平穏な日々と新たな学び
祐一たちは、心霊スポットのリスクを実感し、
再びオカルト研究会としての活動を見直し再スタートする事になった。
オカルト研究会は、原点に戻り身の丈に合った研究活動へと回帰していた。部長の沢田を中心に、大学内での地道なオカルト研究が主な活動となり、以前のような刺激的な現場作業は影を潜めていた。
大学内でのオカルト活動の中心は、書籍や古文書の精読、それらを基にしたグループミーティングでの議論や検証であった。各自が専門的な資料を調べ、独自の考察を持ち寄り、それを元に意見を交わす。地味な活動ではあったが、知識を深めることの楽しさがあり、メンバーたちはそれなりに充実した時間を過ごしていた。
その中で、祐一は再び写経に力を入れるようになっていた。心霊スポットの浄化に挑んだ際の苦い経験から、彼は精神を落ち着け、自己の内面を見つめ直す時間の重要性を強く感じるようになっていた。写経は単なる宗教的儀式ではなく、集中力を高め、精神を安定させる修行の一環として捉えていた。
「へー、また写経を行っているんだ」一谷が祐一に声を掛ける。
「一谷先輩、やっぱり写経をすると、不思議と心が落ち着きます。以前の色々な心霊体験などから、精神統一の重要性を感じましたから」
沢田部長も同意する。「我々、オカルト研究会にとって、精神統一も重要なトレーニングだ。心を取り乱してしまうと隙を作ってしまうからね」
岡田めぐみが「でも写経は、どこまで行えば良いのかしら?」と疑問を投げかける。
祐一が「住職の話では、ずっと続けても良いそうです。また、辞めたければ辞めても良いそうです」
岡田めぐみ「なるほどね。でも、そう言われると、なんだか難しくも感じるわね」
河餅「修行の道として考えると、それぞれゴールがあって無い世界なんだろうな。だから、行ける所まで行きたいと思うし、その反面、これで十分と決めるのも自由なんだろうな」
星川「風水も、拘れば完璧な風水の場はめったに無いからな。だからと言って、気にしすぎてしまうよりは、出来る範囲内の風水を整えられたら、それで満足することも必要だと思う」
宮田優子「星占いも同じね。完璧な人はいないわ。最高の日を待ち望むよりは、その中で精いっぱいチャレンジすることも大切ね」
小川「結局のところオカルトも、完璧なことは難しいだろうな」
峯川拓也「心霊スポットでも、完全に浄化しようとする事自体、無理な時は無理だし。それでも完璧を目指したいと思うところもあるから、難しいね」
松井あゆみ「私も少しは護身用の魔法を身に付けたけど、これで安心とも言い切れないわ」
色々な意見が出る中、
吉村は「だから、修行を続ける人の気持ちも分かるけど、それでも、諦める必要な時もあるだろう。僕は、オカルトに興味はあっても霊感ゼロだしな」
沢田部長がまとめる「完璧な理想を追い求める気持ちも分かるが、自分を知ることも重要だな。少なくとも、オカルト部に入った時より、みんな成長しているんだから、それで良しとしようじゃないか」
こうして、日々のオカルト活動が続いていった。
祐一は墨を擦り、一筆一筆丁寧に筆を走らせていた。魔法や気の練習も続けており、少しずつコントロール能力も高まっていった。
オカルト研究会では、風水や陰陽道に関する研究も活発化していた。実地調査よりも理論を重視し、過去の風水師や陰陽師がどのように土地のエネルギーを見極め、調整してきたのかを学ぶことに重点を置いていた。これらの研究は、後に訪れる青空商店街の復興活動に大きな影響を与えることになるのだが、その時点では誰もそれを予想していなかった。
こうして、オカルト研究会は静かで穏やかな日々を送りながら、学びの深化に努めていた。しかし、この平穏な時間が長く続くことはなかった。ある日、沢田部長の元に依頼が届いたのだった……。
届いた依頼の内容は、大学の旧図書館に関するものだった。かつて研究者たちが集い、多くの貴重な資料が眠るこの場所は、今では使われることも少なくなり、老朽化が進んでいた。
「最近、旧図書館で不可解な現象が報告されているんだ。」
依頼を持ち込んだのは、大学職員の一人だった。夜間になると、人の気配がないはずの館内で本が落ちる音や、不思議なささやき声が聞こえるという。最初は単なる老朽化による現象かと思われたが、実際に確認に行った職員の中には体調を崩す者もいた。
「どうやら、この件は俺たちオカルト研究会の出番のようだな。」沢田部長が静かに言う。
こうして、オカルト研究会のメンバーは再び現場調査へと乗り出すことになった。久々の実地調査に心を躍らせる者もいれば、不安げな表情を浮かべる者もいた。
果たして旧図書館に潜むものは何なのか?
祐一たちの新たな挑戦が始まろうとしていた——。
久しぶりの再開です。色々なネタを考えていましたが、オカルト物らしい感じに進む予定です。ご購読、ありがとうございました。




