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オカルト研究部 田中祐一 今日も怪異あり  作者: waku


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新たなる調査への決意 噂の心霊スポット調査へ

祐一、松井あゆみ、峯川は魔法学校の課題に取り組み、自信を深めていた。

そんなある日、峯川から、ある心霊スポットの調査に出かけようと持ち掛けられる。

その話を耳にした、宮村優子、星川も興味を持ち、調査に出かける事になった。

 冷たい秋風が大学の窓を揺らし、オカルト研究会の部室にわずかな木の葉を運び込んだ。部屋の棚には、これまでの調査記録や心霊スポットの資料が整然と並んでいる。


祐一、松井あゆみ、峯川拓也の三人は、魔法学校の課題として心霊スポットの調査を行い、それぞれが詳細なレポートを提出した。


後日、課題の評価が発表され、三人の調査報告は高い評価を受けた。特に、心霊現象の観察と魔法を用いた分析のバランスが優れていたことが評価されたポイントだった。


「やったな、祐一。僕たちのレポート、かなり良い評価だったみたいだ」峯川が嬉しそうに報告書を手に取る。


「そうだね。でも、これはあくまで第一歩だよ」祐一は落ち着いた口調で答えた。「次の調査に向けて、もっと慎重に準備しなきゃね」


松井あゆみは、少し不安げに「でも、私たちの魔法の力はまだ未熟よ。あまり無理をしないほうがいいと思う」と呟いた。


峯川は、腕を組みながら考え込んだ後、「だからこそ、もっと経験を積むべきじゃないか?実践なしでは、いくら知識を学んでも本当の力にはならない」と提案した。


***次なる調査の計画***


 オカルト研究会の部室には、かつての心霊スポット調査の記録が残されていた。峯川はその中から、ある場所の資料を手に取る。


「この場所……。比較的近くて、調査エリアも狭い。初めての実践としては、ちょうどいいんじゃないかな?」


「でも、過去の調査記録には、“我々では力が及ばない場所”と書かれていたよ」祐一は慎重な表情を浮かべる。「沢田部長も、寮も、無闇に踏み込むのは危険だと言ってた」


「確かに慎重になるのは大切だけど、だからといって何もしないままじゃ成長できないよ」峯川は反論する。「僕はこれまで廃墟巡りをしてきたし、魔法学校でもいろいろ学んでいる。これまでの経験を活かせば、今回も問題なくやれるはずさ」


松井あゆみも、少し考え込んだ後、「私たちの力はまだ発展途上。慎重に進めるべきだけど……祐一くんが行くなら、私も一緒に行った方がいいかもしれない」と話す。


そこへ、星川悠斗と宮村裕子が話に加わった。


「どうやら君たちは、新しい調査に行こうとしているみたいだね。」星川が興味深げに微笑む。「僕も風水の知識や魔除けの技術を少し学んでいる。もしよかったら、参加させてくれないかな?」


「私も興味があるわ。」宮村裕子が続ける。「オカルト研究会に入ったからには、こういう体験を積みたいと思っていたし」


峯川は嬉しそうに頷く。「なら決まりだね。三人じゃなく、五人で行けばより安全だ」


しかし、祐一はまだ納得できず、「本当に大丈夫かな……」と呟いた。


***慎重な判断と寮への相談***


その日の夜、祐一は大学近くのつばき荘に戻ると、寮に相談することにした。


 寮は祐一の話を静かに聞いた後、心霊スポットの資料に目を通す。「ふむ……。確かにエリアとしては特別危険な場所ではなさそうだな」


「僕も最初はそう思ったんですが……」祐一は、資料の中に書かれた一文を指差した。


“我々では力が及ばない場所だった。調査は控えるように。”


「かつてオカルト研究会の先輩たちが調査を試みたけど、断念した場所みたいです」


寮は少し考え込んだ後、「なるほどね……。だったら、美紀と陽菜に同行してもらうのはどうだろう?それと由香も」と提案した。


祐一は驚いた。「美紀さんと陽菜さんが?由香さんも?」


「美紀は式神に長けているし、陽菜は浄化能力がある。由香は西洋魔術の知識が豊富だ。」寮は静かに微笑んだ。「君たちだけで行くより、しっかりとした対策を講じるほうがいい。何かあった時のバックアップにもなるしね」


祐一は考え込んだ後、頷いた。「分かりました。僕から美紀さんたちに連絡してみます」


寮は満足そうに頷く。「それがいいだろう。慎重に、そして確実に進めること。それが大切だよ」


***次なる調査への決意***


翌日、部室で再び集まったメンバーたちに、祐一は寮の提案を伝えた。


「寮さんの助言で、美紀さんたちも同行してくれることになった」


 峯川は少し驚いた様子だったが、「それなら、より安全に調査できるね」と納得した。


「でも、油断は禁物よ。」松井あゆみが念を押す。「私たちが慎重に行動しなければ、どれだけ準備をしても危険は避けられない」


「うん、だからこそ、ちゃんと計画を立てよう」祐一は資料を机の上に広げる。「まずは現地の地図を確認して、どこを重点的に調査するか決めよう」


こうして、祐一たちの新たな心霊スポット調査が始まろうとしていた。

彼らはまだ未熟だが、確かな成長と慎重な判断を胸に、一歩ずつ前へ進もうとしていた。


***山の中腹にある廃寺***


祐一たちは、11月の寒気が肌を刺す午後、山中の廃寺へと足を踏み入れた。


この寺は、住職が不可解な失踪を遂げた後、檀家が激減し、やがて宗教法人の資格を失い放棄された場所だという。だが、それ以上に不気味なのは、深夜になると鐘の音が響く。誰もいないのに線香の香りがする。お経を唱える声がする。といった噂だった。


「地図では、それほど広い場所ではないはずだけど……」峯川が資料を見ながら言った。


「けど、実際に来ると、妙に空気が澱んでいるわね……」松井が身を縮めるように呟く。


星川と宮村裕子も、辺りの雰囲気に圧倒されていた。


美紀、陽菜、由香の三人は、冷静に境内を見渡していた。


「美紀さん、陽菜さん、由香さんは、どう感じられます?」祐一が尋ねると、陽菜が「まずは、君たちで調査してみて。私たちは後方で見守るわ」と答えた。


由香はペンデュラムを取り出し、静かに揺らしながら言う。

「なるほどね……。こっちに強いエネルギーの流れを感じるわ」


美紀は、取材用のノートを片手に静かに観察している。


「気をつけて進みましょう」祐一は深く息を吸い、塩を手に取りながら結界を張る準備を始めた。


***寺の異変***


 本堂の前に立つと、風もないのに白い幕がはためいた。


星川が羅盤を覗き込み、眉をひそめる。

「ここからあっちの方位に、強い負のエネルギーが流れてる……。まるで何かが、そこへ引きずられていくみたいだ」


「……待って。」宮村裕子が占いのカードをめくり、息を呑んだ。

「これは……大凶よ。最悪のカードが出た」


由香も、ペンデュラムを見つめながら声を潜める。

「揺れ幅が異常……何か強い負のエネルギーを感じる」


その瞬間——


「ギィ……」


誰も触れていないのに、本堂の扉がわずかに開いた。


「えっ……。」松井が息を飲む。


「いや、まさか……」祐一が塩を握りしめた瞬間——


「カラン……カラン……」


境内の奥にある鐘が、風もないのに鳴り響いた。


全員の背筋に冷たいものが走る。


「……みんな、注意しよう」祐一は震える声で言った。


「ええ、そうしましょう」松井あゆみが答える。



この寺には、何かがいる——。


彼らの心は、一斉に警戒へと切り替わった。


「廃寺の決戦」――襲い来る黒影の群れ ゴォォォォォ……!!


再び、廃寺の境内に不吉な気配が満ちた。


「……な、なんだ!?」祐一が目を見開く。


先ほど消え去ったはずの黒い影が、次々と現れ、数を増していく。


「こんなに……!? まだ終わってなかったのね!」松井あゆみが震えながら霊視を続ける。


「これは、ただの霊じゃない……この寺全体が負のエネルギーに満ちているんだ!」由香が焦った表情で呟く。


「くそっ……!」峯川はすぐに浄化スプレーを撒くが、黒影たちはスプレーの影響をほとんど受けず、じわじわと迫ってくる。


「ダメだ……負のエネルギーが強すぎて、ほとんど効かない!」


ズズズ……ズズズ……


影たちが、うごめきながら形を明確にし、鬼のような顔が次々と浮かび上がる。


「囲まれてる……!」星川が羅盤を確認しながら警戒する。


「これはまずいわね……」陽菜が軽く息を吐き、気配を研ぎ澄ませた。


その時——


「田中君! これを使って!」


美紀が、数枚の霊符を彼に渡す。


祐一はそれを素早く掴み、霊力を込めて黒影に向かって投げ放つ。


シュバァァァ!!


霊符は炎をまといながら空を舞い、朱雀の姿へと変化する。


「朱雀、舞い上がれ!!」


ゴォォォォッ!!


朱雀の霊炎が黒影を次々と包み込み、邪悪なエネルギーを浄化していった。


「すごい……!」宮村優子が驚きの声を上げる。


しかし——


「まだ……終わらない……!」松井が声を震わせる。


そう、黒影の数があまりにも多すぎるのだ。


祐一たちは霊符を投げ続けるが、影の波に押され、徐々に後退していく。


「このままじゃ……持たない!」峯川が叫ぶ。


その間に、由香が静かに地面にシジル(魔法紋章)を刻んでいた。


「結界、完成……! ここに避難して!」


彼女が結界を展開すると、輝く防御の壁が彼らを包み込んだ。


「間に合った……!」祐一たちは結界の内側へと身を寄せた。


だが、その外では黒影たちが群れを成し、結界を破らんと襲いかかってきていた。


「仕方ないわね……」


陽菜が、静かに両手を組み、目を閉じた。


「霊光弾 全方位展開」


バシュン……バシュン……バシュン……!!


数えきれないほどの霊光弾が、陽菜の周囲に生まれていく。


「いっせーの……せっ!!」


ドォォォォォォン!!


一斉に放たれた霊光弾が、周囲の黒影を光に包み込んだ。


ズァァァァァァァ……!!!


影たちは断末魔のような叫びを上げ、次々と霧散していく。


「す、すごい……!」祐一たちは、あまりの威力に驚愕した。


「陽菜さん……本気を出すとこんなに強いんですね……」松井が呆然と呟く。


「……まったく、無駄に消耗させないでよね」陽菜は肩をすくめた。


「寺の奥へ」――封印の儀

「これで霊は浄化できた……でも、根本的な原因を断たないと、また発生するかもしれない。」


美紀が、寺の奥へと進んだ。


本堂の奥にある石碑。


それが、この地の負のエネルギーを引き寄せる"核"だった。


「……この石碑に刻まれた怨念を、浄化する」


美紀は静かに膝をつき、浄化の儀を始めた。


「浄化の炎よ、朱雀の力をもって、邪を鎮めよ……」


霊符を石碑に貼り、祈りを捧げる。


ボォォォッ……


霊符が炎をまとい、石碑に染みついた邪気を焼き尽くす。


その瞬間——


「……ポータルが閉じる」由香が話す。


ズズズ……ズズズ……


異界へと繋がっていた霊の通り道が、ゆっくりと消えていくのを感じた。


「よし、これで……完了ね」美紀が霊符を収める。


「でも、まだ残ってるわね」陽菜が静かに周囲の空気を読む。


「このお寺全体に漂う負のエネルギー……」


陽菜は再び霊光弾を放ち、寺の各所を浄化していった。


それに続き、祐一たちも場を清めるために行動する。


星川は風水的に負の気が溜まりやすい場所に霊符を配置し、宮村優子はアミュレットの力で場の浄化を補助する。


「よし、これでお寺は大丈夫そうだな」祐一が息を吐く。


「さあ、戻りましょう。」美紀が促す。


***「自信の崩壊」――由香の忠告***


帰り道、祐一たちはすっかり沈んでいた。


「……ダメだったな。」祐一がポツリと呟く。


「僕たち、何もできなかった……。」峯川も肩を落とす。


「陽菜さんや美紀さん、由香さんがいなかったら、全滅してたかもしれない……」星川も悔しそうに拳を握る。


すると、由香がフッと笑った。


「これで分かった?」


彼女の声に、祐一たちは顔を上げる。


「自分たちにできることと、できないことを見極めるのも大事。無理に戦おうとするんじゃなくて、今の自分たちにできることを確実にするのが大切なんだよ。」


「……今、できること」


祐一はその言葉を噛み締めた。


***「寮の采配」――影の支援***


後日、祐一たちは驚くべき事実を知ることになる。


 沢田部長が祐一たちの活動に気付き寮に相談を持ちかけており、美紀、陽菜、由香の同行は、すべて寮の手配によるものだった。


「やっぱり……僕たちだけじゃ、無謀だったんだな」祐一は苦笑した。


「でも、これで成長できるきっかけをもらえたんだ。」峯川が前を向く。


「いつか……僕たちの力で、ちゃんと乗り越えられるようになろう」と峯川が話す。


彼らは、再び歩き出す。


オカルト研究会の旅は、まだ続く——。



 購読、ありがとうございました。

最近、新しい物語を書きたくなったので、スローペースになる可能性もあります。



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