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オカルト研究部 田中祐一 今日も怪異あり  作者: waku


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復興活動からの撤収

青空商店街は、再び活気を取り戻しオカルト研究会のメンバーたちも、成果を得られたことに対して喜んでいた。それと、同時に、オカルト研究会として活動に戻る事を決心していた。


青空商店街の風景は、かつて祐一たちオカルト研究会が初めて足を踏み入れた頃のそれとは、まるで別世界のように変わっていた。

あの頃は、人通りもまばらで、シャッターの閉まった店がいくつも並び、どこか物寂しい雰囲気が漂っていた。商店街全体が、まるで過去に取り残されたかのような印象さえ与えていたのだ。


それが今ではどうだろう。

アーケードを抜けた先には、明るく塗り替えられた看板、新しくオープンしたカフェや雑貨店の数々。道沿いには活気に満ちた露店やキッチンカーが並び、人々の声と笑い声が絶え間なく響いていた。

昼間の明るい陽射しの下で、手をつないで歩く親子連れ、観光地図を片手に楽しげに写真を撮る旅行者たち。

今や、青空商店街は地元の人々にとっての日常の憩いの場であると同時に、週末の小さな観光地としても人気を集めつつあった。


週末ともなれば、さらに賑わいを見せる。

特に駄菓子屋の前には、子どもたちが列を作り、当たりくじを引いた歓声や、お小遣いをめぐる小さな駆け引きが繰り広げられていた。

そのそばで見守る店主たちの顔にも、自然と笑みが浮かぶ。

掲示板には季節ごとのイベントやフリーマーケットの告知が色とりどりに貼られ、人と人との交流が日常に溶け込んでいた。


そんな変化を見守り続けてきたオカルト研究会の面々は、その日、大学の部室に集まっていた。

かつて商店街での調査を通じて見えた霊的な歪みを感じ取った日々、結界の補強やお祓いに奔走した活動も、今では懐かしく思えるほどだった。


「……これ以上、続けるのも、違う気がしてるんだ」


ふと、沈黙の中で祐一が口を開いた。

その声はどこか寂しげでありながら、同時に決意に満ちていた。


「私も、そろそろ活動を一区切りつけても良いかなって思ってた」

岡田めぐみが頷きながら、静かに言葉を重ねる。


「私たちは本来、オカルト研究会として、霊的な現象の調査や原因の探求、必要に応じての結界補強など、精神的な側面の調整が主な活動だったはず。だけど、最近はすっかり商店街の地域振興の一員みたいになっていたわね」


「もちろん、それ自体が悪いこととは思わないけど……でも、あまりにもそこに留まりすぎてしまうと、本来の目的を見失ってしまいそうなんだ」


祐一の言葉に、部屋の空気が静かに揺れる。


「本末転倒ってやつか」

沢田部長が窓の外に視線を向けたまま、ぽつりとつぶやいた。


「俺たちはボランティア団体でも経済研究会でもない。オカルトの研究と調査を行うのが、本来の姿だ。あとは、商店街の人たち自身が、自分たちの手で歩んでいく道を作っていけるさ。…今なら、きっとできる」


誰も反論しなかった。全員の心の中に、同じ想いが芽生えていたのだろう。


***活動完了の報告***


そして数日後。

祐一たちは、商店街の中心部にある事務所を訪ね、太田会長に一連の活動の終了を報告した。


「……突然で申し訳ありませんが、オカルト研究会としての商店街支援活動は、ここで一旦、終了とさせていただこうと思っています」

沢田部長が丁寧に頭を下げる。


太田会長は、少し驚いたように目を細めた後、柔らかな笑みを浮かべた。


「……そうですか。寂しくなりますね。でも、こうして皆さんが関わってくださったおかげで、商店街は確かに変わりました。本当に感謝していますよ」


そう言いながら、会長はふと、おどけたような口調で続けた。


「とはいえ……できれば、今後もイベントの時なんかに、また顔を出してくれたら嬉しいんですがね?」


その言葉に、場の空気が少し和らいだ。


「もちろん、青空大学の学生たちで活動できる範囲で協力します」

と、沢田部長は穏やかに応じた。


「ありがとうございます。本当に。商店街は、いつでもあなたたちを歓迎しますよ」

太田会長は、深々と頭を下げ、改めて感謝の意を伝えた。


――帰り道。

夕暮れの柔らかな陽射しが、道端の木々を赤く染めていた。


オカルト研究会のメンバーたちは、何かをやり遂げたような達成感と、名残惜しさが入り混じったような気持ちで、静かに歩いていた。


「不思議だよね。最初はただのオカルト調査だったのに……まさか、僕たちの活動が商店街全体に影響を与えるなんて」

祐一が感慨深げに呟く。


「俺は、ただのきっかけに過ぎなかったと思っている」沢田部長が続ける。「でも、どんな些細なきっかけでも、人の心に火を灯すことはできる。その火が、ここまで広がったのなら……それは、立派な成果だよ」


「まあ、たまたま運よく上手く行ったって面も、無きにしも非ずですけどね」

一谷が照れくさそうに肩をすくめた。


「やれやれ……オカルト研究会、またしても妙な形で有名になりそうですね」

河餅が頭をかきながら苦笑いする。


「まったく、こういう時だけ運が良いのは、ある意味オカルト研究会らしいけどね」

吉村が小さく笑う。


「でも、運も実力のうちって言うじゃないですか」祐一はそう言って、仲間たちの顔を見渡す。


星川「風水的には、向こう20年は、強い運気が流れて来ますから、大丈夫です」と答える。

小川「スピリチュアルな対策も色々、行っいますからね。商店街の中心のイベント広場もエネルギーが強まる場所、パワースポット化を施していますからね」と自信を持って話す。



そして、彼らの視線の先には、夕陽の中にぼんやりと浮かぶ、次なる目的地の影。


静かに、本来の道へと、彼らは歩き出した。

まだ見ぬ未知と、目に見えぬ世界を探る旅路へと――。



ご購読、ありがとうございました。


また、新しい活動に向けてオカルト研究会の活動が続きます。

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