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オカルト研究部 田中祐一 今日も怪異あり  作者: waku


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封印された石碑の開放と浄化

 祐一たちは、ついに山の頂上に到着したが、そこにある祭壇や祠の後、石碑など、何か邪悪な存在を封印していた形跡があった事を知る。

 頂上にたどり着いた瞬間、メンバー全員が無言で立ち尽くした。


 目の前には、古びた石の祭壇 が残されていた。苔むした石の表面には、かすれた文字が刻まれている。かつてここが 何らかの儀式 に使われていたことは明らかだった。


 「やっぱり、ここには何かがある……」

 寮が慎重に言葉を選びながら呟いた。


 祐一が周囲を見渡すと、祠の残骸が地面に散らばっていた。本来なら神聖な場所であるはずのこの場に、何か異質な空気が漂っていた。


 その時――


 ビュオオオオオッ……!


 突然、強い風が吹き抜けた。まるで何かが目覚めたかのように、空気が一変する。


 「……っ!」河餅が思わず身を縮める。


 先ほどまで晴れていたはずの空が、不気味な灰色に変わり、濃い霧が頂上を包み込んだ。霧の中で何かが動く影が見え、低くうめくような音が響く。


 「これは…… 呼ばれた みたいだな」寮が冷静に言う。


 「呼ばれたって、どういうことですか?」峯川が警戒しながら周囲を見回す。


 「この場に眠っていた何かが、僕たちの気配を感じ取って目を覚ました……」


 寮の言葉とともに、霧の中から ぼんやりとした人影が浮かび上がった。それは複数体の影となり、頂上を彷徨っているようだった。


***封じられた過去の霊***


 「……これ、ここの土地に縛られている霊じゃないか?」沢田部長が低い声で言った。


 影はゆらゆらと揺れ、まるで何かを訴えるようにこちらに手を伸ばしてくる。


 「まさか……この山で亡くなった人たち?」祐一が震える声で言うと、寮が静かに頷いた。


 「この山の歴史には突然、人が姿を消した話が残されている。憶測だが多分、人柱や生贄として、儀式が行われた可能性もある。そして、その人たちの 念 が、今もここに残っているのかもしれない」


 「悪霊になっているという事?」河餅が不安そうに尋ねた。



 「原因は封印されている気の流れにあるはずだ」寮は慎重に周囲を見渡しながら言った。


 「元々、この山は エネルギーが集まる場所=パワースポット だった。でも、何らかの理由で気の流れが封じられ、ここに漂う霊たちも行き場を失っているのかも知れない」


 「じゃあ、どうすれば?」峯川が尋ねる。


 まずは、悪霊を浄化する。

寮は意識を集中し手を前に突き出すと「霊光弾!!」と、叫ぶと同時に悪霊の一体が霊光の光に包まれ浄化された。寮は、数体彷徨っていた強力な悪霊を次々と浄化し石碑に向かって封印の儀を始める事にした。


 寮は石碑を調べると封印が弱くなっている事が分かった。

「憶測だが多分、封印の儀が失敗し、それでこの山に居た住民は避難したのかも知れない」


 峯川が「この石碑は、やばい奴を封印して鎮める為に建てられたみたいですね」


沢田部長が「祭壇で儀式を行い、壊れた祠は石碑の封印を強化する為の物だったのかも知れない」と続ける。



***封印の石碑 最後の浄化の儀式***



 「この石碑がある限り、この地の気は乱れ続ける……」

 寮は冷静に石碑を見つめ、深いため息をついた。


 「どういうことですか?」祐一が慎重に尋ねる。


 寮は石碑にそっと手をかざし、目を閉じて気を探った。


 「この石碑自体が封印’されていた。だが、その封印はもうほとんど機能していない。だから悪霊たちは自由に彷徨い、山全体のエネルギーが乱れてしまっていたんだ」


 「でも、封印を修復すれば……?」

 峯川が慎重に言葉を選びながら問いかける。


 寮は静かに首を振った。


 「いや、この封印はすでに失敗したんだ。だからこそ、この山にいた住民は避難し、ここが廃村になったのかもしれない」


 沢田部長が腕を組み、険しい表情で呟いた。


 「ということは……石碑そのものを浄化する必要がある。ということか?」


 寮は頷きながら、リュックの中から 古代魔法の書 を取り出した。


 「そう。この封印が不完全なままである限り、この山のエネルギーは歪み続ける。だから、完全に封印された石碑の存在自体を浄化し、ここに流れる気を本来の形に戻すしかない」


***封印の解除と浄化の準備***


 寮は慎重に魔法の書を開き、ページをめくった。

そこには古代から伝わる 「封印解除と浄化の儀式」 の手順が記されていた。


 「これは……古い呪法ですね」

 河餅が驚いた表情で石碑を見つめる。


 「封印ごと浄化する為には、古代魔法の最後の言葉を唱え魔法を発動し、この山、全てを浄化する必要がある」寮は険しい表情を見せる。


 その言葉に、メンバー全員が緊張した空気に包まれた。


 「……そんな事が可能なんですか? 」祐一が静かに尋ねる。


 寮はゆっくりと頷く。

「ああ、だからこそ、準備が必要だ。もし呪文を唱え終わる間に邪魔が入ると、浄化が失敗してしまう。すぐに始めよう。祐一君は結界を張り、僕が唱え終わるまでサポートを頼む」


***北の山の完全浄化***


 北の山の頂上は、今まさに決戦の時を迎えていた。


 寮が手にする古代魔法の書からは淡い光が放たれ、最後の封印を解き放ち、山全体を浄化するための最終呪文が詠唱されていた。


 「光よ、この地を覆う闇を祓い、正しき流れを取り戻せ……!」


 その声とともにまばゆい光が周囲に広がり漏れ始めた。しかし、それと同時に邪悪な霊たちが四方から集まり始めた。


 「くそっ……やっぱり最後の抵抗か!」

 河餅が歯を食いしばりながら、迫りくる黒い影の群れを見据えた。


「寮さんが最後の言葉を唱え終わるまで、僕たちが持ちこたえるしかない!」祐一が叫ぶ。


 彼らは急いで持っていた浄化アイテムを準備し、結界を強化する。


祐一はリュックから橘美紀から貰った結界の水晶玉を取り出し、石碑の周囲に配置する。


 「これで少しは悪霊が近寄れなくなるはずだ」

結界が張られると悪霊が結界の回りを囲むように集まっていた。

しかし、それでも強力な悪霊は結界を突破しようと襲いかかってきた。



 祐一は浄化スプレーを撒き、霊が迫ってくるのを阻止した。


 「よし、効いてる……! でも、数が多すぎる!」


 沢田部長は、スティック状の魔よけのお香に火を点け「これで悪霊を近寄せるな」と、

メンバーにお香を手渡して行く。


 魔除けのお香の煙が広がって行くと悪霊の力が弱まり、祐一たちの回りから少し離れたようだった。

 

峯川は「今の隙に結界を強化する」と、言い寮の回りに円を描きながら塩を撒く。


 祐一は橘美紀から貰った朱雀の霊府を取り出し悪霊に向かって投げると、

朱雀に変わり、悪霊達に向かって進み朱雀の発する浄化の炎で次々と悪霊が消滅し「ギャアアアアアアア!!」と不気味な叫び声が響き渡っていった。


 だが、さらに周囲から悪霊たちが集まって来る。

「このままじゃ、押し切られてしまう……!」


 河餅が浄化スプレーを振りまきながら、身構えると霊の一体が彼の肩を掴もうとした。

 「うわっ」と、声を挙げた瞬間、魔法の書から強い霊光が放たれる。


***すべてを浄化する光***


 寮の最後の言葉が響き渡ると同時に強烈な霊光が一気に広がり、霊たちを飲み込んでいく。


 「ギャァァァ!!」


 霊の群れは白い霊光に包まれ次々と火仮に包まれ、浄化されていった。


 祐一は、まぶしい白い光に包まれて目を閉じ

「眩しい、何が起きたんだ?」と驚きながら声をあげる。


 邪悪な霊たちは次々と浄化され、

山全体に光が広がり山の麓まで光が広がり、全ての邪悪な存在が浄化されて行った。


 しばらくの間、山全体が霊光の光に包まれていた。


 封印と封印されていた存在も浄化され風が優しく吹き抜け、鳥のさえずが響き渡り周囲の霧が吹き飛ばされ空が一気に晴れ渡たり澄んだ青空が広がる。


***パワースポットとしての再生***


 浄化の光が収まり、山全体に静寂が訪れた。


 「終わった……?」

 河餅が肩で息をしながら呟いた。


 「……ああ、もう大丈夫だ」寮が静かに微笑んだ。


 霊の姿は完全に消え去り、周囲の空気は驚くほど清々しくなっていた。


 「まるで、山全体が生まれ変わったみたいだ」峯川が山の風を感じながら呟く。


 沢田部長が石碑があった場所を見つめる。


 「石碑のエネルギーも……消えてるな」


 そこには、もう何もなかった。封印されていた石碑は、

完全に浄化され、山本来のエネルギーだけが残っていた。


 寮が静かに「これで、この山はもう呪われた地じゃない。今度こそ、本当のパワースポットとして再生するだろう」と周りを確認しながら伝えた。


 祐一が頷く「これから、この場所をどう活かしていくか考えて行きましょう」


 沢田部長も同意し、静かに頷いた。

「そうだな。これからは、この山を正しく守っていく方法も考えて行こう」


 こうして北の山は、訪れる者に安らぎと力を与える神聖な場所、

パワースポットとして蘇ったのだった。



ご購読、ありがとうございました。今回で北の山のクライマックスを迎えました。

オカルトに偏り過ぎない感じの話を心がけています。主人公は一般人で多少知識を知っている設定です。



 

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