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オカルト研究部 田中祐一 今日も怪異あり  作者: waku


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新メンバーとの廃村復興ボランティア活動

 青空大学 オカルト研究会は新メンバーを迎え活気づいていた。

定期的にボランティアで廃村の復興活動を行っており新メンバーも一緒に参加する事になった。


 青空大学オカルト研究会は、ただの趣味や学術研究だけにとどまらず、社会に役立つ実践活動を行う珍しい団体だった。その一環として、メンバーたちは定期的に廃村へ足を運び、復興を目的としたボランティア活動を行っている。この活動は、村や地域に根付いた暮らしを取り戻すための支援を行いながらオカルト研究会らしく、その土地や建物にまつわる歴史や謎を調査することも含まれていた。


今回のプロジェクトの目的は、古民家の納屋と蔵の改築、そして荒れ果てた田畑の草刈りだ。この活動には、これまで廃村復興を主導してきたベテランメンバーに加え、5人の新メンバーが初めて参加することになった。合計11名の参加者がいるため、活動の規模も大きく、期待も高まっていた。


***新メンバーの初参加***


 新メンバーの宮田優子、峯川拓也、小川啓二、松井あゆみ、星川悠斗の5人は、今回が初めての廃村活動参加だった。初参加ということもあり、彼らの表情には期待と緊張が入り混じっている。集合場所の大学キャンパスで荷物を積み込みながら、それぞれがこの活動に抱く思いを口にしていた。


 宮田優子が関心を示しながら「こういう活動って、私の実家でも似たようなことをやってたんです。村の人たちで協力して耕したり、古い建物を直したり……。廃村っていうと少し寂しいけど、私たちが手を加えれば、また命を吹き込むことができると思います!」

彼女の言葉には力強さがあり、その場にいた全員が自然と笑顔になった。


 峯川拓也は西洋魔術の知識が豊富で、活動の中でも特に調査の分野で期待されている。

「自分たちが少しずつ手を加えることで、変化が生まれるっていうのは面白いよね。改築なんてやったことないけど、頑張ってみたいと思う」

言葉こそ短いものの、その声にはやる気が感じられた。


一方で、小川啓二は廃墟巡りが趣味という少し変わった青年だ。今回の活動にも、廃墟という響きに興味を引かれて参加した。

「なんか、ちょっとした冒険みたいだよな。どんな感じの廃村なんだろう?廃墟って、ちょっとゾクゾクします」そう語る小川に、祐一が笑いながら答えた。

「小川君、廃村といっても、特別何も無い所だから。心霊スポットみたいな話題も無いし普通に地味な所だからね」


 宮田優子は「田舎など、人の霊や気配は少ないと思います。でも、何か妖怪とか得体の知れない存在もいる話もありますから」とオカルト的な事を語る。


松井あゆみは霊感があり、日常生活でもその能力を感じることがあるという。彼女は、田畑や古民家に漂う気配を探る役割を期待されていた。

「廃村って、どんな感じなんだろう……?写真では見たことあるけど、実際に行くのは初めてです。何か感じるものがあったら、みんなに伝えますね。」


 真剣な表情の松井に、祐一が優しく声をかけた。

「無理しないでいいからね。こういう場所は独特の雰囲気があるけど、みんなで力を合わせていけば大丈夫だよ。」


最後に、星川悠斗は冷静で分析力に優れた青年で、風水や環境調査が得意だ。

「僕が現地を見て、風水的な観点からもアドバイスできると思う。村全体の地形や配置を把握すれば、復興の手助けになるはずだからね。」

自信に満ちた声で語る星川に、沢田部長も期待を込めて頷いていた。


***古民家への到着***


 廃村へ向かう道中、車内では話が尽きなかった。山間の緑が濃くなるにつれ、新メンバーたちは窓の外の景色に目を輝かせていた。車は5台。その内3台は軽トラックで機材と資材を運んでいる。ミニバン2台で無我っている。途中で車がガタガタと揺れる未舗装の道に入ると、新部員たちは、さらに期待が高まっていった。


そして、ついに古民家へ到着した。車を降りた

新メンバーたちは、目の前に広がる古びた建物とその周辺の光景に息を飲んだ。


古民家は木造の伝統的な作りで、立派な瓦屋根を持つものの、ところどころ傷んでおり、壁には苔が生えていた。庭には雑草が生い茂り、かつて人々が賑やかに暮らしていた様子はどこにもない。それでも、その場には独特の懐かしさが漂っていた。


祐一が笑顔で新メンバーたちに声をかける。

「どう?写真で見たのと同じ雰囲気だった?」

宮田はしばらく目を輝かせながら周囲を見渡し、こう答えた。

「うん、写真よりもずっと素敵!ここに泊まりながら作業するなんて、すごくワクワクします」


一方で、松井は少し神妙な面持ちで古民家を見つめていた。

「やっぱり、少し寂しいような寂れた感じがしますね。でも、嫌な感じではないです。ただ、ここを放置しておくと、だんだん悪くなりそうな気もします……」


それを聞いた沢田部長は深く頷きながら言った。

「だからこそ、僕たちの活動が必要なんだ。この村や古民家が新しい命を吹き返せば、ここに漂う気もきっと変わっていくはずだよ。」


こうして、総勢11名による復興プロジェクトが正式に始まった。古民家を中心に、納屋や蔵、田畑など多くの作業が待ち受けている。しかし、メンバーたちの表情には不安よりも期待が溢れていた。

 


***古民家の改築作業に***


 午後の日差しの中、古民家に到着したメンバーたちは、さっそく準備を始めた。

荷物の積み下ろしと2週間の活動の為の食料を運び入れる。


沢田部長が古民家を見回しながら呟く。

「さすがに11人もいると、ここだけでは手狭になってしまう……。新たに納屋と蔵を改築して、寝泊まりできるようにしよう」


古民家の納屋と蔵はどちらも傷みが目立っており、掃除や補修が必要な状態だった。しかし、広さは十分で、少し手を加えれば居住スペースとしても使えそうだった。


メンバーは2チームに分かれ、納屋と蔵の掃除・片付けを開始した。


 祐一が周りを見て説明する「この古民家は母屋だけでも十分広く寝泊まりは可能ですが、新たに部員も増えた事から、男性や女性、また学年別にそれぞれ部屋の割り振りが出来た方が良いと考えています」


 沢田部長も「長期滞在する場合、いくらかプライベートの問題や少しでもリラックス出来た方が良いからね」と、続ける。



***蔵の改築作業***


 蔵の中は約10畳ほどの広さで、古い家具や木材が乱雑に積み上げられていた。メンバーたちは、蔵にこもる埃に咳き込みながらも、黙々と作業を進める。



 掃除を終え、ソーラーパネルを設置し、ポータブルバッテリーで電力を確保。LED照明を取り付けることで、蔵の中は明るくなり、夜でも作業ができる環境に変わった。その他にも床板を張りカーペットを敷き、部屋として利用できる空間に整備した。2段ベッドを運び入れ寝室としても利用できる様に改装した。


 沢田部長は蔵の中を見渡しながら「これで新しい寝室としても十分使えるな。やっぱり照明があると雰囲気が全然違うし多目的にも使えそうだ」と満足そうに語った。


***納屋の改築作業***


 納屋は蔵より広く15畳ほどのスペースがあった。その一部(約6畳分)に床板を増設し、壁を張り、引き戸を取り付けて個室のような空間を作り上げた。こちらもソーラーパネルを設置し、ポータル電源につなげてLED照明を取り付けた。残りのスペースは物置として利用することに決定し、自転車や農機具など置けるよう整備した。


 祐一も改築に満足し「納屋は物置としても使いやすくなりましたね。部屋は寝室として使ったり色々使えそうです」星川が「問題はトイレかな。母屋まで外に出て行くのが大変だね」祐一も頷き「確かに蔵と納屋から母屋のトイレに行くのは夜は大変かもね」峯川が「母屋の裏の勝手口まで屋根を取り付けるのはどうかな?」と、提案する。


 沢田部長も賛成し、簡単な屋根を増築し夜間用のソーラーライトを設置し、

夜でも母屋のトイレに行きやすいようにした。納屋と蔵は母屋の裏側にあり塀に囲まれており母屋の表の門を閉めれば夜でも安全性を確保できた。


***田畑の草刈り作業***


 建物の整備が一段落すると、次は古民家の周辺に広がる荒れ果てた田畑の草刈り作業に取り掛かった。長年放置されていた田畑には背の高い雑草が茂り、かつての面影はほとんど残っていない状態だった。


***機械の準備***


 オカルト研究会はリースで借りたラジコン式の草刈り機を軽トラックで運び込んでおり、それを積み下ろして準備を整えた。

河餅がリモコンを操作すると、草刈り機が唸りを上げながら動き出し、荒れた田畑の雑草を次々に刈り取っていく。


 沢田部長は関心しながら話す。「ラジコン草刈り機、すごいな。こういう大きな作業には本当に助かるね」


***手作業による草刈り***


 他のメンバー吉村、一谷、峯川は刈払機(草刈り機)を手に、畔道あぜみちや細かい場所の草を刈り始めた。草を刈る音があちこちで響き渡り、メンバー同士で声を掛け合いながら作業が進んだ。


 他のメンバーは、熊手で草を集めたり、作業用の1輪車で運ぶ作業を行った。


 刈り取った草は集められ、いくつかの山を作って乾燥させ完全に乾いた後に焼却する予定だ。雑草を刈り取った田畑はすっきりとした見た目になり、再び耕作できる日も遠くなさそうだった。


***一息つくひととき***


 長時間の作業を終え、メンバーたちは、持参した軽食や飲み物を手にして休憩を取った。


松井が「蔵も納屋も、田畑もすっかり変わりましたね。ここに人が集まるようになれば、もっと賑やかになるのかもしれません」


峯川が回りを見渡しながら「本当に廃村って言っても、少し手を加えれば新しい可能性が広がる気がします」


 沢田部長「今回は2週間の活動日程で蔵と納屋の改築、それと、田畑の草刈り作業、周辺調査だ。残りの日程まで頑張ろう」夕焼けに染まる空を見上げながら、メンバーたちは達成感と疲れを感じていた。それでも、笑顔が絶えないのは、この活動が確実に「村の復興」につながっている実感があったからだ。


***夜の廃村***


 夕方になり、古民家に帰りついた部員たちは、

少し休憩を取った後、食事の準備とお風呂を焚く準備に取り掛かった。


 風呂の水は電動ポンプで井戸水を汲み上げ、風呂窯に火を点け湯を沸かす。

薪をくべながら温度の調節をする。順番に風呂に入り、食事の準備を行う。


 それぞれ、今日の出来事を語り合いながら夜が深まって行った。


 改築した蔵と納屋に設置したLED照明が灯され。古民家が少し賑わい見せていた。


沢田部長「今回の活動でだいぶ進展があったな。次は農学部が、この田畑を耕して何か植える計画を立てると思う。この古民家も他の部員たちが活用し廃村の復興活動を行って行く予定だ」


祐一が嬉しそうに「復興が進めば、ここが地域の拠点になりそうですね。次回も頑張りましょう!」


こうして、青空大学オカルト研究会の廃村復興プロジェクトは、新たな一歩を踏み出した。活動は続き、やがて村全体は、さらにに新しい風が吹き込むことになるだろう。



 ご購読、ありがとうございました。

次の物語を色々考えて物語の順番として、今回は廃村のボランティア活動の話になりました。


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