不幸な教科書たち
部屋に入ると自分の教科書に黒い墨汁のようなものがかけられていた
これって…もしかしていじめ…?
絶対あの貴族っ子だな
先生に言うか
いや
貴族だと権力でもみ消されるか
もういっそのこと殺すか…
いや、この世界ではもう手を汚したくない
確定でぼこぼこにしてやる方法はないかなー…
それより、これで授業受けんの?
これ絶対怒られるて
中身も真っ黒で内容が全くわからん
どうしよー。
授業開始まであと10分
洗っても染みちゃってるから意味ないし。
とりあえず先生に報告しよーっと。
「先生!私の教科書に墨汁らしきものがかけられていました!どうすればよいでしょうか」
「まぁ!!!!!なんということでしょう!!今日は予備の教科書を使って!」
となった。
これからどう付き合っていけば…
それからはちょくちょく暴言を吐かれたり私物を荒らされたりした
我慢の限界はとうに越えている。
「みなさーん!!今日は魔法の実技に移りまーす!杖を用意してグラウンドに出てくださーい!!」
「「「「「はーい」」」」」
杖…か。
墨汁かけられてから真っ黒いオーラはなってるんだよな
何回も洗ってるのに
もっかい洗うか
そう思って杖を触ると
いきなり黒い煙がでてきて、渦を巻きはじめた
「なんだなんだ!?!?って、手が離せない!!!うわあああああああああああ!!」
すると、その煙のようなものは杖に吸収され、ところどころに赤い宝石のようなものが埋め込まれた
黒い杖が生まれた
なんじゃこりゃ
厨二病感半端ないって
とりあえずグラウンド行くか
「みなさーん!あつまりましたね?では、授業を始めます。
今日は、土魔法を使って、土を浮かしてみましょう!!」
たしか魔法陣と詠唱方法は授業でやったし
浮かせるのってなんだか緊張するな
「えーと、詠唱ってなんていうんだっけ…?適当にやればできるか。おりゃー---!!…???????????」
は?土の竜巻起きたんだけど…。しかも中心にでっかい土に塊飛んでるし…
「「「「ええ…」」」」
みんな唖然としちゃってるじゃん…
「エエエエエエエエエルちゃん!?!?」
「はにゃ?」
先生…ごめん(?)
「チッ!!なんでお前が…。調子乗んなよ!!」
あ!貴族っ子だ
だる
「俺だってそれくらいできるし」
「はあ、そうですか」
「(詠唱)!!!」
貴族っ子は魔法を放った
しかし、浮いたのはギリギリ見える小さい砂一粒だけ。
みんな笑ってる
ざまあみろ!!わははははははははは!!!
「次はわたしだー」
「アズサちゃん頑張って!!」
「うん!」