廃村から新たな場へ
廃村の調査と古民家の整える活動を提案し2手に分かれ活動を始める事になった。
祐一、一谷、岡田めぐみの3人は、古民家の補修作業と風水の整え活動を進めていた。
一谷は、傷んだ戸や壁の補修に取り掛かり、開いている隙間を塞ぐ作業を進めている。
「この壁、板が弱くなってるな…。ここを補強しないと」
一谷が独り事のように言うと、祐一が手袋をはめながら手伝いに入った。
「ここも古い建材が多いから、いっそ新しい板に張り替えた方が早いかもしれないね」
二人は協力しながら少しずつ改修を進めていった。
一方、岡田めぐみは、室内の掃除や片付けを丁寧に進めていた。
古民家には神棚があり、その周囲を拭き掃除しながら、破れた障子や襖の箇所を確認する。
「これも修理が必要ね。障子紙を買い出しに行くリストに入れておこう」岡田は補修に必要なものを次々とメモに記していった。
祐一は庭に出て木の剪定を進めながら、庭の風水について考えていた。
「ここに新しい木を植えれば、風水的にエネルギーが循環しやすくなるな…。あとは玄関に盛り塩を置いて、風水のインテリアと、玄関から入ってこっちの廊下には、暖簾を飾ればもっと雰囲気が良くなる」
祐一も改善点をメモしながら、古民家全体を見て回った。
一谷は家屋の内部で照明の設置を検討しながら、
新しい壁紙やフックの取り付け場所をチェックしていた。
「ここにフックを付けてLED照明を取り付けて、ソーラーパネルとポータブル電源のコードを引けば…これなら夜も快適だな」
メンバーたちは、それぞれが見つけた改善ポイントを細かく記録していった。
祐一たちは必要な物を書き出しホームセンターへ買い出しに行く計画だった。
***廃村の周辺調査***
一方、沢田部長、河餅、吉村の3人は車で廃村周辺の調査を進めていた。
村内を回る中で、沢田部長が周囲を見渡しながら話す。
「確かにここは利便性が悪いな…。学校も山を下りて隣村まで行かないと無いし、病院も閉鎖された診療所跡があるくらいか」
河餅も続ける。
「やっぱり、生活の利便性の問題が大きいですね。特に高齢者には厳しい環境だと思います」
そのとき、吉村が前方を指差した。
「部長、あそこに小さな神社があります。少し覗いてみませんか?」
3人は神社へ向かったが、そこは寂れていて、鳥居は倒れ、祠も荒れていた。
少し崩れかけた石段を上がると、祠の前にはかつての供物らしき残骸が散乱していた。
沢田部長は少し寂しそうに呟いた。
「神社のある場所は本来、エネルギーの集まるパワースポットと言われるものだ。しかし、肝心の神社がこれでは、村が衰退してしまったのも無理はないかもしれないな」
3人は神社の様子を写真に収めた後、再び古民家へと戻った。
***再集結とミーティング***
夕方、古民家に戻った6人は居間に集まり、ミーティングを行うことにした。沢田部長が口火を切る。
「みんな、お疲れ。今日の調査と補修作業の進捗を確認しよう」
祐一が庭や家の中の風水に関する改善案を発表し
一谷や岡田も補修や掃除の状況を報告した。また、補修や改善に必要な物をメモした用紙を沢田部長に渡す。「たしかに、この場を回収したり整えて行くには、必要そうだ。明日、調達に向かってくれ」と、許可を出す。
一方、周辺調査を行った河餅が廃村の利便性の問題について述べると、吉村が寂れた神社の話を付け加えた。
そこで、沢田部長が少し意外な提案を口にした。
「この古民家を拠点としてリフォームし、大学の合宿場所として活用するのはどうだろうか?」
その言葉にメンバーたちは驚き、視線を向ける。
「他のサークルや部活の合宿で使える場所にして、田んぼ跡をガーデニングや作物を植えるスペースにする。それに、スポーツ部の強化合宿場として使っても面白いと思う。星の観察や自然観察、ハイキングなんかの拠点にもできるだろう」
河餅が興奮気味に答える
「確かに!これだけ広い場所なら、多くの人が利用できそうですね。村の復興にも繋がるかもしれません」
岡田めぐみも微笑みながら言った。
「それなら、掃除や補修ももっとやりがいがあるわね。ここが活用される未来を想像すると、なんだかワクワクしてくるわ」
祐一も頷きながら続けた。
「風水的にも、家を活用してエネルギーを循環させることは良い方向に働きますね。村全体を少しずつ再生させる拠点にできるかもしれません」
***次の挑戦に向けて***
オカルト研究会はしばらく滞在し廃村調査に加え、この古民家を再生し、活用する計画に取り組むことを決めた。調査と補修の二本柱で活動を進めながら、村の過去と未来に向き合う活動が始まった。
オカルト研究会の調査が一段落すると、メンバーたちは大学に戻り、廃村での活動について他のサークルや部活動のメンバーに話した。すると、思いのほか多くの部が興味を示し廃村を活用するための新しい提案が次々と挙がった。
***新たなアイデアの広がり***
ミーティングでは、さまざまな意見が飛び交った。
「古民家が他にもあるんだったら、それぞれの建物を活用できるようにするのもいいね」
「他の大学にも知らせて、共同で使える場所にするのはどうだろう?」
「地域交流会みたいなイベントを定期的に開くのも面白そうだよね」
廃村を再生し、多くの人々が訪れる場所にするという大きなビジョンが次第に形を成していった。オカルト研究会の祐一は、廃村が廃れてしまった原因について考えを巡らせながら、こう述べた。
「この場所が閉鎖的だったことも廃村の一因だけど、うまく活用できなかったのも大きかったんじゃないかな。今なら、僕たちの手で新しい形を作れる気がします」
***共同作業の開始***
他のサークルや部活動の協力を得て、廃村の再生作業が本格的に始まった。まずは神社の補修が最優先となり、祐一たちを中心に周辺の清掃や整備作業が進められた。倒れていた鳥居は新しい木材で再建され、荒れていた祠も修繕されていった。
「神社が整うだけで、この場所の雰囲気がずいぶん変わったな」
沢田部長が満足そうに呟くと、他のメンバーも頷いた。祐一はさらに、風水の観点から神社を整備する提案を行った。
「埋炭法という方法を使って地中に炭を埋めて土地のエネルギーを高めることができます。それに、神主さんを招いてお祭りを開くのもいいと思います」
神社での作業は順調に進み、他のサークルやスポーツ関連の部員たちも強力するようになった
「古民家が他にもあるんだったら、それぞれの建物を活用できるようにするのもいいね。」
「他の大学にも知らせて、共同で使える場所にするのはどうだろう?」
「地域交流会みたいなイベントを定期的に開くのも面白そうだよね。」
廃村を再生し、多くの人々が訪れる場所にするという大きなビジョンが次第に形を成していった。オカルト研究会の祐一は、廃村が廃れてしまった原因について考えを巡らせながら、こう述べた。
「この場所が閉鎖的だったことも廃村の一因だけど、うまく活用できなかったのも大きかったんじゃないかな。今なら、僕たちの手で新しい形を作れる気がします。」
***廃村の多用途活用***
古民家のリフォームも進む中、さまざまな部活が廃村を利用するようになった。
***合宿所としての活用***
スポーツ部は田んぼ跡地をトレーニング用のグラウンドとして整備。
山岳部は山道を活用して登山合宿を行い、道標の設置なども行った。
文学部や写真部は、静かな環境を活かして創作や撮影の合宿を実施。
天文部では星の観察場として活用する等、それぞれの合宿や実験場としても活用するようになった。
あるサークルの部員たちは「この場所だったら、色々な実験をしても周りのクレームを気にしないで、出来るから助かるよ」と喜んでいた。
***農業と自然体験***
農業サークルは、共同農園を開設して野菜や果物の栽培を始めた。
また、子どもたち向けの自然体験教室が開催されるなど交流の場ともなった。
天文部は、廃村の広場を星空観察会の会場として使用。
ハイキングコースの整備も進み、自然観察や散策の場として人気を集めた。
料理サークルは廃村で取れる色々な食材を採取したり
古民家で食事会を開くイベントを行った。
***祭りとパワースポット化***
祐一の提案で、神社では風水的なパワーを高めるための埋炭法が実施された。土地の浄化とエネルギーの活性化を図るこの方法により、神社周辺は清々しい空気に包まれるようになった。また、地元の神主を招き、修復した神社でお祭りが行われるイベントなど開いた。
「これで、地域の人々や訪れる学生たちが集まるきっかけになるといいですね」祐一は嬉しそうにそう語った。
祭りは大いに盛り上がり、他大学の学生や周辺の地元の人々との交流が深まるきっかけにもなった。
***憩いの場としての発展***
廃村だった笠智村は、次第に人々が集う場所へと変わって行き、ちょっとした観光スポットに変わって行った。キャンプ場が作られたり、古民家の宿泊施設、大学の交流場、サークル活動など多種多様な活動の場へと発展して行った。
祐一たちは、廃村の再生活動が少しずつ進んでいる事への達成感とともに、
この場所がさらに多くの人々に愛されるようになる未来を夢見ていた。
***つばき壮での日常へ***
廃村の再生活動を終えた祐一は、いつものようにつばき壮の掃除をしていた。
朝の静けさの中、裏庭カフェからは軽やかな話し声やコーヒーカップを置く音が聞こえてくる。祐一は箒を動かしながら、少しだけ足を止め、その賑やかな風景を眺めた。
「賑わってるな…。廃村もこんな風になればいいけど。」
祐一はふとそう呟き、再び掃き掃除に戻る。星空の観察会や神社の修復、祭りの盛り上がり…。廃村での出来事が昨日のことのように思い出される。
その時、カフェからさくらが顔を出し、軽やかに声をかけた。
「祐一君、お疲れさま。廃村のカフェの話、ちょっと進んできたよ。この裏庭みたいに、あっちも人が集まる場所になればいいね。」
祐一は笑いながら答えた。
「そうだね。人が集まれば、そこに物語が生まれるから。」
さくらは微笑みつつ、思い出したように付け加えた。
「今回も風水の力が効いたのかもしれないね。あの神社だって綺麗になったし。」
祐一は少し考え込みながら答えた。
「たしかに風水も効果があったと思う。でも、一番大事だったのは、みんなの気持ちが一つになったことだよ。場所は人が作るものだから。」
さくらは嬉しそうに笑いながら言った。
「私も最近、風水やオカルトがちょっとだけ好きになってきたかも。祐一君の影響かな?」
祐一も照れくさそうに笑って答えた。
「僕も、さくらさんの科学的な視点に影響されてると思うよ。お互い、良い刺激を受け合ってるんじゃないかな。」
2人のやり取りの中、つばき壮の裏庭には穏やかな空気が流れていた。その景色は、祐一にとっての小さな達成感と、新しい挑戦への希望を象徴しているかのようだった。
《一部 完》
ご購読、ありがとうございました。
12月は中々、小説活動のゆとりが無いので、今回で一旦完結になります。




