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オカルト研究部 田中祐一 今日も怪異あり  作者: waku


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魔法と霊術への道 新たな学びと試練

北の山から帰還した、祐一は、ある事が気になっていた。寮が使った呪文、魔法について深い興味を持っていた。僕も寮さかの様な力を手に入れたい。

北の山での調査と浄化を終えた祐一は、秋の終わりを告げる夕暮れとともにつばき壮へと戻ってきた。帰り道、沈みゆく太陽に照らされた街並みを眺めながら、彼の心には山での出来事が鮮烈に焼き付いていた。

寮が霧の中で唱えた神秘的な呪文、頂上で強力な悪霊を次々と浄化していった卓越した技、そして古代魔法書の呪文で山全体を浄化した壮大な儀式――。それは、祐一の世界観を大きく変えるような体験だった。

あの光景を目の当たりにしたことで、祐一の中には「自分も霊術を極めたい」という強い思いが芽生えていた。その思いは日に日に大きくなり、ついにある夏の午後、つばき壮の裏庭にあるカフェで、祐一は寮に決意を告げた。

 

 木陰のテーブルで、コーヒーを前に座る寮に向かって、祐一は真剣な表情で言った。

「寮さん、お願いします! 寮さんの霊術や魔法をもっと詳しく教えてください!」

真摯な眼差しを向ける祐一に、寮は少し驚いたような表情を見せたが、すぐに柔らかな微笑みを浮かべコーヒーカップに手を伸ばした。


 「うーん……」寮はコーヒーを一口飲んで言葉を選びながら続けた。「僕の霊術は、実は人に教えるのが難しいんだ。かなり特殊な方法だからね」


 「それでも、何か方法はありませんか?」祐一は諦めない。「寮さんのように、強大な霊と対峙できるようになりたいんです」祐一の真剣な態度に、寮はしばらく考え込んだ。夏の風が二人の間を通り過ぎ、木々の葉が落ちる。やがて寮は、何か良いアイデアを思いついたような表情を見せた。


 「実は、僕は魔法学校のオンラインスクールで学んだことがある。そこなら、基本的な魔法や霊術の理論をしっかり学べるはずだ」

「魔法学校のオンラインスクール?」祐一は目を輝かせた。


「そう。霊的な力を鍛えるトレーニングや、エネルギーを操る基礎も学べる。ただし」寮は少し表情を引き締めて付け加えた。「実際にどれだけ使えるようになるかは、本人の資質と努力次第だけどね」

そう言いながら、寮はポケットから銀色のペンダントを取り出した。夕陽に照らされて、その表面が神秘的に輝く。


 「これは、魔法学校で特別に作られたものなんだ。このペンダントを身につけることで、簡単な魔法が使える。ただし、回数は1日数回だけだけどね」


 「本当ですか?」祐一は興奮を抑えきれない様子で、差し出されたペンダントを手に取った。

「それと」寮は続けた。「魔法入門書に載っている呪文を唱えれば、いくつかの基本的な魔法も試せるようになるはず。ただし、最初のうちは効果は限定的だけどね」


 寮はさらに説明を加えた。「美紀の霊符やお守りを使うのもいい方法だよ。彼女の作る霊符は結界を張ったり、邪気を払ったりするのに素晴らしい効果がある」

祐一は、手のひらの上でペンダントをゆっくりと回しながら、その存在を確かめるように見つめた。夕陽に照らされて、ペンダントの表面に刻まれた不思議な文様が浮かび上がる。


 「そして何よりも」寮は声を落として、より真剣な口調で語った。「大事なのは"気"を感じるトレーニングを続けることだ。これは毎日の積み重ねが重要なんだ」


こうして、祐一の魔法と霊術の学びが始まった。


***魔法と霊術の修行***


 祐一は、寮のアドバイスに従い、その日のうちに魔法学校のオンラインスクールに登録した。画面に表示される古めかしい文字で書かれた入学許可状を見て、これから始まる新しい学びに胸が高鳴った。

毎朝、日の出とともに目覚めた祐一は、送られてくるメールの課題を丁寧に読み解いた。それは単なる座学ではなく、実践的なトレーニングを含む総合的なプログラムだった。


 朝は、エネルギーの流れを感じ取る訓練から始まる。静かな部屋で瞑想し、自然界を流れる目に見えないエネルギーの存在を感じ取る。最初は何も分からなかったが、次第に微かな空気の震えのようなものを感じられるようになってきた。

昼には魔法の詠唱練習。古代の言葉を正確に発音し、その意味を理解しながら、エネルギーを操る。寮から借りた魔法書に書かれた基本的な呪文を、何度も繰り返し練習した。


 夕方になると霊的な防御術の実践。ペンダントの力を借りて、簡単な結界を張る練習をする。最初のうちは、弱い霊の気配を感じ取ることから始めた。次第に、手のひらにエネルギーを集めることができるようになり、小さな霊光を発生させることもできるようになった。


 しかし、これらはあくまでも基礎的な技術だった。寮の見せたような強力な霊術には、まだまだ遠く及ばない。

「やっぱり、寮さんみたいに強くなるのは簡単じゃないな……」

祐一は時々落ち込むこともあったが、諦めることなくトレーニングを続けた。毎日の積み重ねが、確実に彼の中に変化をもたらしていることを感じていた。


***オカルト研究会への報告***


 ある日の放課後、祐一はオカルト研究会のメンバーに、自分が魔法と霊術の研究を始めたことを報告した。部室の薄暗い照明の下、メンバーたちは興味深そうに祐一の話に耳を傾けた。

「へぇ、本格的に始めたんだ」峯川が感心したように言う。

その時、松井あゆみが不安そうな表情で口を開いた。「あの、私も……」


「どうしたの、松井さん?」


 「実は、私、霊感があっても身を守る方法を知らないの。だから、いつも怖くて……」彼女は言葉を詰まらせる。「もしよかったら、祐一君に教えてほしいんだけど……」


 彼女の言葉に、祐一は驚きと共に責任の重さを感じた。自分にそこまでの力があるのか不安だったが、仲間の悩みを放っておくわけにもいかない。


 「松井さんも、魔法学校に登録して学んでみるのはどうですか?」

「うん、魔法や霊術で身を守る方法を学びたいなって思って……」

その会話を聞いていた峯川も、急に真剣な表情になった。「実は僕も興味があるんだ」


 「僕も、色んな廃墟を回ってきたけど、実際に霊に出くわしたことがあるんだよね。でも、どう対応すればいいのか分からなくて……」峯川は過去の経験を思い出すように目を細める。「それに、魔法や霊術があれば、もっと安全に廃墟探索ができるかもしれないし……僕も学んでみたいな」


 こうして、祐一、松井あゆみ、峯川の3人は共に魔法と霊術のトレーニングを始めることになった。それぞれが異なる目的を持ちながらも、同じ道を歩み始めた瞬間だった。


 3人は、それぞれの得意分野を活かしながら、トレーニングを積み重ねていった。簡単な浄化の魔法、プロテクションを張る魔法、霊を感知する方法など、基礎的な技術を身につけていった。

ある日の練習後、3人は部室で今までの成果について話し合っていた。


 祐一は少し物足りなさを感じているようだった。「でも、この程度の能力では、まだまだだな。寮さんと比べると、手も足も出ないよ」

一方、松井あゆみは満足げな様子で言った。「でも私は、これで普段に感じる霊の気配から身を守ったり簡単な浄化ができるようになったから十分かしら」


 峯川は両者の意見を聞いて、中立的な立場で分析した。「たしかに、普通に生活している分では十分な力だけど、廃墟や心霊スポットでは歯が立たないだろうね」


 祐一は、以前訪れた場所々を思い出していた。用水路やお墓、霊が訪れる家、人が次々と引っ越す家など、心霊現象の強い場所では、現在の自分の力では太刀打ちできないことは明らかだった。


 ***魔法学校の廃墟調査課題***


 トレーニングを始めて約一ヶ月が経った頃、魔法学校から新たな課題が送られてきた。それは、実践的な内容だった。

――「指定された廃墟を調査し、記録を取ること」

「廃墟の調査……?」祐一は画面に表示された課題を何度も読み返した。

課題の説明には、こう書かれていた。


 「廃墟には、過去のエネルギーが残りやすい。そこに潜む霊的な存在を観察し、影響を受けないように記録を取ることで、魔法の基礎を学ぶことができる。これは、実践的な霊術師になるための重要な一歩となる」


 祐一たちは、この課題について話し合うため、近隣にある廃墟の情報を調べ始めた。最適な調査対象を選ぶため、様々な場所の歴史や噂を収集した。


 調査地の選定に悩んでいた時、祐一は寮に相談することにした。寮は少し考えてから、意外な提案をした。

「なるほどね……魔法学校の課題で、廃墟の調査か。これは面白い」

「……寮さん、できれば一緒に行ってもらえませんか?」祐一は不安と期待を込めて尋ねた。

「もちろん。そのつもりだよ」寮は穏やかな笑みを浮かべながら続けた。「それに、僕もちょうど廃墟に関する取材をしようと思っていたんだ。ちょうどいい機会だから、同行させてもらうよ」


 「本当ですか? ありがとうございます!」祐一の声には安堵の色が混じっていた。

こうして、祐一たちは、寮と共に指定された廃墟の調査へ向かうことが決まった。この時、誰も予想していなかったが、この調査が彼らの人生を大きく変える転機となるのだった。


 ***調査前の準備***


 翌日、祐一、松井あゆみ、峯川たちは、つばき壮に集まった。多目的ホールとして使われている一室で、寮と由香も交えて、廃墟調査の事前準備について詳しく話し合うことになった。

ホールに集まったメンバーたちの表情は、それぞれに緊張感と期待感が入り混じっていた。窓から差し込む夕暮れの光が、室内に不思議な雰囲気を作り出している。


 「それにしても、廃墟調査かぁ……」由香が懐かしそうに呟いた。「私も高校生の頃、はじめて心霊スポットに行ったことがあるけど、あれは本当に怖かったなぁ」


 「由香さんも行ったことがあるんですか?」


「うん。昔、同級生のグループででかけたことがあるの」由香は遠い記憶を振り返るように目を細めた。「今思えば、あの時、もっとちゃんとした準備をしておけばよかったって思うよ。何も知らずに行ったから、本当に危なかった」


 寮が頷きながら、「心霊スポットに行く前の準備は大切だからね。特に、霊的な防御と安全対策は欠かせない」と付け加えた。その言葉に、全員が真剣な表情になる。

峯川も腕を組みながら「そうだよな。僕も今まで何度も廃墟に行ったけど、何かあった時のための準備は絶対に必要だと思う。特に今回は、魔法学校の課題として行くわけだから」

「それじゃあ、今回の廃墟調査の準備について確認しよう」寮がホワイトボードの前に立ち、マーカーを手に取った。


 1.調査対象の確認


 まず、寮はホワイトボードに今回の調査対象となる廃墟の情報を丁寧にまとめ始めた。

「今回、魔法学校の課題として指定されたのは、この旧・山中邸だ」

ホワイトボードには、山中邸の外観の写真と、簡単な歴史が記された資料が次々と貼られていく。古びた和洋折衷の建物は、かつての威容を残しながらも、どこか不気味な雰囲気を漂わせていた。

「山中邸は、約50年前に建てられた大きな屋敷だ。当時の地主だった山中家が住んでいたんだが、ある事件をきっかけに住人が突然姿を消し、そのまま廃墟になった。以来、この屋敷には奇妙な現象が多発するようになり、地元では有名な心霊スポットとして知られるようになった」


 「奇妙な現象?」松井あゆみの声が少し震えていた。


「ああ、主に以下のような報告がある」寮は写真の横に、報告された現象を箇条書きで記していった。


屋敷の中に入ると、誰もいないはずなのに足音が聞こえる

夜になると屋敷の窓から青白い光が漏れる


 写真を撮ると、人影のようなものが映り込むことがある

内部で異様な寒気を感じる

時折、女性の泣き声のような音が聞こえる

二階の和室で、着物姿の女性が目撃されている


「……普通に怖いんですけど」松井あゆみが顔を青ざめさせる。彼女の霊感の強さを考えると、この反応も当然だった。


 「まぁ、こういう話があるからこそ、調査しがいがあるんだよな」峯川は逆に興味を持ったようだ。「でも、これって本当なのかな?」


 「噂の真偽はともかく」寮は慎重に言葉を選んだ。「霊的なエネルギーが強く残っているのは確かだ。だからこそ、魔法学校も、ここを調査地として指定したんだろう」


 「ただし」寮は声を引き締めた。「興味本位で行くんじゃない。今回の目的は、あくまでも魔法と霊術の実践的な訓練だ。それに、廃墟には様々な危険が潜んでいる。建物の崩壊の危険もあれば、霊的な危険もある」

寮の言葉に、全員が引き締まった表情を見せた。


***必要な装備と準備***


 次に、寮は調査に必要な装備リストをホワイトボードに書き出した。それは、物理的な安全のための装備と、霊的な防御のための装備の二つに分かれていた。

「まず、基本的な探索装備から確認しよう」


 基本装備:


懐中電灯(予備の電池も含めて複数用意)

デジタルカメラまたはスマホ(証拠記録用)

音声レコーダー(異常音を記録するため)

地図と方位磁石(GPSが使えない可能性も考慮)

軍手と長袖の服(安全対策)

マスク(廃墟はホコリが多い)

救急キット(怪我への対応)

携帯用ライト(懐中電灯の予備として)

水と簡単な食料(長時間の調査に備えて)


「これだけでも、基本的な探索装備になる」寮は一つ一つの項目を指さしながら説明した。「廃墟は建物が崩れかけていることも多いから、装備はしっかり準備しておこう」

次に、霊的な対策アイテムについて詳しく説明を始めた。


霊的防御装備:


護符(美紀に特別に作ってもらったもの)

水晶玉(霊の影響を防ぐ結界用)

魔除けのお香(負の気を弱める効果がある)

霊符(結界を張ったり浄化するための特別な札)

塩(邪気払い用)

浄化スプレー(体に吹きかけることで霊の憑依を防いだり邪気を浄化する)

お清め用の鈴(強い霊を退散させる)

結界を張るための水晶玉


「護符や霊符は、もしもの時の個人用の防御手段だ」寮は特に強調した。「特に、美紀が作った霊符は結界を張るのに使える。かなり強力な防御効果がある」

「やっぱり、美紀さんの霊符ってすごいんですね」祐一が感心したように頷く。

「うん。霊の影響をかなり防げる」寮は改めて念を押した。「これらはあくまでも万が一の対策だけど、準備しておくに越したことはない。特に今回は、初めての本格的な調査になるからね」


祐一が「魔法のペンダントも身に付けて行きます」と、銀色のペンダントを握りしめながら付け加えた。


 ***調査の進め方***


 「次に、調査の進め方について確認する」寮は、持参した山中邸の詳細な見取り図を広げた。古びた図面には、建物の構造が細かく記されている。

「山中邸は予想以上に広い。1階と2階があって、さらに地下室があるという噂もある。ただし」寮は慎重に言葉を選んだ。「建物の一部は既に崩れているかもしれないし、床が腐っている可能性もある。決して無理に奥まで進まないように」


「それと、調査は役割分担して行う」寮は図面の上で手振りを交えながら説明を続けた。

「祐一君は、カメラなどを使って情報収集。特に、霊的な反応があった場所は必ず記録を取ること」

「松井さんは霊を感知する役割。何か強い霊的な存在を感じたら、すぐに報告して」

「峯川君は周辺のマップや状況を調査する。建物の状態も含めて、安全確認を担当してもらう」全員が頷く中、寮は話を続けた。


 「基本的には、何か異変を感じたらすぐに連絡し合うこと。単独行動は絶対に避けて」

「もし霊の強い影響を感じた場合は?」祐一が不安そうに尋ねた。

「その時は、僕が対処する」寮は断言した。「ただし、危険を感じたらすぐに退避するのが最優先だ。今回の目的は調査であって、無理な挑戦ではない」


寮は全員を見渡しながら、「何か質問は?」と尋ねた。部屋の中に緊張感が漂う。

「……大丈夫です!」祐一が力強く答えた。彼の声には、不安と共に強い決意が感じられた。

「ちょっと怖いけど……頑張ります!」松井あゆみも震える声を押さえつつ、気合を入れた。

「ようやく本格的な調査だな!」峯川は探究心に満ちた表情を見せた。

「よし、それじゃあ、明日の夜、山中邸に向かうぞ」寮の言葉に、全員が緊張感を持ちながら頷いた。窓の外では、夕暮れが深まり始めていた。


 こうして、祐一たちは心霊スポット・山中邸の調査へと向かうことになった。誰もが予想だにしない、恐怖と発見の夜が、彼らを待ち受けていた――。


 ご購読、ありがとうございました。少し、オカルト路線の話に振って行こうかな。と、考えたりもしています。

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