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オカルト研究部 田中祐一 今日も怪異あり  作者: waku


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オカルト研究会 廃村の調査に行く

 祐一たち、オカルト研究会は、新たなる活動として廃村の調査活動を行なうことになった。廃村になった原因を調査する事で、過疎地対策や改善策を発見することが目的のテーマでもあった。

 祐一たちオカルト研究会は、新たな調査テーマとして「廃村」の調査を選んだ。過疎化が進み、人が住まなくなった村を訪れ、その原因を探るのが目的である。部長の沢田は、この調査を選んだ理由をこう話していた。


「廃村は、かつて人々が暮らしていた場所だ。比較的通行がしやすいし、空き家を借りれば寝泊まりも可能だ。生活環境を整えてじっくり調査ができるし、過疎地対策のヒントが得られるかも知れないからな」


 そうして選ばれたのが、山奥にある「笠智かさち」という廃村だった。

この村は、30年以上前に住民が全員退去し、以降は無人となっている場所だった。


***廃村への道のり***


 研究会のメンバー6人は、2台の車に分乗して笠智村へと向かった。沢田部長と河餅かわもちと吉村は先頭の車に乗り、後ろの車には祐一、一谷、そして紅一点の岡田めぐみが乗っていた。


「けっこう荷物が多いですね。」

祐一が後部座席の荷物を見ながら話す。

「2週間の予定だからね。寝泊まりの道具や食料も含めると、これくらい必要になるわ。」

岡田めぐみが答えた。


途中、カーナビを頼りに進むと、古びた木造の家々が現れた。それが目的地の笠智村だった。廃村といえど、古民家が何軒も残っており、その中の一軒を拠点とすることに決めた。


 吉村が、少し想像していたのとちがっていた印象から

「廃村といっても、道はあるし車で移動で来れるから特別、大変でもない所かもね」と感想を述べる。


***古民家での生活準備***


 到着した古民家は、外観こそ朽ちかけていたが、中は意外にも整っていた。広々とした平屋で複数の部屋があり、井戸やかまども残されている。メンバーたちは早速、荷物を運び込み、生活環境を整え始めた。


「まずは電気がないと不便だ。ポータブル電源とソーラーパネルをセットしよう」

一谷が提案し、祐一も手伝った。玄関にはソーラーライトを設置し、夜間の明かりを確保する。


 岡田めぐみは台所を確認し、竈で炭を使って調理ができることを確認した。また、井戸水を利用して風呂の準備も進める。古民家には五右衛門風呂があり、持参した薪で湯を沸かせば入浴も可能だった。


 メンバー全員で、カセットコンロや鍋、やかん、ポット、食料や水を運び込む。

祐一は台所と風呂場にLEDランプを設置し、各部屋や廊下にも順番にLEDランプを設置して回った。


 「これで夜になっても、一安心だ」とみんなに伝えた。


「不便だけど、キャンプや車中泊よりはだいぶマシだね」河餅が笑顔で話すと、一谷も同意した。

部屋の掃除や機材の持ち運び宿泊の準備を整えていった。


***過疎化の謎***


 夕方、全員、居間に集まり料理を囲んで夕食を取った。

夕食を取りながら、これからの調査計画について話し合いが始まる。


「やっぱり、この村は過疎化が原因で廃村になったんだろうな」沢田部長が切り出した。


河餅が「近くに仕事場もないし、買い物や病院に行くにも不便すぎる。それに、高齢者ばかりの村だったら、限界が来るのも当然だよ」


「でも、それだけじゃないかも」

岡田めぐみが首をかしげながら続けた。

「交通の便が悪いと新しい人が住もうと思わないし閉鎖的な雰囲気だったら、なおさらよ」


一谷も会話に加わる。

「僕だったら、近くにコンビニがないと嫌だな。それに、インターネットが通じないなんて、絶対に無理」

祐一は苦笑しつつ、「確かに便利さがなければ、住み続けるのは厳しいかもね」と応じた。


「でも、どうしてここまで急激に廃れてしまったんだろう?」

吉村の言葉が、調査の本題への糸口となった。


***風水と龍脈の調査***


 翌日、祐一は風水の観点から笠智村を調べることにした。

持参した風水の書籍を片手に村全体を歩き回り、地形や環境を鑑定する。


「地理風水では、この村は気の流れが滞っているみたいだ。土地のエネルギーが弱い土地になっている」

祐一がそう分析すると、沢田部長が興味深そうに聞いた。

「気の流れって、具体的にどういうことだ?」


「風水では、龍脈というエネルギーの通り道が重要なんです。この村の龍脈が、時代とともにずれてしまった可能性があります。他にも気が抜けやすく留まり難い地形です」


 祐一は地図を見せながら説明した。龍脈は地震や開発によって、途切れてしまう事があるため、この村がかつてのエネルギーの恩恵を受けられなくなった可能性も指摘した。


「つまり、自然環境の変化も廃村の原因になり得るということか」沢田部長が頷く。

「でも、それだけじゃなくて、人々の暮らしの変化や意識の問題もあるだろうな」一谷が回りを眺めて感想を述べた。


***夜の静寂***


 周辺の調査を終えたオカルト研究会は夜になると、再び、古民家に戻り食事と風呂に入り、くつろいでいた。夜の闇に村全体が静寂に包まれた。メンバーたちはそれぞれ、今日の調査の感想を述べていた。


 吉村が「何も無い所だから、夜になると、家の外に出られないね。それに、家と家の距離もあるから、コミュニケーションを取るのが難しいかな」と、話す。


 岡田めぐみ「確かに、携帯電話も圏外で繋がらないし、テレビも受診し難いと見える番組も限られそうね」と過疎化の要因を細かく分析する。


 一通り、話し合った後、寝袋に入り部屋で眠りについた。しかし、深夜になって祐一は奇妙な音で目を覚ました。何かが屋根裏で動くような音だった。


「なんだ…風か?」

祐一はそう呟きながら音のする方向を見上げたが、暗闇に包まれ何も見えない。やがて音は止んだが、不気味な違和感だけが残った。


***嵐の夜と車中泊***


 その夜、天候が急変した。空には厚い雲が広がり、やがて大粒の雨が降り始めた。風も次第に強まり、古民家の外壁を叩きつける音が響き渡る。祐一は窓の隙間から雨漏りの一滴が落ちるのを見つけた。


「雨漏りしてる」

祐一が声を上げると、他の部屋からも報告が相次ぐ。

「ここもだ!床が濡れ始めてる。」

「風が入って寒い…!」


メンバーたちは急いでバケツや鍋を持ち出して雨漏りを受け止めようとしたが、古い家屋では全てを防ぎきれない。床も濡れ、強風が建物全体を揺らす中、沢田部長が決断を下した。

「危ない。車に避難しよう。」


メンバーたちは荷物の中から防寒具を取り出し、雨に濡れながら車に飛び込んだ。車内では全員が身を寄せ合い、嵐が過ぎ去るのを待つしかなかった。


***嵐の翌朝***


 夜が明けると、雨は止み、笠智村に静けさが戻った。

車から降りた祐一たちは、古民家の状態を確認し始めた。


「ここは完全に濡れてるな…。床板が傷んでいないといいけど。」

一谷が濡れた床を見ながらつぶやく。


「屋根の一部が壊れてるみたいだ。」

河餅が屋外に回って確認し、瓦がいくつも落ちているのを見つけた。


沢田部長が手袋をつけながら指示を出した。

「みんなで補修作業をしよう。屋根はブルーシートで覆って、床の掃除と乾燥を進めよう。」


***補修作業と議論***


 全員で協力して補修作業に取り組む中、過疎地の問題について自然と話が始まった。祐一が屋根に上りながら言う。

「こんな雨漏りがある家で住み続けるのは無理だよな…。毎回こんな嵐が来たら、住民だって嫌になるだろうね」


一谷は道具を運びながら頷いた。

「設備が整っていないのも大きな問題だよね。老朽化した家屋を修理するのにはお金もかかるし、修理を頼むとしても大変だろうね」


岡田めぐみも井戸の周りで瓦片を集めながら言った。

「インフラが整わないと、若い人が戻ってこないのも当然よね。下水道や水道が通っていないと、現代生活には耐えられないわ」


吉村がブルーシートを屋根に広げながら付け加えた。

「雨風だけじゃなくて、こういう村の環境の厳しさが過疎化の原因の一つなんだろうな。でも、それだけじゃない気もする」


***村の秘密への興味***


 補修作業が一段落すると、祐一がふと思い出したように言った。

「そういえば、昨日の夜中の音…屋根裏に何かがいたよな。雨漏りとは関係なさそうだ。」


一谷も思い出したように答える。

「確かに。外で誰かが歩いてるみたいな音がしたし…。嵐のせいだけでは説明できないかも」


沢田部長が真剣な表情で言った。

「廃村の問題には、インフラや環境だけでなく、もっと深い理由があるのかもしれない。今後の調査で、その点も掘り下げてみよう。」


その日は、メンバー全員で古民家の補修を行って過ぎた。


 また、何か不可解な怪奇現象の可能性も考えられ、カメラの設置を行って調査する事にした。

祐一が、雨漏りしてなかった部屋を寝室として使うことを提案し、二部屋を寝室の部屋に決めた。

また、美紀から貰った霊符を玄関に貼り、魔除けの御香を焚き、浄化スプレーを撒いた。


 もし怪奇現象が生じたのも過疎地の要因だったら、みんな逃げ出すのも仕方ないかもね。と、河餅が半分、冗談交じりに話す。


 岡田めぐみが、「気味の悪いことは、言わないでね。でも、それが原因だったら、対処するのも難しいわ」と、つぶやいた。


 こうして、廃村の調査は、始まったばかりであった。




購読、ありがとうこざいました。今回は久しぶりに研究会の調査活動の話になります。

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