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祐一の風水活動の日常

忍さんと墓地の問題も解決し、祐一は、また、普段の日常を取り戻していた。また、今日も風水活動の一環として掃除や片付け活動を起こっていた。

 忍さんと墓地の事件も解決し祐一は日常生活に戻っていた。日常の活動は主に風水活動として掃除と片付けが主な活動だった。今日はトイレ掃除を終えた後、アパート周辺のゴミ拾いを行っていた。桜が祐一を見つけ「今日も清掃活動、頑張っているね。と、声を掛ける。


 祐一は、桜に向かって「これは風水活動なんだ。ゴミを拾いを行なうことで、場のエネルギーが整っていくんだ。実際にごみがたくさん捨てている所は、よりゴミを多く捨てられる話があるんだ。逆にゴミか捨てられてない所は、いつもきれいな場を保たれているそうなんだ。他にもゴミ屋敷は、犯罪や事件が起きやすくなったり、運気が悪くなると言われているんだ」と、熱く語った。


 桜は、少し呆れた顔をして「掃除や片付けをいくら頑張っても成績は良くならないよ。まじめに勉強をするから成績が良くなるのよ」と、反論した。


 祐一は桜の言葉を聞き、一瞬言葉に詰まったが、すぐに落ち着きを取り戻し、穏やかに笑って答えた。


「桜の言うことも正しいよ。勉強を頑張ることが成績を上げる近道なのは間違いない。でもね、僕が言いたいのは、掃除や片付けが直接成績を良くするんじゃなくて環境を整えることで、集中力や気持ちの切り替えがしやすくなるってことなんだ。部屋が散らかってると、勉強する気持ちになれないことってない?」


 桜は少し考えてから、うなずいた。「確かに、部屋が汚いと落ち着かないことはあるね。でも、それってただ自分が怠けてるだけじゃない?」


 祐一は笑みを深めながら答えた。「そうかもしれない。でも、怠けてる自分を変えるきっかけとして掃除をするのも悪くないと思うよ。例えば、掃除を通じて場を整えることで、自分自身の心も整う。そうすれば、自然と前向きな気持ちで勉強にも取り組めるんじゃないかな。だから僕にとって掃除は風水活動だけじゃなく、自己改善の一環なんだ。」


 桜は少し考え込んでから、「まぁ、確かにその考え方も悪くないかもね。でも、掃除ばっかりしてて肝心の勉強が疎かにならないようにね」と、軽く釘を刺すように言った。


 祐一は力強くうなずき、「もちろん!ちゃんとバランスを考えてやるよ。勉強も掃除も両立して、最高の運気で成果を出してみせる!」と、自信満々に答えた。


 二人はそのまま笑い合いながら、アパートの周辺を少し散歩することにした。

桜は祐一の独特な考え方に少し呆れつつも、どこか感心したような気持ちで彼の言葉を思い返していた。


 つばき荘の近所を歩きながら、祐一は「この辺りの雰囲気も以前より良くなった感じだ」と話す。


 桜は祐一の話に対して「特別、変わらないと思うけど・・・」と、そっけなく答える。


 祐一は「この辺りのゴミ拾いと浄化スプレーを時々、撒いているんだ。多分、浮遊霊や邪気も浄化されているら筈だ」と、説明した。そのまま歩いて踏切を通り過ぎながら「ここに埋設した浄化グッズのパワーで場の波動もと取ってきているみたいだ」と続ける。


 桜は「あんな水晶のおもちゃみたいなので?」と、少し、信じられないように答える。祐一は、「キネシオロジーチェックで確かめる方法もあるんだ」桜は、初めて聞いた言葉に疑問を持ち「キネシオロジーチェック?」と、訪ねた。 


 祐一は、その場に立ち止まり説明を始めた。「たとえば真っ直ぐ立って、前にかがんで地面に手を付けようとするんだ。良いエネルギーの所では、手が地面により多く付いて、悪いエネルギーの場所では体が固くなって、手が地面に付くのが少なくなるんだ」と、詳しく話す。


 また歩きはじめ、しばらく先に進み病院とお寺の前に来ると祐一は、まっすぐに立ち、地面に手を付ける。「やっぱり、ここのエネルギーは重いみたいだ」と話し浄化スプレーを取り出し、振りまいた。次に美紀から貰ったクリスタルを取り出し地面に埋設する。「今度来た時に以前より地面に手が多く付くようになっていたら、エネルギーが高くなっている証拠になるんだ」と説明した。


 桜は「それって、どちらかといえば気分とか、思い込みとか体をほぐす前と後で変わると思うわ」と、感想を述べた。



 祐一は桜の返事を聞いて笑いながら、「まあ、確かにそう思う人もいるかもしれないね。でも、気分が良くなるとか、思い込みだとしても、それで場が整って自分や他の人が快適に過ごせるなら、それも一つの成果なんじゃないかな?」と答えた。


 桜は腕を組みながら「でも、本当に効果があるかどうか、科学的に証明されてないと、私は納得できないわね」と、少し呆れたように言った。


 祐一は肩をすくめ、「そうだね。科学的な証明は確かに重要だ。でも、この浄化グッズやスプレーを使い始めてから、なんだか周りの雰囲気が穏やかになったように感じるし、トラブルも少なくなってるんだよ。僕にとっては、これが一種の『実感できる証拠』ってやつかな」と、自信を持って答える。


 さらに祐一は、真剣な表情で桜を見つめて続けた。「桜さん、僕がやってることを全部信じてほしいわけじゃない。でも、こういうことを試してみることで、少しでも場や人の心が良い方向に向かう可能性があるなら、それって悪いことじゃないと思うんだ」


桜は祐一の情熱的な話に押されるように、小さくため息をついた。「まあ、祐一君が真剣にやってるなら、それを否定する気はないわ。でも私は、もっと現実的な方法で物事を解決したいタイプかな」


 二人は、またし歩き初め祐一は笑いながら話題を変えた。「でもさ、桜さんがこうやって付き合ってくれるのは、ちょっと嬉しいよ。普通、こんな話に付き合ってくれる人って少ないからね」


 桜は少し照れたように顔を背けて、「べ、別に特別に付き合ってるわけじゃないわよ。ただの散歩ついでだから」と、そっけなく答えた。だが、その顔にはどこか柔らかな微笑みが浮かんでいた。


 祐一は、病院の隣にあるお寺に入り、写経に挑戦していた。静かな本堂の中、彼は般若心経を一文字ずつ丁寧に書き進め、最後まで書き上げた。一緒に来た桜も写経を試みたが、思うように書けず、ため息をつきながらつぶやいた。


「こんな意味の分からない漢字を書いて、一体何のメリットがあるの?」


祐一は穏やかに笑いながら答えた。「心を清めたり、功徳を得たり、気持ちを整えることかな。それぞれ書く人によって違うと思うけどね」


 写経を終えた二人は住職に挨拶をし、お寺を後にした。その後、大回りの道を選んで散歩を続けることにした。しばらく歩くと、小さな神社が目に入る。祐一と桜は鳥居をくぐり、石段を100段ほど上って神社にたどり着いた。祐一はお賽銭を入れ、静かに手を合わせてお参りを済ませた。桜も祐一に倣ってお参りをする。


 階段を下りながら、桜は少し驚いた様子で言った。「意外ね。つばき荘の近くに神社なんかあったんだ。こんなに歩いてるのに初めて知ったわ」


 祐一は微笑みながら答える。「遠くまで出かけなくても、身近な場所にも知らないところがたくさんあるんだよ」さらに先に進んでいくと、今度は小さな喫茶店を見つけた。二人は中に入り、軽食を楽しみながら休憩することにした。席に座ると、祐一がふと話を切り出した。


「さっきお寺で書いた般若心経には、『空』の教えとか、いろいろな意味が込められてるんだ。」


「空の教え?」桜が首をかしげる。


祐一はうなずきながら続けた。「そう。最近のスピリチュアルな解釈では、この世界はすべて素粒子でできていて、意識やエネルギーも全てが一つの原子で成り立っているっていう考え方があるんだ。だから、全ては実体があるようで、実は無でもある。今の形あるものも、僕たち自身も、空と捉えることができるって話さ」


桜は少し考え込んでから答えた。「そういう考え方もあるんだね。意外と面白い見方かもしれないわ」


 祐一はさらに神社参拝について話題を変えた。「神社にお参りする理由ってお願い事のためって思われがちだけど、感謝の気持ちを伝える場だって考える人もいるんだ。お賽銭も、ある意味では寄付の精神に通じる部分があるかもね」


 桜は静かにうなずいた。「神さまのことはあまり分からないけど、お祭りや初詣みたいに、ちょっと気分をリフレッシュできる感じはするわね」


 二人はしばらく喫茶店で話を楽しみ、つばき荘へと戻った。別れ際、桜は祐一に微笑みながら言った。


「祐一君の散歩ルート、思ったより楽しかったわ。写経や神社参りもまたやってみたいし、喫茶店も気に入った。また誘ってくれてもいいわよ。ありがとう」


祐一も笑顔で答えた。「こちらこそ。いつでも付き合うよ」


こうして、祐一と桜の日常は穏やかに過ぎていった。桜にとっても新しい発見があり、二人の距離は少しずつ近づいているようだった。


ご購読、ありがとうございました。今回は、また、平穏な日常の話になりました。

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