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オカルト研究部 田中祐一 今日も怪異あり  作者: waku


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調査拠点の準備と設営

 祐一たちオカルト研究会は、調査活動の公園に到着し、長期滞在の為の準備を行う事になった。

新入生も参加し和やかな雰囲気で活動は始められた。

 調査初日、オカルト研究会のメンバーたちは、

西町青空公園の片隅に、拠点となるテントと簡易施設を設置していた。


 今回は長期の滞在になる予定だったため、装備も本格的だった。


 「じゃーん、見て見て。これでお風呂にも入れるよ〜」

 宮村優子が満面の笑みで、オープンテントの中にビニールプールを膨らませ電熱の湯沸かし棒を設置して、公園の水道にホースを取り着けて、みんなに見せた。彼女の発案による「簡易風呂」だった。

 

「へー、風呂場か。夜、ゆったりくつろげそうだな」と星川が感心して答えた。


 メンバーたちでオープンテントの回りにブルーシートを取り付けソーラーライトを設置し、簡易風呂が完成した。

 「これで完成、夜が楽しみ」と宮川優子が呟く。


 河餅部長が「なんとか夕方までには、終わらせよう」と、みんなに号令する。


 拠点となるテントには、ソーラーパネルとポータブル電源も設置され

夜間の機材使用やスマホの充電にも対応し、本格的な調査活動が継続可能に整えて行った。



 そんな中、広末摩耶が少し不安気にぽつりと漏らす。

 「トイレ……夜もここの公園のを使うのよね……ちょっと怖いな」


 「大丈夫。ソーラーライト、何本か持ってきてるから。トイレの周りに設置しとけば、明るくなると思うよ」一谷が手にしたライトを見せる。


 本部となるオープンテントの下で、折りたたみ椅子に腰掛けていた河餅部長が、

ちらりと視線を向けて言った。

 「怖かったら、誰かについて行ってもらってもいい。ここには深夜のモニタリング班が常駐してるから、声かけてくれれば、誰か一人は付き添えるよ」


 その言葉に、広末は少し安心したように頷きながら返事をする。

「ありがとうございます」


 こうして、準備活動が着々と進められていった。


***夜の食事***


 調査拠点の設営が整い、その夜、オカルト研究会の夕食はレトルトカレーだった。

テント脇では、湯沸かし用の鍋に火が入り、次々とカレーパックが温められていく。炊飯器はポータブル電源につながれ、白い湯気を立てながら炊き上がったご飯の香りを漂わせていた。

 スープと豚カツまで用意されており、食後にはコンビニで買ったプリンやゼリーなどのデザートも並ばれた。


 「けっこう豪華だね、これ……」

 織田 隆がテーブルの上に並べられた食事を見て、嬉しそうに声を上げる。


 その隣で岡田副部長と宮村優子、松井あゆみが笑いながら答えた。

 「といっても、基本は簡易的なメニューになるわよ」

 「夜ごはんは、レトルトのカレーや親子丼等が定番ね」

 「どうしても食事の準備の負担を減らさないと、調査に集中できないから」


 朝食は、パンにインスタントスープ、クラッカーとインスタントコーヒーが基本。昼食はカップラーメンに、簡単なサラダやクッキーを添える形だという。


 「でも、たまにはどこかに出かけて、外食をとるのもアリだし、リクエストがあれば相談に乗るよ」

 祐一が、新入生たちに優しく説明した。


 峯川が袋を掲げながら続ける。

 「おやつはいろいろ持ってきてるから、好きなだけ食べて。贅沢はできないけど、夜ごはんのレトルトの種類はそこそこあるから、毎日好きなの選ぶといいよ」


 和やかな雰囲気の中、皆でカレーを頬張りながら、今日の出来事や今後の調査予定について話し合う声が、夜の公園に静かに響いていた。

夕食を終えた後、メンバーたちは順番に簡易プールで入浴を済ませていく。ポータブル電源で湯沸かし棒を稼働させた湯は思いのほか温かく、汗と疲れをさっぱり流すことができた。


 その間、祐一はライト片手に、テント周辺の軽い見回りを行った。

 各所には、持ち込んだエネルギーグッズや結界の札が配置されている。小さな石を組み合わせた結界サークルや、水晶のポイント、神社で祈祷済みのお札が静かに設置されていた。


 宿泊用のテントの下には、直径1.5メートルほどの魔方陣が描かれたシートが敷かれ、足元にひっそりと霊的な結界を張っていた。


 「全員、お守りは必ず身につけておくこと。寝るときも外さないように」

 河餅部長が、皆に静かに告げる。

 「それから――夜間の単独行動は禁止。必ず誰かと行動を共にすること。異変を感じたら、すぐに報告するように」彼の声には、いつになく厳しさが滲んでいた。


 やがて、夜が更けていった。

 明かりの届かない森の方からは、風が木々を揺らす音がかすかに聞こえる。昼間の穏やかな雰囲気とは打って変わって、公園全体に重たい空気が広がっていた。闇は静かに、しかし確実にその輪郭を変えていく。


 祐一は、もう一度、公園内をゆっくりと歩いていた。ライトの光がブランコやすべり台の金属部分を照らし出す。


 ……その時だった。


 「キィィ……キィィ……」

 誰もいないはずのブランコが、ひとつだけ揺れていた。風は吹いていない。

 何かがそこに、いたかのように。


 祐一は一歩踏み出したが、足を止めた。

 ブランコの前で、ゆっくりと何かが通り過ぎたような、気配――

 空気がそこだけ一瞬、冷たく、重たくなったように感じられた。


 「……何か居るのか・・・」

 

彼は慎重に後ずさり、インカムで本部テントに連絡を入れることにした。

 ご購読、ありがとうございました。

今回は、少し、のんびりした話になっています。

これから、どういった展開になるのかお楽しみに。

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