ダフニ・デュ・モーリエ イギリスゴシック小説作家 論評と小説紹介
☆ ダフネ・デュ・モーリア(1907-1989)
5月13日、ロンドン生まれ。長女。祖父は画家・作家、父は舞台俳優だった。18歳のとき、半年ほどパリに滞在してフランスの小説にひたる。1932年にブラウニング中佐(後に将官に昇進)と結婚。小説家デビュー当時はマンスフィールドやメアリ・ウェッブに影響を受け、以降はオースティンやA.トロロープらを愛読した。生涯のほとんどをコーンウォールのフォイで過ごした。1977年MWAグランド・マスター賞受賞。
彼女の作品はいろいろあるが
まあ
日本で有名なのは まずは
〇「レベッカ」 、、、 でしょうね?
これはヒッチコック監督で映画化されてそれで知っている人が大部分でしょう。
映画であらすじはご存知ですよね?典型的なゴシックロマンスの傑作ですね。
しかしそのほかにも彼女の作品はたくさんある。
で、、レベッカの解説の前に
それ以外の作品を
以下順を追って紹介してみよう。
〇「マイ カズン レイチェル」(従妹レイチェル)
これは運命劇というか、、、、、、、、、
あらすじはこうだ、
早世した父に代わり、わたしを育ててくれた従兄アンブローズは、長く音信不通だったのだが、、
イタリアで急死した、それは不可解な死だった。。わたしは彼の妻レイチェルのもとを尋ねる。
しかし、、レイチェルに逢うが否やその美しさに一目ぼれ、、
ひと段落したら、、求婚しようとさえ思いは募る、、
が?
残された手紙が発見されて、、そこにはレイチェルへの重大な疑惑が、、、
はたしてレイチェルは殺したのか、、、それとも?
もう一つの「レベッカ」と称されるダフネの代表作です。
これも映画化されていますが日本未公開です。
〇「フランス人の入江」 (フレンチメンズクリーク)
あらすじ
1800年代のイギリス、貴族夫人のドナは虚飾の社交界に嫌気がさし、コンウオール海岸の空き別荘に
別居してしまうのだった。その別荘の管理人ウイリアムは実はフランスの海賊一味の仲間で、この別荘を
空き家をいいことにして、根城に使っていたのだった、ドナは海賊の首領ジャン・ブノア・オーブリーに紹介される。刺激に餓えていたドナは、、なんと男装して海賊に加わり荒らしまわるのだった。
そしていつしかドナはオーブリーに恋していた、、さてこれからどうなるのか?それは原作をお読みくださいね。
これはむかーし、映画化されて邦題「情炎の海」として公開されていますよ。
〇ジャマイカ イン
母を失って孤児になったメリイは、たった一人の身寄りの叔母ペェシェンスを頼って、彼女が経営する辺境のホテル「ジャマイカイン」と行くことにした。 しかしやっとたどり着いたそのホテルは荒れ果てていて、、叔母も老け込んでいて、、その夫は怪しげな仲間と酒宴を開いていた。実は彼らはこの辺一帯を荒らしまわっている海賊で、あったという、さてメリーはどうなるのか?
この作品も映画化されていますね。、
邦題「巌窟の野獣」と題して公開、ヒッチコック監督
〇「ハングリー ヒル」
ヴィクトリア朝時代のアイルランドが舞台の大メロドラマ。
対立する二つの旧家と、銅鉱山「ハングリーヒル」の利権をめぐる両家の因縁の争い、
両家の人々の愛憎と確執を壮大に描いた歴史ドラマです。
これも映画化されていますね。
邦題「狂乱の狼火」(1947年)として公開されてますね。
まあざっと以上の作品がダフネの代表作でしょうね。
いずれもゴシック味、横溢のドラマとなっています。
ああそうそう
ヒッチコックの「鳥」という映画の原作もダフネですよ。
映画化作品一覧
レベッカ ヒッチコック監督
マイ カズン レイチェル ヘンリーコスター監督日本未公開
h
フランス人の入江 1944年米映画化(邦題「情炎の海」 ミッチェル・ライゼン監督)。
ジャマイカ イン 邦題「巌窟の野獣」と題して公開、ヒッチコック監督
ハングリー ヒル 邦題「狂乱の狼火」1947年イギリス映画
スケープ ゴート 「犠牲」1959年英映画化(ロバート・ハマー監督アレック・ギネス)
日本未公開
鳥 bird ヒッチコック監督
など映画化された作品も多い。
さて
では
ダフネデュモーリエの代表作である
『レベッカ』を巡って、いくつかの試論をこれから、展開しよう。。
「レベッカ」1940年ヒッチコック監督、が映画化しているのでそちらでご存じでしょうね。
「レベッカ」rebecca は、あの有名な「ジェーン・エア」から影響を受けてデュモーリア女史が書いたゴシックロマンスの傑作である。
ゴシックロマンとは、中世趣味の、古城を舞台にその領主である男と、
ひょんなことからそこへ嫁いできた身寄りのない、美しく清純な娘の
、波乱万丈の恋愛ドラマである。
陰鬱な古城がまたムードを醸して暗い情熱が奏で有られて
いくという空想的なストーリーである。
「レベッカ」はダフネデュモーリエが「ジェーンエア」から触発されて書いた、ゴシックロマンの
味わい深い傑作だ。映画レベッカもこの原作が良いので成功しているといえるだろう。
さてレベッカですが、、原作は読んでいなくても映画版は見た人も多いいでしょうから
ここでは映画版から読み解いてみましょうか?
そもそも、
付き添い家政婦?にすぎない主人公が、
まず、モンテカルロでのマキシムとの運命的な出会いから始まって、
古城「マンダレー」での領主の妻としての召使に囲まれた奥方様としての生活への急変。
まあ現実には?
実際こんなこと。こんな出会いあるはずないですよね?
これがゴシックロマンのまあ、定石ですけどね。
ありえないからこそ面白いというか、
こんなことがあってほしいという憧れの発露でしょうか?
「ジェーンエア」では一介の、家庭教師の女が、領主夫人に収まるのです。
こういうようなゴシックロマンの定石が連綿と
語られていくわけですね。
現実にはあり得ないような
出会いとか、偶然のいたずらというか、、そこからとんでもない展開になるというのはゴシックロマンの定石ですからね。
まあたしかに、ありふれた筋で。ありふれた結末では読んでいてもちっとも面白くないですものね?
私はこうしたゴシック風な筋立て好きですね。
さてマンダレーのお屋敷に新婦として招かれた「わたし」(ジョーン・フォンテン}」は
10数人の使用人に紹介されて
早速、屋敷を取り仕切るダンバース夫人の冷たい洗礼を受ける。
マンダレー屋敷は
死んだ前妻。レベッカの残光に満ちていたのだ、
「わたし」は,次第にレベッカの残像?に追い詰められて
自殺寸前まで、、落ち込むのだった。
で?この後
レベッカの正体が暴露されて
その死の真相も暴露されるのだが
まあそれは見てのお楽しみ?_
ということでネタバラは
しないでおきましょうか。
レベッカの原作本は新潮文庫にありますので、お読みくだされば結末がわかるでしょう
映画レベッカは
懐かしの名作映画DVDなどにありますのでそちらでどうぞ、
レベッカ以外の作品は、、さがすのが難しいでしょうね
たしか
「ダフネデュモーリエ全集」があるのでそこにあるのですが
この全集は絶版ですからね。
映画も「レベッカ」以外は、、ちょっと探すのが困難でしょうね?