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オカルト研究部 田中祐一 今日も怪異あり  作者: waku


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風水鑑定と新たな気づき

祐一は、寮と訪れた神社、パワースポットで“気”を感じることに興味を持ち、日々トレーニングを続けていた。つばき壮へ戻ると、玄関先でさくらが待っており、以前頼まれた友人の住まいの風水について、再び相談を持ちかけてきた。

 朝の陽光がつばき荘の庭に差し込み、柔らかな風が木々の葉を揺らしていた。祐一は深呼吸をしながら、ゆっくりと手を前にかざした。指先に意識を集中すると、かすかに空気の流れを感じる。


「まだまだ微細だけど、確かに“気”は存在している……」


 寮の先輩に教わった「気を感じるトレーニング」を始めてから、1ヶ月が経っていた。最初は何も感じられなかったが、毎日続けるうちに、自分の周囲の空気の質が変化しているのが少しずつ分かるようになってきた。


 特に、近くの神社での修行は効果的だった。神木に手をかざし、その根元から伝わるような静かな力を感じる練習を繰り返していると、次第に木々の放つエネルギーの違いも分かるようになってきたのだ。


「もう少し鍛えれば、もっとはっきりと感じ取れるかもしれない……」


 そう思いながら、祐一はその日のトレーニングを終えてつばき荘へと戻った。


***さくらの依頼***


 玄関前に立つと、見慣れた姿が目に入った。


「祐一君、お帰り!」


 さくらだった。彼女はにこやかに手を振りながら、少し申し訳なさそうに言った。


「あのさ、この前お願いしてた友達家の風水、見てもらえるかな?」


 祐一は少し考え、カレンダーを思い浮かべる。


「ちょうど、今度の休日、空いてるから行けるよ」


「よかった!ありがとう!」さくらは嬉しそうに微笑んだ。


祐一が「それと、同じオカルト研究会の星川君にも声をかけてみるから」と提案した。


 星川は風水の知識が豊富でオカルト研究会では、祐一と肩を並べるほど風水に詳しかった。祐一自身、風水については、一部の流派しか知らなかったが、星川は多岐に渡り風水の知識を学んでおり彼の意見は心強かった。


「いいね、じゃあ、星川にも相談してみるよ。」


 こうして、祐一、さくら、星川の3人で、麻美の家を訪れることが決まった。


***訪問先の第一印象***


 訪問の日、三人は約束の時間に合わせて目的地へ向かった。


 その建物は、つばき荘とは対照的なモダンなデザインのコーポだった。白とグレーを基調としたシンプルな外観で、新築の香りがほんのり漂う。


「綺麗な建物だね。」さくらが感心したように言う。祐一も頷いた。


 麻美は、さくらのクラスメートだった。

彼女はショートカットの小柄な女性で、緊張した面持ちで迎えてくれた。


「はじめまして。朝倉麻美です。今日はわざわざありがとうございます。」


「いえ、こちらこそ。」


 祐一たちは軽く挨拶を交わし、さっそく部屋へ案内された。


***風水調査開始***


 部屋に入ると、星川がまず玄関の前で立ち止まった。


「ん……ちょっと気になるな」


 祐一は彼の視線を追う。


「どうしたの?」


「この玄関、吹き抜けになっているから、気が上に流れすぎてしまう」


 星川は天井を見上げながら言った。


「布で覆えばある程度は改善されるよ。」


 祐一は、さくらと麻美に向かって説明を加えた。

「玄関は風水的に家の運気を決める大事な場所なんだ。だから、なるべく綺麗に整えておいたほうがいいんだよ」


さくらは納得したように頷いた。「だから、祐一君はつばき荘の玄関を毎日掃除してるんだね」


 さらに、星川は周囲を観察し、向かいの建物の角に気が付いた。


「向かいの建物の角が玄関に向かっている……これは『尖角煞せんかくさつ』といって、良くない影響を与えるんだ。」


「えっ……そんなことまで?」


「うん。でも対策はあるよ。暖簾を設置するとか、ドアの高さの観葉植物を廊下に並べて見えなくする方法でいくらか防げる」


麻美は「さっそく試してみます」と真剣な表情で答える。




***室内のチェックと改善策***


次に、寝室の風水をチェックすることになった。「ベッドの位置が良くないな。」星川が指摘する。

「ドアを開けてすぐにベッドが見えるのは、風水的に良くないんだ。落ち着かない気を生むからね。」


「それで引っ越してから寝つきが悪かった原因かも……」麻美が驚いたように呟いた。


「ベッドの位置を少しずらして、壁側に寄せよう。それと、鏡は寝るときに映らないようにしたほうがいいよ」


「なるほど……」麻美は、すぐに家具の配置を考え始めた。


***風水鑑定結果***


 最終的に、星川のアドバイスをもとに改善策が決まった。

祐一も「気」を感じる力を活かし、玄関に霊府とリビングの四隅に橘美香から貰ったエネルギーグッズの水晶を設置した。「これで悪い気を浄化できるよ。それと、ここに自然な風景がを飾るのもいいかな。少し、自然を感じられると、リラックスできるよ」と、アドバイスをし麻美は深く頷いた。


「なんだか、部屋の空気が変わった気がします……」こうして、風水の調査と改善がキッチンやトイレ、バスと行い終わった。



***風水の効果***


 風水調査を終え、麻美の部屋には穏やかな空気が流れていた。玄関の暖簾が柔らかく揺れ、リビングの四隅に置かれた水晶が淡く光を反射している。麻美は部屋を見渡し、ほっとした表情を浮かべた。


「本当にありがとうございました。なんだか空気がスッキリした感じがします。」


 彼女は感謝の気持ちを込めて深く頭を下げる。


「うん、風水ってちょっとした工夫で大きく変わることもあるからね」祐一は笑顔で答えた。


「何かまた気になることがあったら、いつでも相談していいから」


「本当に?助かります!」麻美の表情が明るくなり、玄関まで三人を見送った。


 コーポを出た瞬間、外の空気が一段と軽く感じられた。夕方の柔らかな日差しが街を包み込み、住宅街の静かな道に三人の足音が響く。


***帰り道の会話***


「ふぅ~、思ったよりしっかり見てもらって、麻美も安心したんじゃない?」


 さくらが腕を伸ばしながら言う。


「うん、でもやっぱり風水って面白いよな。」


 祐一がそう呟くと、星川も頷いた。


「そうだな。今回は基本的な部分を整えたけど、住んでいるうちにまた新たな問題が出てくるかもしれない。その時はまたサポートしてあげるといい」


「そうだね」そう話していると、さくらがふと足を止め、近くのハンバーガーショップを指さした。


「そうだ!ここで約束通り、ランチ奢るね!」


 さくらの言葉に祐一は驚いたように店を見上げた。


「ランチって言うから、もっとおしゃれなカフェとかレストランかと思ってたけど……まあ、ハンバーガーも悪くないな」


「何言ってんの。こういうお店の方が気軽に話せるでしょ?」


「それもそうか。」


 三人はハンバーガーショップに入り、カウンターでそれぞれ注文をした。祐一はチーズバーガーのセット、さくらはアボカドバーガー、星川はシンプルなクラシックバーガーを選んだ。


***食事をしながら風水の話***


 席につくと、さっそくトレーの上のハンバーガーに手を伸ばしながら、さくらが話を切り出した。


「それにしても、今回の風水調査、意外とガチだったよね。私は正直、そこまで信じてなかったんだけど……」ポテトをつまみながら、彼女は続ける。


「でも、麻美の部屋の空気、本当に変わった気がする。なんていうか、落ち着いたっていうか……」


「それが“気”の流れってやつだよ」星川はナゲットを一つ口に入れながら、淡々と説明する。


「風水っていうのは、単なる迷信じゃなくて、空間のエネルギーの流れを調整する方法でもあるんだ。人は無意識に環境の影響を受けるからね」


 祐一も頷いた。「気を感じる力がまだ弱くても、なんとなく違和感を覚えたり、逆に居心地が良くなったりするのは、まさにそれが作用してるからだよ」


「へぇ……確かに、麻美が落ち着かないって言ってたの、まさにそういうことだったのかも。」


 さくらは感心したように頷きながら、バーガーをかじった。


「でもさ、そうなると、私の部屋も見てもらいたくなってきたかも」


「お、興味出てきた?」祐一はクスっと笑う。


「うーん……まあ、ちょっとね。でも、あんまり物が多いし、なんか言われるのも怖いかも」


「整理整頓も風水の基本だしな」星川が軽く笑いながら言うと、

さくらは「やっぱりそうなるのかぁ」と苦笑いした。


「じゃあ、また時間がある時に見てみるよ」


「マジ?お願いしちゃおっかな~!」


 そう言って、さくらは嬉しそうに笑った。


***帰り道の余韻***


 三人は食事を終え、店を出ると、夕暮れの街を歩き始めた。


 西の空は夕焼けに染まり、頬を撫でる風が心地よい。


「それにしても、今日の経験で風水に興味が湧いてきたよ」


 祐一はふと呟く。「気を感じる訓練と風水って、意外とつながってるんだな」


 星川が軽く笑う。

「そうだろ?気の流れを感じられるようになれば、もっと直感的に風水を使えるようになるかもしれないぞ」


「そうだね……もう少し、練習を続けてみよう」


 そう決意した祐一の顔には、新たな学びへの期待がにじんでいた——。

 ご購読、ありがとうございました。今回は風水の話になりました。

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