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オカルト研究部 田中祐一 今日も怪異あり  作者: waku


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浄化の後の帰還

 廃村の怪奇現象が治まり、祐一達は安堵していた。助かった事に、

***浄化後 慎重な判断***


 寮の詠唱による浄化が完了した後、祐一たちは小屋でモニターを見続けていた。

カメラが映し出す廃村の様子、静かな村。何の異変も感じられない。ただの廃村に戻ったように見えた。


「様子を見ましょう」橘美紀がモニターを注視しながら言う。


 数時間、監視を続けたが、特別おかしな気配は感じられなかった。


 だが、「このまま廃村に向かうだけの余力が……残ってない」寮が疲れ切った表情で呟いた。


 祐一が、小屋の中を見回す。魔力を使い果たした寮。疲労困憊している橘美紀。消耗しきっている新入部員たち。オカルト研究会のメンバーも同様だった。


 そして、「春香の札も、浄化スプレーも使い切っていた」


 祐一がツールバッグの中を確かめる。


 「浄化スプレーも、エネルギーグッズも全て底をついています」松井が報告する。


「結界の力を失っています」國府田が続けた。

オカルト研究会は、ほとんどのアイテムを使い切っており、もし何か霊的な異変が起きても、対抗措置が残されていなかった。


 「それに……」寮が魔法の書を見つめる。

「古代魔法の書は、半年経たないと使えないんだ」その言葉に、全員が息を呑んだ。


「半年……」祐一が呟いた。「そんなに……」

「強力な魔法だから、一度使うと、書自体が力を回復するまで時間がかかる」寮が説明する。


「それに、今の僕たちも消耗しきっている。このまま廃村に入るのは危険だ」


 橘美紀が頷く。「私も、同意見です。万が一、まだ何か残っていたら……今の私たちでは対処できません」


 祐一は、全員の顔を見回した。疲れ切った表情。消耗した身体。

これ以上、無理をするのは危険だった。

「……仕方ない」祐一が決断する。


 「ここは安全策として、一旦帰還することにします」

その言葉に、全員が安堵の表情を浮かべた。


 寮も頷く。

「今回の取材は、ここまでにしよう。後日、改めて取材する予定にしよう」

「分かりました」國府田が答える。


****帰還準備***


 小屋に設置していた機材を、可能な範囲で回収しモニター、配線、測定器——重要な機材から順に軽バンへ積み込んでいく。


 ただし、廃村に設置したカメラはそのまま残すことにした。

「カメラは遠隔で監視できる。何か異変があれば、すぐに分かる筈だ」祐一が説明する。

「もし、また何か起きたら……」小川が不安そうに尋ねる。


「その時は、また来よう。準備を整えてから」祐一が答える。


 撤収作業は午前中いっぱいかかった。正午過ぎ、一行は小屋を出た。


 祐一の軽バンを先頭に山道を下り、徐々に人里へと近づいていく。

「帰ってきたんだ……」同乗している星川が安堵の表情を浮かべ「普通の世界に」


***オカルト研究会部室への帰還***


車は大学へと向かった。

午後3時過ぎ、オカルト研究会の部室に到着。


 部室のドアを開けると——

「お帰りなさい!」待機していた、メンバーたちが出迎えてくれた。

「良かった、みんな、無事だった」安堵の表情を浮かべる。

「みんな……」祐一が疲れた顔で微笑む。「何とか、完了した」

部室に集まった全メンバーに、祐一は報告を始めた。


 廃村での異変。深夜零時に起きた異空間の発生。古代悪魔の出現。そして、寮の詠唱による浄化——

すべてを、詳細に説明した。

「古代悪魔……そんなものが本当に……」部員たちは驚きの表情を浮かべる。

「残念だが僕たちの霊術はほとんど効かなかった」小川が答える。

「もし、寮さんの魔法の書がなければ……」その先は、誰も口にしなかった。


「とにかく、全員無事で良かったわ」松井が微笑む。

「今日はゆっくり休もう」広末が続ける。


報告を終え、祐一たちは部室を後にし夕方、祐一はつばき壮へと戻った。

玄関のドアを開ける。「ただいま……」

疲れ切った声で呟く。


 さくらが玄関に立っていた。「祐一くん、お帰りなさい合宿は、どうだった?」


「……色々あったよ、でも、何とか終わった」


「そう。お疲れ様、せっかく連休中、誘おうと思っていたのに」とさくらが呟く。


「ごめん、今度の休日だったら大丈夫だけど」

「考えておくね」そう話した後、さくらと別れた後、祐一は自室に入り布団の中に倒れ込んだ。


 とても長い間、出かけていた様に感じられた。

廃村での出来事は、これからもずっと、祐一の記憶に残り続けるだろう。


 窓の外を見ると、穏やかな夕暮れ。普通の、日常の景色。

「終わったんだな……」祐一は深く息をついた。


 そして、疲れ果てた身体を休めるため、静かに目を閉じた。平和な日常が、再び戻ってきた。


***数週間後――再訪***


 数週間が過ぎた。

遠隔カメラによる監視では、廃村に異変は一切見られなかった。ただ静かな廃村のままだった。


「一度、確認に行こう」寮が提案する。「橘美紀も、ある程度回復した。春香や陽菜にも協力してもらえれば調査も可能だ……」


「分かりました」祐一は頷いた。

 晴れた日の午前中。

 選抜されたメンバは、寮、橘美紀、春香、陽菜、

オカルト研究会のメンバーは、祐一、小川、星川、峯川は、再び廃村を訪れた。

 

 装備も万全だった。

 札も、浄化スプレーも補充し、力を回復させた結界石も持参している。


 山道を登り、廃村に到着する。「……静かだ」祐一が呟く。

 

 鳥のさえずり。風の音。木々のざわめき。

 そこには、ただの廃村の風景が広がっていた。一行は慎重に村を巡った。

 拠点だった廃屋。神社の跡地。村の中心部。

 

 だが――何もなかった。「本当に……何もないな」小川が首を傾げ「あれは……夢だったのか?」

 

 峯川が答える「あれは、夢じゃない」

 

 祐一が静かに言った。

「小屋には札の残骸も、浄化スプレーのボトルも残ってた」


寮が続ける「それに……強力な霊的エネルギーの痕跡は、確かに感じられる。ただ、今は危険なものではない」


「つまり、今は安全という事ですか?」星川が尋ねる。

「ええ。少なくとも今はです」橘美紀が頷いた。


 陽菜や春香も周辺を調べたが、特別、不審な物は無かった。

「せっかく、古代悪魔の浄化に来たのに、指導霊のシャミィさんも残念がっているわ」

 春香が続ける「でも、何も無いという事は、良い事ですから」

 

 ***最後の撤収***

 祐一たちは、拠点に残していた最後の物資と機材を回収した。

「もう、監視は必要ないと思う」祐一が話す。


 「今回の取材と調査は、これで終わりだ」寮が答える。


 静かな廃村を一度だけ見渡し、祐一は小さく呟いた。

「……さようなら」軽バンが山道を下り、バックミラーの中で廃村は徐々に遠ざかっていく。


 寮の運転する軽自動車の中で話っていた。

「また、何か起きるでしょうか?」橘美紀が尋ねた。

「分からない。今の所」寮は答えた。

「でも、その時は――私が古代魔法、霊光弾で対処するよ」陽菜が続ける。

「陽菜さん、その時は私もお手伝いします」全員が、静かに頷いた。

 忘れられた廃村の調査は、こうして幕を閉じた。

 

今はただ、平和な日常が戻った。それだけで、十分だった。


 こうして、また平穏な日々に戻ったオカルト研究会は、

地味なオカルト活動を新入生と共に続ける日々に戻った。


 祐一「今日はお経を唱える活動です。ご先祖様への感謝の気持ちを伝え、日々の生活に感謝する為です」


 新入生の一人がうんざりした表情で答える「田中部長、毎日写経とお経と掃除と片付け、お寺の修行みたいです・・・」




 購読、ありがとうございました。

12月シーズンという事で、一旦、ここで終了します。また、機会があれば、再開の予定です。

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