符を取り出し、呪文を唱え始めた。
「光よ、闇を払え——」
小川の手の上に、小さな光の球が現れる。
それが、どんどん大きくなっていく。
「行け!」
小川が光の球を、黒い影に向かって放った。
光のエネルギー弾が、弧を描いて飛んでいく。
そして——
もう一体の黒い影に命中した。
「ギャアァァ!」
影が悲鳴を上げ——
光に包まれて、消えていった。
「やった! もう一体浄化した!」峯川が拳を握る。
***まだ続く戦い***
しかし——
黒い影は、まだ残っている。
霧の中から、さらに影が現れてくる。
「まだ来るわ!」松井が叫ぶ。
橘が叫んだ。
「時間を稼いで! 封印の準備が、もう少しで完成する!」
「分かりました!」祐一が再び霊光を放つ。
峯川が浄化スプレーを、影たちに向かって吹きかける。
小川が次の魔法を準備する。
星川が香炉を持ち、煙で影たちの動きを封じる。
松井は、さくらを守りながら防御結界を展開していた。
寮と由香は——
冷静に状況を見守りながら、必要があればすぐに動ける態勢を取っている。
「橘さん、まだか!」峯川が叫ぶ。
「もう少し……もう少しです!」
橘の手の中で、札が強く光り始めている。
黒い影たちが、さらに近づいてくる。
祐一は、息を整えながら再び、霊光を放つ準備をした。(みんな……頑張ってくれ!)
二つ目の祠での戦いは、まだ、続いていた。
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