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オンラインゲームでおっさん相手に姫プ満喫していたはずが美少女たちに囲われていた  作者: 最宮みはや【11/20新刊発売】
イベントダンジョン攻略編

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第85話 お疲れ様会します。

 イベントダンジョン攻略後の自由期間も終わって、打鍵音(だけんおん)シンフォニアムの面々でまた集まっていた。もちろんヴァヴァでのオンライン上で。


 とりあえずはイベント前と同じように周回しているのだけれど、どうしても公式からの結果発表が間近なことを考えるとそわそわしてしまう。


「……そういえば、打上げとかしよっか? 結果出たら、お疲れ様会ってことで」


 そのせいか普段ならしないような提案をしてしまった。


『わーっやるやる! やりたーいっ! またオフ会のときみたいにカラオケでやるっ!?』


 すぐにノノが食いついてきたのだが、


「えっ? ……いや、オンラインでやろうかと思ってたけど。ほら、オンライン飲み会とか流行ってるし」


 もともとボイスチャットを頑なにしない三人のせいでオフ会することになっただけで、私はオンライン上のほうが生き生きできるタイプの人間だ。


 オンライン飲み会は、もちろん年齢的に私はまだお酒は飲めないけれど、大学の友達や先輩と何回かしたことがある。


 パソコンの前に居るといつもより何割増しかで気が大きくなる私は、家から出なくてよいという利点もあわせてけっこう気に入っていた。


 打鍵音シンフォニアムのみんなとやっても楽しいと思ったのだけれど――。


『めーっ!? なんでっ、せっかくだしちゃんと集まろうよっ!!』

「オンラインのほうが予定合わせやすいし、集まりやすくない? ヴァヴァしたあとそのままできるし……」

『やだっ!! 絶対オフで集まったほうが楽しいっ!!』


 ――オフ会になるなら、打上げはなしでも……と今更言えそうな流れではないよね?


 ルルとアズキのどちらかがオフ会に難色を示してくれれば、私も乗っかれるのだけれど。


『……わたしも、ボイスチャットはまだ慣れないですし』

「まだ苦手なんだ。こんなに話してるのに」


 ルルはネット弁慶の逆で、リアル弁慶だ。――いや、普通にネットが不慣れな一般人なのかな? というかリアルと言うより二人きりのときは完全に弁慶越えの暴れぶりなんだけどね。


「アズキさんは? ……ほら、オンラインのが気楽だよね?」

『僕は静かな場所のほうがいい』


 よかった。アズキはやっぱり私の味方だ。ゲーマーが積極的に外出したがるなんて間違っている。どちらか選べるなら、パソコンの前がいい。アズキならわかってくれると思っていた。


「そ、そうだよね! カラオケとかお店だとちょっと騒がしくて落ち着けないし」

『ユズの家にまた行きたい』

「えええぇ!? ……私の家? なんで?」


 そりゃ私の家なら、私は家から出なくていいしパソコンの前からもそんなに離れないで済むけど。ノノやルルの家と比べて広いわけじゃないし、四人で集まるのは多少手狭じゃないだろうか。


『ユズの家は、僕の部屋の次に落ち着ける場所だから』

「ええ……まあ、アズキさんは最近よく来てたからね」


 アズキには姫草打鍵工房ひめくさだけんこうぼうでアルバイトをしてもらっていて、お昼ご飯を私の家で一緒に食べることが何度かあった。鈴見総次郎すずみ・そうじろうのこともあったから、申し訳ないけれど家まで送ってもらうこともあって、そのまま家でお茶やお菓子を出すこともある。


『待ってください、ユズさん。ど、どういうことですか? ……アズキさんがユズさんの家によく来ているっていうのは?』

「えっ!? あっ、それはその……」


 しまった。ルルにもノノにも全く言っていなかった。――いや、言う必要があることなのかもわからないんだけど。


「えーっと……その、いろいろあって、ちょっと……アズキさんには、うちのお店でバイトしてもらってて」

『ユズの家で、アズキが働いているの? なんで!?』

『ユズさんと職場でも家でもずっと一緒だったってことですか? ……わたし、聞いてないですよ』


「それはその……えっと……みっ、みんなもうち来る!? 打上げはぱーっとうちの家でやろっか! みんなにはいっぱい助けてもらったからお礼させてもらうかさっ!!」


 ということで、我が家でイベントの打上げを開くことが決まってしまった。


 せっかくならとイベントダンジョン攻略の公式結果発表の日に集まって、十七時の発表をみんなで見ようということになったのだ。


 ――自分の運命が決まる瞬間を、一人で待つのは正直期が気が気じゃなかったし助かったかもしれない。


 ただアズキのバイトについてはきっちりとその日説明する約束もさせれてしまった。


 鈴見総次郎のことも踏まえて、ある程度二人にも話すしかないだろう。


 ――はぁ、憂鬱だ。よく考えたら、アズキのバイト以外にも知られたら面倒になりそうなことが最近多かった気がする。


 しかし当日、そんな私の心配よりもはるかに大きな事件が起きるのだった。

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