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オカルト研究部 田中祐一 今日も怪異あり  作者: waku


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呪われた物件の調査依頼

青空大学、オカルト研究部は色々な活動を行っていた。そんなある日、調査依頼の電話が掛かって来た。その内容は、ある物件の住人が次々と引っ越し入れ替わる事だった。

 ある日、青空大学オカルト研究会に不動産会社「青空不動産」の谷口さんから一本の調査依頼が舞い込んだ。それは、曰く付きの「事故物件」の真相を解明してほしいというものだった。問題の物件は住む人が次々と退去してしまう不気味な場所であり「心霊現象が起きる」「住むと不幸になる」という噂が絶えなかった。不動産会社としては売るに売れず、困り果てている状態だった。


谷口はオカルト研究会の実績を知り、思い切って調査を依頼することにしたという。

「部員の皆さんの力で、この物件が抱える問題の真相を突き止めていただけないでしょうか……」

彼の切実なお願いを前に、沢田部長はすぐに調査チームを編成することを決断した。


***調査チームの編成***


 オカルト研究会の沢田部長は、相談を受けてすぐに調査チームを編成した。今回は他の活動も並行して行っているため、動けるメンバーは限られていたが、各自の特技を活かせるバランスの良いチームが選ばれた。


祐一は風水やエネルギー浄化、オカルト全般に精通し全体の調整役に抜擢された。


星川悠斗は風水の専門知識を持ち、土地や建物など色々な側面から気の流れを分析調査を担当する。


峯川拓也は廃墟や古い建物の構造や歴史に詳しく異常現象の背景などの考察を担当。


一谷は科学的視点での現象を分析する事が得意で物理的な原因などを突き止める担当。


松井あゆみは霊感が強く、怪奇現象について直感的に何かを感じ取る事を担当する。


 さらに、祐一は物件調査を進めるにあたり、知人の橘美紀にも相談を持ちかけた。橘美紀は陰陽師であり、オカルト雑誌の編集者でもある。彼女は「面白そうね。取材を兼ねて手伝うわ」と快諾し、さらに同じ雑誌の編集者に勤める先輩、寮も同行することになった。


***問題の物件への到着***


 祐一たちオカルト研究会のメンバーは青空不動産からの依頼を受け問題の物件を調査するためしばらく住み込みで活動することになった。当初は旅行気分で現場に向かうメンバーたちは車内で軽い冗談が飛び交ったりもしていた。


峯川が、みんなを安心させようと、「僕は廃墟巡りを色々行って来たけど大半は噂だけの所だったね。今回もどちらかと言えば噂先行で拍子抜けしてしまうかも。もし心霊写真が撮れたらスクープになるかもね」


一方、星川は、少し冷静に風水視点で話す。「僕は、風水の影響していると考えています。風水で運気の悪い立地や建物は人が長く住まなかったり不運に見舞われる話もあります」


一谷は、冷静な見方で「科学的に分析する事も重要だろうね。住まいの間取り、動線、騒音、温度変化、日当たりなどの分析も重要だね」


 色々な意見が飛び交う中、目的地に到着すると

物件が醸し出す独特の雰囲気に、全員が次第に緊張感を抱き始めた。


 物件にある駐車場に車を停めメンバーたちは建物を見上げた。そこは手入れが行き届いておらず、庭は雑草が生い茂り、放置されて久しいことが一目で分かった。玄関周りは雰囲気だけでなく、どこか実際に不吉な気配を感じさせる空気が漂っていた。


 しばらくして橘美紀と寮も現場に到着し軽乗用車から降りた美紀が「ごめんなさい。途中で渋滞に巻き込まれてしまって」と、祐一に話しかける。


 祐一は「橘さん、着て頂いてありがとうございます。助かります」と答える。

次に寮が住宅内にある駐車場に車を停め降りて来る。「こんにちは、オカルト編集者の寮です。今回は取材も含めてよろしく」と、気さくに話し掛ける。


 オカルト研究会のメンバーたちも、オカルト編集者の寮の事を知っており、感激し峯川が「僕、雑誌をいつも読んでいます。」と答える。一通りメンバーたちと挨拶を済ませた後、全員、物件の調査に臨む。


 物件は郊外にある2階建ての古い一軒家で薄暗い外観と荒れた庭が不気味さを醸し出していた。入口にはいかにも古い木製の表札がかかっており、どこか時間が止まったような雰囲気が漂っていた。


 青空不動産の担当、谷口さんが玄関の前で既に待っており、鍵を開けながら状況を説明した。

「この物件、外見は普通なんですが、中に入るとどうも不気味なんです。入居者がどんなに気に入っていても、数ヶ月もしないうちに突然引っ越してしまうんですよ。それも皆さん、不幸な出来事に見舞われてしまうらしくて……」


 中に入ると、空気がどこか重苦しく、冷たさを感じる。

薄暗い照明がぼんやりと点いているが、音が全くない静けさが逆に不気味さを際立たせていた。


 担当の谷口が申し訳なさそうに話す。

「実はこの物件、片付けられないままなんです。前の住人が突然出て行ったらしく、物もそのまま残っています。それに……引っ越し業者にも、噂が広まってしまい誰も引き受けたがらない状況で……」


中に入ると、家具や生活用品が散乱しており、まるで住人が何かに追い立てられるように慌てて退去したかのようだった。埃が積もり、窓からの薄暗い光が床にぼんやりと差し込んでいる。メンバー全員が言葉を失いながらも、それぞれの専門分野から調査の準備を始めた。


 祐一が屋内を見渡し「ありがとうございます。後は僕達で片付けと掃除を行います」と述べ谷口は安堵した様子で「ありがとうございます。私は、こういったのが苦手で、後はお任せします。それと住居の鍵です。また、何かあれば、こちらの電話番号にお願いします」と鍵と名刺を手渡し「別の用件で出向く事になっていますので、後はよろしくお願いします」と、帰って行った。


***住み込み調査の準備***


峯川が玄関に立ち感想を漏らした。

「いやぁ、これは中々な心霊スポット感ですね。空気感が廃墟マニアにはたまらないかもしれませんけど……住むにはキツそうです」


一谷は、持参した測定器を取り出しながら冷静に答える。

「心理的な影響もあるかもしれないな。この雰囲気だと、何も起きなくても不安が増幅されそうだ」


一方、霊感のある松井あゆみは、玄関に足を踏み入れた途端、腕を抱きしめるようにして小さく震えた。

「なんだか……寒い感じがします……すごく不安になる場所です」


橘美紀と寮健一も続けて建物に入り、周囲を見回す。美紀は険しい表情を浮かべながら一言。

「ここ、負の気配が強いみたい…たぶん、長い間積もり積もったものがあります」


寮がちらりと美紀に目配せをすると、美紀は頷き、早速玄関に魔除けの札を貼った。寮は静かに札を見つめた後、祐一に優しい口調で話しかける。

「祐一君、久しぶりだね。霊山で会ったとき以来かな?」


少し緊張した面持ちで祐一は返答する。

「あの時は、いろいろな体験や勉強をさせていただきました。でも……心霊現象への対応はまだ自信がなくて、寮さんや橘さんのようにはとてもできません……」


寮は軽く笑いながら肩を叩いた。

「まぁ、慣れは必要ない方がいいけどね。ただ、君たちの視点は必ず役に立つはずだよ。無理せずやっていこう」


その後、寮は松井を見つめながら尋ねた。

「君、霊感があるのかな?」


松井は少し恥ずかしそうに顔を赤らめながら答えた。

「少しだけです……でも、霊を払ったりする力はありません。ただ、何か気配を感じたりすることはあります」


寮はその答えに真剣な表情で頷きながら言った。

「それで十分だよ。霊感がある人は、周囲の異常をいち早く察知できるからね。ただ、無理はしないように。感じるものが強すぎたらすぐに教えてほしい」


松井は緊張しつつも、少しほっとしたように頷いた。


***玄関の浄化作業***


 美紀は玄関に魔除けの札を貼った後、お香を取り出し、準備を始めた。

「寮さん、これから玄関の邪気を浄化しますね」


寮は「頼むよ」と返事をし、美紀がお香を焚くと、ふわりとした白い煙が玄関周りに漂った。お香の香りが部屋の重たい空気を少しずつ変えていくように感じられた。


美紀は手を合わせながら呟いた。

「ここは玄関から気が入ってくる場所だから、一番大事なの。まずはここを整えて、他の部屋の邪気にも対処していきましょう」


煙が収まると、玄関周りの空気がわずかに軽くなったように感じられた。


***住み込みでの調査初日***


 しばらく住み込みでの調査を行うことになった祐一たちオカルト研究会のメンバーと橘美紀と寮は、さっそく、住み込みの準備を始める事にした。



星川が周囲を見渡しながら話しかける。

「……いきなり住み込むって、どうかな?こういう場所、やっぱり最初は怖いよね」


祐一は少し考え込んだ後、頷きながら答える。

「確かに、不気味な気配があって落ち着かないけど、泊まり込んで調査しないと分からないこともある。それに、ここで起きていることの真相を解明するには必要だと思うんだ」


 寮が「ひとまず、僕と美紀で、建物の浄化を行って行く。その後、それぞれ掃除と片付けを行っていこう」こうして、寮と橘美紀が、建物の中を順番に見て回り、浄化を行って行った。


 しばらく経ってから寮が「ひとまず、場の浄化を行ったから、大丈夫そうだ。次に片付けをはじめよう」一行は手分けして物件の片付けと掃除を始めることになった。


***掃除と片付け:各自の役割***


 まずは物件を住みやすい状態に整えるため、メンバーたちはそれぞれの部屋を担当して掃除を開始した。


キッチンの片付けと掃除は橘美紀と松井あゆみが担当する事になった。

 キッチンは前の住人が残した古い食器や調理器具が散乱しており、荒れ放題だった。美紀と松井はゴム手袋をはめて食器を片付け、水回りを念入りに掃除して片付けて行く。


松井あゆみはキッチンの窓を拭きながら外の風景を見ていると、窓ガラスに一瞬、黒い影が映り込んだ。

「えっ……?」彼女は振り返ったが、そこには誰もいない。ただ、不気味な冷気がキッチンに漂い始めていた。

「橘さん、ちょっと来てください……」松井が震えた声で呼びかけると、美紀はすぐに気配を察知して式神を召喚した。朱雀が赤い炎を纏いながら現れ、影を消し去ると、その場の空気はようやく穏やかになった。

「松井さん、もう大丈夫よ」と微笑む美紀だったが、彼女の眼は鋭い眼差しだった。


トイレの掃除は祐一が担当する事にした。

 

 トイレは埃と汚れが目立つ。祐一は、持ち込んだトイレ用の掃除道具と洗剤を使い黙々と掃除を進めて行く。窓を開け換気を行い、トイレ用の芳香剤を置く。トイレの中で何か思い気配がし、祐一はお寺で学んだ魔除けのお経を唱えると、気配が消えた。「やっぱり、何かありそうだ」と、呟き、再び掃除を続ける。


バスルームは峯川拓也が担当する事になり、バスルーム内の天井や壁、床はカビや汚れが酷く、手入れを怠られていた状態だった。峯川は洗剤とブラシを使い、床や壁を丹念に磨き上げた。また湯船の掃除も行っていった。すると、突然、後ろに人の気配を感じ振り向くと、何もいなかった。「気のせいか・・・」と、再び、掃除を続けた。


書斎は一谷が任され古い本や書類が積まれていた。一谷はそれらを丁寧に整理しながら、資料になりそうな物や不自然な物がないか確認していった。棚に日記があり、そこに日々の事が書かれていた。前の住人の書いたものなのかと興味を持ったが、ひとまず、後で確認する事にし作業を続けた。


 寝室の清掃と片付けは、星川が行う事になり

寝室は古い布団や家具が放置され、全体的に埃っぽい状態だった。星川は窓を開けて換気をしつつ、古い寝具を運び出し、整理して行った。クローゼットから何か視線を感じ、クローゼットを確認したが何も無かった。「おかしいな。何か視線を感じたんだけど。。。」


リビングは寮が担当する事になり様々な荷物が散乱しており丁寧に片付けて行く。特に目立つのは家具の下にたまった埃だった。寮は持ち込んだ掃除機で念入りに掃除を行い、広いスペースを確保した。リビングは、特別、何事も無く順調に作業が進んで行った。


***昼食と作業の確認***


 掃除を進めているうちに昼を過ぎたため、一旦リビングに全員集合し、昼食を取ることになった。祐一たちは、車のポータブル冷蔵庫から運び込んだお弁当や食材をテーブルに並べ、簡単に温めて準備した。


 昼食を取りながら、それぞれの進捗状況を報告する。



トイレ(祐一)

「トイレの掃除は、バッチリだよ。照明と換気扇も大丈夫」と続け「ただ、何か重い嫌な感じがしたんだ」と、続けた。


キッチン(美紀・松井)

 「ガスは使えないけど、水道と電気は問題ないです。電磁調理器とカセットコンロを持ち込んだので、簡単な調理はできます。それと、冷蔵庫はコンセントを入れたら使えました」と美紀が報告する。

松井が「キッチンの窓から黒い影が視え、橘さんが式神の朱雀で浄化しました」と続けた。


バスルーム(峯川)

 「お風呂場は灯油の給湯器みたいだね。灯油が必要だから、食事の後で近くのホームセンターに行って灯油缶を買ってくるよ。他に必要なものがあればメモしておいて。ただ、なんとなく、背後から人の気配がした気がする」と話す。


リビング(寮)

 「リビングの掃除はだいたい終わったよ。午後も他の部屋の細かい部分を掃除していくつもりだ。こっちは特別、何もなかったみたいだ」と報告した。


寝室(星川)

 「古い布団があったから、片付けて新しい寝具を準備した方がいいね。食後に寝具類をそれぞれの部屋に運び込もう。クローゼットの中から視線を感じたけど中を確認すると誰も居なかった」と報告する。


メンバーたちは、少し不安を覚えながらも昼食を終えた後、

それぞれ午後の作業計画を立て、再び掃除と片付けを始めた。



***午後の作業:調査準備***


 午後も引き続き、メンバーたちは掃除や片付けを進めた。不用品は物置部屋に運び込み、照明類やテレビ、洗濯機など、家電製品は動作確認を行い、使える状態にした。


 一方、寮と美紀は、再び各部屋を見回りながら、霊的な気配を調査し、お香を焚いて浄化を行って回った。特に寝室と書斎は重たい空気が漂っており、念入りに浄化を行った。


 寮が「これで多分、大丈夫だろう」と話す。

橘美紀も「お札を機になる場所貼りました。これで怪奇現象も治まると思います」と、返した。


 片付けが終わったメンバーたちは、次に車から荷物と機材を運び入れる作業と庭の掃除を行った。

また、足りない物の買い出しには、寮と美紀のグループと一谷と峯川のグループに分かれて行う事になった。


残ったメンバーは、それぞれ片付けと荷物の整理を行った。

祐一が「でも、なんとなく嫌な感じがするね」と、隣で片付けを行っている峯川に話す。

「僕も、何か嫌な感じがしています。寮さんや美紀さんが浄化を行った時は、良くなりますが、その後、また、思い気配が戻ってくるような感じです」と答えた。


***初日の夜、進捗の共有と提案***


 夕食は再びリビングに集まり、メンバー全員で食卓を囲んだ。手分けして準備した食事を取りながら、それぞれの進捗と気づいたことを共有した。


祐一が口を開く。

「特におかしなものは見つからなかったけど、風水的な調査も必要かもしれませんね」


星川も同意しながら提案する。

「建物の中だけじゃなく、周辺の土地も調べるべきだと思います。この家の問題は建物だけに限らない可能性があります」


松井が穏やかに微笑みながら報告する。

「寮さんと美紀さんのおかげで、初めて来たときに感じた重い空気がだいぶ軽くなった気がします。でも、なんだか嫌な感じがしています」と、少し不安げに答える。


一谷は、午後の作業で設置したカメラのモニタリング計画について話した。

「各部屋にカメラを設置しました。これで夜の様子をモニタリングできます。もし何か動きがあれば、すぐに分かると思います。気分的な問題も大きいですから、きっちりと調査する事でスッキリする所もあります」



 それぞれの報告を聞き終えた後、翌日の調査計画を確認し、初日の夜は就寝することになった。


 宿泊する部屋の配置は、

 リビングは寮、一谷、峯川が寝る事になった。

モニタリング用のモニターはリビングにあり、寮、一谷、峯川で交代してチェックする事になった。


 書斎は祐一と星川が寝る事になり、それぞれ書斎の書籍や資料を調べる事にした。


 寝室は橘美紀と松井あゆみが使用し

何か気配を感じたり異常を感じられたら報告する事になっていた。


 

 それぞれが用意した寝具を広げ、疲れた体を休めるために眠りについた。

しかし、物件の空気が完全に浄化されたわけではなく、夜中に何かが起こるかもしれないという緊張感がメンバーたちの胸に残っていた。


***深夜の怪異***


 深夜、リビングでモニタリングをしていた一谷が突然声を上げた。「寮さん、これ……見てください!」

モニターには寝室の映像が映し出されていたが、そこに妙な影が揺れている。人の形にも見えるが、その輪郭は不明瞭で、まるで霧が漂っているようだ。

「寝室……松井さんたちの部屋だ!」寮が立ち上がると、リビングの電気が突然チカチカと点滅し始めた。

その時、モニター越しに「カタッ」という音が聞こえる。何かが動いたのだ。だが、影は次の瞬間には消えてしまった。

「一旦、全員で確認しよう」と寮が冷静に言ったが、その顔は硬直していた。



 ご購読、ありがとうございました。今回は久しぶりに、ちょっとオカルトな話になります。寮や橘美紀も登場する事で、心霊現象の話も深まるかも知れません。

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