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オカルト研究部 田中祐一 今日も怪異あり  作者: waku


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青空商店街の依頼

 青空大学の急図書館で起きていたた不可解な現象は、ひとまず本の封印と、

祐一が夢の中で回答した事で解決した様だった。再び、日常の活動に戻っていたオカルト研究会だった。

  旧図書館での事件から、数週間が過ぎた。

以来、特に大きな出来事もなく、日々は静かに流れていた。


 ある日の放課後、オカルト研究会の部室では、いつものようにメンバーたちが集まり、穏やかな空気の中で会話を交わしていた。


「……あれ以来、不思議と夢も見なくなってね。大学内も、すっかり平穏そのものだよ」

 祐一が机に肘をつきながら、ふと漏らす。


「例の本の件以来、特に問題は起きていないようだしね」

 星川が頷きながら言う。「でも、今の僕たちにとっては、こういう穏やかな日々こそが一番ありがたいのかもしれない」


「確かに。ああいうのは……僕たちの力じゃ、分が悪いからね」

 小川が苦笑しながら言った。


「ま、そろそろ新しい冒険も恋しくなってきたけど……次にまたオカルト現象と向き合うことになったら、正直、今のままじゃ力不足だと思う」峯川の言葉に、他のメンバーもうなずく。


「科学的な調査なら自信あるけど、霊や悪霊が相手となると、お手上げだよ」

 河餅が肩をすくめる。


「私たちはオカルト研究会だけど、霊能者でもなんでもないからね」

 岡田めぐみの言葉が、現実的な限界を思い出させる。


「うん。僕も、魔法学校で学んだ知識じゃ、到底太刀打ちできなかった……霊的な現象って、本当に厳しい」祐一の声には、自戒と悔しさがにじんでいた。


「ヒーローになりたい気持ちはあっても、実際には“ごっこ”で終わってしまう。現実は甘くないな」

 沢田部長が、どこか達観したように呟く。


「でも、自分たちの限界を自覚してるからこそ、冷静に活動できてると思うんです」

 祐一は真面目な表情でそう言った。


「それでも、俺たち、結構いろんなことに関わってきたじゃないか」

 吉村が少し誇らしげに言うと、松井あゆみも微笑んで続けた。


「大学内の浄化活動だって、ちゃんと成果を上げてきたと思うよ。地道だけど、大事なことだもの」


「私は占いを続けてるけど、いろんな人と触れ合えるのが楽しい。今のペースが私には合ってるかも」

 宮田優子が、柔らかく笑う。


「僕は風水鑑定をメインにやってるから、最近は個別の相談も増えてきたよ」

 星川悠斗が自信ありげに話す。


「自分たちにできる範囲で、身の丈に合った活動をしていくことが一番さ」

 小川が静かに言い、場は一時和やかになった。


 ふと、祐一が呟く。


「……でも、あの本のことだけは、まだ引っかかってるんだ。本当に、解決したのかな……」


 そのとき、黙って話を聞いていた一谷が、唐突に口を開いた。


***青空商店街からの依頼***


「実は最近、新しい依頼が来ているんだ。部長は最初は断ったんだけど、ちょっと気になる内容でね」


「依頼、ですか? どんな内容なんですか?」祐一が身を乗り出す。


「青空商店街からの依頼でね。商店街の活気がどんどん失われていて、復興の手伝いをお願いしたいっていう話なんだ」沢田部長が補足する。「ただ、今回は前に手がけた廃村の復興とは違って、純粋な経済や地域活性の問題が大きい。だから、最初は対象外だと判断して断ったんだけど……」


「商店街の復興か……確かに、それは僕たちにはちょっと難しそうですね」

 祐一が言うと、部長は軽く首を振った。


「だが、依頼は何度も繰り返し届いていて、どうやら普通の問題だけではないらしい。だから、一度だけ簡単に現地調査をしてみるのもアリかもしれないと思ってる」


「そうですね。下見程度の軽い調査なら……受けてみる価値はあるかもしれません」

 祐一がそう答えた瞬間、部室の空気が少しだけ引き締まった。


 新たな依頼――その背後にあるものが、また彼らを非日常の世界へと誘おうとしていた。


 次の週末、オカルト研究会のメンバーたちは、青空商店街へと足を運んだ。待ち合わせ場所で出迎えたのは、商店街振興組合の会長・本田だった。


「よく来てくださいました。本当にありがとうございます」


 本田会長は深々と頭を下げた。


「オカルト研究会の皆さんが、以前に廃村の復興に関わっていたという噂を聞きましてね。うちの商店街も、ぜひお力をお借りしたくてご連絡しました」


 彼が案内する通り、青空商店街は静まり返り、かつての賑わいは見る影もない。あちらこちらでシャッターが閉まり、通りの空気はどこか淀んでいた。


「この通りなんです。かつては、地域の中心だったのですが……今では人通りも少なくて。何か打開策がないか、調査をお願いできませんか」


 沢田部長が静かに答える。


「我々はオカルト研究会ですから、経済やビジネスの専門家ではありません。霊的・象徴的な視点からの調査になりますが、それでもよろしいでしょうか」


「はい、それで構いません。少しでも手がかりがあれば助かります」


 こうして、オカルト研究会による商店街調査が始まった。


***青空商店街の調査***


 まず、風水の知識を持つ星川と祐一が、商店街全体の運気の流れを鑑定する。


「やはり、昔と比べて運気の流れが大きく変わっているな」と祐一がつぶやく。


「うん。龍脈――風水のエネルギーの通り道が、少しずつズレてしまってる。これが衰退の一因かもしれない」と星川が頷く。


 現在の中心通りから、運気の流れが外れてしまっているようだった。


「この辺りを新たなメインストリートに設定すれば、気の流れも整って再活性化する可能性があるかも」


 二人は地図に印をつけながら、エネルギーの通り道を可視化していく。


 一方、河餅、一谷、岡田めぐみは、

商店街内に数台のカメラを設置し、人の流れをデータとして記録した。


「訪れる人の年齢層、思ったより高いな」と河餅が画面を見ながらつぶやく。


「お店のラインナップも、中高年向けが多いわね」と岡田めぐみがメモをとる。


「若者向けのコンテンツやイベントを増やせば、客層の幅も広がるかもしれませんね」と一谷。


 吉村と峯川は、閉店した店舗や空き家の様子を確認して回っていた。


「ここ、何年も前から閉まったままだな……」


「場所によっては、まるで廃墟巡りのような雰囲気だ」


 二人は廃業店舗の前に立ち止まりながら、アイデアを書き留めていく。


「屋台を出したり、季節イベントの会場に使えば、場のエネルギーも変わるかもしれないな」


 同じ頃、松井あゆみ、宮田優子、小川啓二は、霊的な「気」の状態を調査していた。


「この辺り、妙に空気が重いわ……何か停滞している感じがする」とあゆみが足を止めた。


「確かに。この一角だけ、気の流れが悪い」と小川がうなずきながら手元の浄化グッズを取り出す。


「私の占いでも、このエリアは『陰の気が強い』って結果が出たのよ」と宮田が神妙な表情を浮かべる。


 三人が調べたその場所には、実際に過去に火災の跡や長期間使われていない店舗が残されており、商店街全体の雰囲気にも影響を与えているようだった。



 夕方、すべての調査を終えたメンバーは、本田会長が経営する喫茶店「カフェ・ホンダ」に集まり、調査報告をまとめる。


 各班の報告に耳を傾けながら、本田会長は真剣にうなずく。


「皆さん、本当にありがとうございます……。オカルト的な観点からでも、こうして丁寧に調べてもらえると、希望が湧いてきますよ」


 沢田部長が、メンバーを見回しながら静かに言う。


「この調査が、青空商店街にとって何かのきっかけになればいい。ここから、少しずつ前へ進めるはずだ」




 ご購読、ありがとうございました。

今回は、商店街の調査活動の話になります。色々調査して行く事で青空商店街は再び、賑わいを取り戻して行けるのか?お楽しみに。

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