つばき壮への新たな提案
雄一は、お地蔵様をつばき壮に迎え入れたことに満足し、さらに新しいアイデアが浮かんでいた。
祐一は、掃除を終え、掃除道具をつばき壮の1階の物置部屋になってる部屋に収納した。そこには埃をかぶった家具や段ボール箱が雑然と積まれていた。部屋の広さは20畳ほどあり昭和の香りが漂うこの部屋は、まるで時の止まった空間のように感じられた。
「ここ、何かに使えないかな……?」
祐一は思案にふけりながら部屋を見渡した。この広いスペースを活用すれば、つばき壮の住人たちや地域の人々に喜ばれる場所になるのではないか。と、ひらめいたのだ。
その日の夜、祐一は大家さんに相談を持ちかけることにした。
「大家さん、この物置部屋を片付けて、住人や地域の人たちが集まれるイベントスペースにするのはどうでしょうか?」
***大家さんとの会話***
大家さんは目を丸くしながらも興味深そうに祐一の提案を聞いた。
「なるほど、物置をイベントスペースに?どんな使い方を考えているんだい?」
祐一は笑顔で答えた。
「例えば、つばき壮に住む学生が塾を開いてみたり、住人たちが集まって映画を見たり、カフェで作った料理を運んで、住人たちでパーティーをする場所にするんです」
大家さんは少し考え込んだ後、頷いた。
「面白いね。でも、物置部屋の片付けやリフォームには少し手間がかかるけど……住人のみんなが協力してくれるなら、やってみる価値がありそうだね」
「ありがとうございます!片付けなら僕たちでやります。リフォームのプランもみんなで話し合って決めます!」祐一は、さくらや健二、美奈にも声をかけ、住人たちを巻き込むことにした。
***住人たちの協力***
翌週末、住人たちが集まり、物置部屋の片付けが始まった。埃を払うたびに古い家具や小物が顔を出し、みんなで「こんなものがあったんだ!」と笑い合う時間が続いた。
健二が古びた木箱を開けて言った。
「これ、昭和の映画ポスターだ!額縁に入れて飾ったらオシャレかも!」
美奈は箱に入ったレトロな食器を見つけて微笑んだ。
「カフェの料理を盛り付けるのに使えそうね。いい味が出そう!」
さくらは部屋の隅で座布団を手に取りながら言った。
「これで映画鑑賞会なんていいんじゃない?みんなでくつろぎながら映画を見るの楽しそう!」
祐一は、住人たちの活気に目を細めながら言った。「これでこの部屋が新しい憩いの場になるね。準備が整ったら、最初のイベントを何にするか考えよう」
***イベントスペースの完成***
数週間後、物置部屋は見違えるように生まれ変わった。白い壁にペイントされ、床には新しいクッションフロアが敷かれ、木製のテーブルや椅子が配置された。健二が手作りした映画ポスターの額縁が壁を飾り、美奈が選んだ照明が部屋を柔らかく照らしていた。
祐一は完成したスペースを見渡しながら提案した。
「最初のイベントとして塾の体験会と、住人たちで映画を見る会をやるのはどうかな?」
***塾と映画の初イベント***
塾の体験会では、祐一、さくら、健二が講師となり、住人の子どもたちに勉強を教えた。
「ここ、こうやって考えると分かりやすいよ」
祐一の優しい教え方に、子どもたちも笑顔で答えた。
さくらも数学を分かりやすく教え、子供たちも理解した様だった。
健二は国語を教え感じの覚え方を分かりやすく教えた。
週に1回、開かれる祐一たちの学習塾により、住人の子供たちも成績が伸びていった。
また、月に1回、住人たちが集まり、映画上映会が行われた。カフェで作った軽食が並べられスクリーンに昭和の映画が映し出された。
さくらが隣の席で微笑みながら言った。
「これ、めちゃくちゃ楽しいね。祐一が提案してくれて本当によかった!」
祐一は満足そうに頷きながら答えた。
「これからも、このスペースをみんなで楽しんで使っていけるばになるといいね」
***新たな日常へ***
リフォームされた部屋は、その後も住人たちの憩いの場として親しまれた。塾、映画鑑賞会、料理パーティーなど開かれ、つばき壮の住人や近所の住人も参加し色々なイベントが定期的に開かれ、住人たちの絆がさらに深まっていった。
そして、地域の人々も巻き込みながら、新しい日常が始まっていった。
***つばき壮のイベント盛りだくさんな日々***
リフォームされた1階の物置になっていた部屋は、イベントスペースとして、住人たちだけでなく地域の人々にも親しまれる場所となっていった。住人たちは新たなアイデアを次々と提案し、そのたびに笑い声と賑わいが広がった。
***卓球大会***
ある日、健二がふと呟いた。
「ここに卓球台を置けるんじゃないかな?」
祐一がその提案に目を輝かせた。
「いいね!卓球台を置いて、みんなで大会を開こう!」
卓球台は住人たちが協力して組み立て、翌週には「つばき壮卓球大会」が開催された。住人たちだけでなく、地域の人々も参加し、歓声が響く熱い試合が繰り広げられた。
「祐一君、こっち!スピンだ!」
さくらの声に応えるように、祐一がラケットを振り抜き、歓声が上がった。試合の合間には、カフェから提供されたお茶や軽食が振る舞われ、参加者たちは和やかなひとときを楽しんだ。
***カラオケ大会***
別の日、さくらが提案したのはカラオケ大会だった。
「昔のカラオケ機材が倉庫に眠ってるんだって。これを使ってみんなで歌うのはどう?」
美奈が笑顔で賛成した。
「いいね!つばき壮の歌姫を決める大会にしよう!」
住人たちはそれぞれ思い思いの歌を披露し、拍手と笑いが絶えない夜となった。健二の予想外に上手な歌唱力が話題を呼び、美奈のレトロな選曲も場を盛り上げた。
「祐一君も歌ってよ!」
さくらに促され、祐一が照れながらマイクを握ると、みんなの拍手がさらに大きくなった。
「つばき壮のイベントって、毎回すごく楽しいよね。」
「近所の人ともこんなに仲良くなれるなんて思わなかった。」
地域の人々もつばき壮に足を運ぶようになり、住人と地域の絆がますます深まっていった。
***つばき壮フリーマーケット***
祐一は、さらに新しいイベントを提案し、フリーマーケットが開かれる事になった。住人たちが楽しみながら準備を進める中、祐一は「もっと賑やかにしたい」と考え、青空大学のサークルにも参加を呼びかけた。
オカルト研究会の沢原部長も賛成し、オカルト研究会が調査で出かけた神社やパワースポットの情報をまとめた写真集や不思議な話などまとめた本、幾何学的な図形のポスターなど出品した。また、他のサークルにも協力を求め、農学部からは新鮮な野菜を。芸術部では手芸や小物など出品される事になった。
***フリーマーケット当日***
つばき壮の裏庭とイベントスペースは、地域住人や大学生が持ち寄った多彩な品々で埋め尽くされた。朝から心地よい日差しが差し込み、訪れた人々の笑顔が溢れる賑やかな一日が始まった。
つばき壮フリーマーケットの始まり
つばき壮の裏庭とイベントスペースが賑やかな声で満ちる朝、ついにフリーマーケットが開催された。住人たちが丹精込めて準備したブースには、昭和レトロの雑貨や健二のDIY小物、さくらの焼き菓子セットが並び、訪れた人々を笑顔で迎えた。
青空大学のサークルも加わり、農学部の新鮮な野菜や芸術部の手作りアート作品が、会場をさらに彩る。特にオカルト研究会が展示したパワースポット写真集は、好奇心を刺激し、大人たちの間で話題を呼んでいた。
午後にはオークション大会が行われ、健二の手作り木製時計や芸術部の特別な絵画が出品された。祐一が司会を務める中、笑い声と歓声が絶えず、つばき壮は地域と大学の新たな交流の場として成功を収めた。
「次はどんなイベントをしようか?」と語り合う住人たちの間に、さらに新しい絆が芽生え始めていた。
***フリーマーケットの余韻***
夕暮れが訪れ、フリーマーケットの片付けも終わり、つばき壮は静けさを取り戻していた。祐一は会場の片隅で椅子に腰掛け、空を見上げて深く息をついた。その隣にさくらがやってきて、同じように腰を下ろした。
「お疲れさま、祐一君。今日は本当に大成功だったね」
さくらが微笑みながら話しかけると、祐一も満足そうに頷いた。
「うん。みんなが協力してくれたおかげだよ。住人たちも大学の仲間も、地域の人たちも、それぞれがこの場所を楽しんでくれたみたいで嬉しい」
さくらは軽く肩をすくめて、笑った。「祐一君が最初にこの部屋をイベントスペースにしようって言い出したとき、正直、そんなにうまくいくかなって思ったけど……ここまでになるなんて、想像以上だよ」
「僕も最初はただの思いつきだった。でも、こうやってみんなが集まって笑顔になってくれるのを見ると、この場所が特別なものになったって実感するんだ」
ふと、さくらは空を見上げて目を細めた。「次はどんなことができるかな?つばき壮をもっと楽しい場所にするアイデア、祐一君ならまた思いつきそう」
祐一は小さく笑いながら、言葉を返した。「今度はみんなで一緒に考えようよ。この場所がもっとたくさんの人にとって居心地のいい場所になるようにね」
その会話の後、二人は心地よい沈黙の中で、空を茜色に染める夕日を眺めていた。新たな未来の予感が、つばき壮の上空に広がっていた。
購読、ありがとうございました。今回のテーマも、触れ合いとテーマについて書いてみました。現実世界でも、いろいろなイベントが開かれているので、物語のような交流や触れ合いを求められてみるのも楽しいと思います。




