表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/44

巨大 教団のロボット!

私は混乱した。目の前で私に助けを求めている少女はさっきまで御堂と戦っていたからだ。

彼女はおそらく正義の味方ではない。

だが助けを求める少女を見殺しにしていいいのか?

そもそも彼女は怪人ではないのか?

洗脳されているなどの可能性は考えられないのだろうか?


私の頭の中で色んな考えが回っている。


考えがまとまらない。


私がそんなふうに考えていると、私の視界の端から御堂が歩いてくる。


「お前はか弱い少女なのか?」


「そうよ…。助けて…。」


少女はか細い声で御堂に助けを求めた。それを聞いた御堂は少女に駆け寄った。


「すまなかった。大丈夫か?」


「ありがとう…ありがとう…これで。」


なにかを話そうとした少女に向かってエネルギー弾が飛んできた。

御堂は少女を抱きかかえて飛び上がり、それを回避した。


「何だ⁈」


エネルギー弾が飛んできた方向を向くとそこにはでかい人型のロボットが立っていた。


「なにあれ。」


「なんだあれ。」


私と御堂はほぼ同じ反応をした。


「あれは多次元教団のロボよ。」


少女は何か知っているようで、御堂にお姫様抱っこされた状態から降りて、ロボに歩いて行く。


「おい危ないぞ!」


「大丈夫、だってこれは私が逃げるためのロボだもの!」


少女がそう言ったとたんロボの手から私たちに向かってエネルギー弾が放たれた。


「危ない!」


御堂はそう叫び、いつの間にか手に持っていたサーベルをエネルギー弾に向かって投げつけた。

私に向かって飛んできていたエネルギー弾はそのサーベルに当たり空中で爆散した。


だが、御堂に向かって飛んできたものはそのまま御堂に直撃した。


「ぐわぁーっ!」


御堂は吹き飛ばされ数メートル先の地面に転がった。

だがその体や服には傷一つついていなかった。


固くない?


平然と御堂は立ち上がった。


「ロボットか。」


何で平気なんだよ。


「悪いが帰らせてもらう。」


「なぜだ。」


帰ってもらえよ。


「このまま戦っても勝てないからな!」


勝ち誇って言うなよクモ女。


「「待て!」」


コンクリートの部屋の中からフェンリルと賢者が出てきて叫んだ。

賢者は空中に魔法陣を展開して魔法を放ち、フェンリルは口から火球を吐いた。

ロボはエネルギー弾でそれを防ぎロボの周りが煙に包まれた。


「とうっ!」


御堂はロボのに乗っているクモ女に向かって飛び上がった。

煙で見えないのにわかるんだ…。


「ライジングキ―ック!」


おそらく蹴りを入れようとしたのだと思われる声の後に金属音が数回なり、

御堂が飛んできた。


「おのれダイダーク!」


仲間を助けるために戻ってきたのか。


煙がはれたときにはロボの姿はなくなっていた。


「逃げられたか。」


結局どういうことなんだよ。


「状況を説明してくれません?」


「ちょっと場所を変えよう。」


御堂は島の中のほうへ歩いて行った。


ついさっきまで海の方しか見ていなかった私は陸のほうを全く見ていなかったし、

ちょっと前に監視魔法で見た時は夜で海岸の周りしか見えなかった。

だからこの島に大きな建物が立っていることに気がつかなかった。


「でっか…。」


「そこの君たちもついてきてよ。」


フェンリルと賢者のことか。


「何か質問とかある?」


御堂の問いかけに賢者が答える。


「クラアジーナがどうしたのか教えてほしいです。」


誰?


「えっと、もしかして大けがをしていた子かな?」


「そうです!」


そういえばこいつらの名前聞いてなかったな。


「今からその子の所に行くところだよ。」


「そうですか。」


私たちは建物に入ってすぐの階段を降りた先の部屋に入った。

もういくつか下に階があるらしい。

部屋にはたくさんのベッドがあり、端の一つがカーテンで隠れている。

きっとあそこにいるのだろう。


「ここって何階ぐらいあるんですか?」


それわたしもちょっと気になってた。


「上に15階で下に5階だよ。結構広いでしょ。」


結構広いな。


「それで、クラアジーナは…。」


賢者が質問をする。


御堂はカーテンに指を指した。


「そこのベッドにいるよ。ただ…」


御堂の言葉の続きを聞かずに賢者とフェンリルはベッドに駆けだしていた。


「ちょっとまって!」


二人は制止の言葉も聞かずにカーテンを開けた。


「「クラアジーナ!」」


「へっ? 賢者様とアナハッチ様?」


そこにはスライムがいた。そしてベッドの上に人の姿になったドラゴンがいた。


そしてドラゴンの右腕は存在していなかった。


頭の整理が追い付かねえ。特に名前。

えっと?

さっきまで私がフェンリルって心の中で呼んでた銀髪で黄色い目の少女の名前がアナハッチで、

赤い髪で赤い目のドラゴンの腕がない少女がクラアジーナ、

それでこの髪がまだ青い液体なスライムの名前は?


そもそもこいつは何でここにいるんだっけ?

私が送り込んだからか。


「やっぱ君たち知り合い?」


「はい。」


「そうなの? アラーリアちゃん。」


「そうだよー。」


スライムの名前はアラーリアというのか。


御堂とアラーリアは仲がいいんだな。


「そういえばあんたらも不思議な力がつかえるんだな。」


その話になりますか。これは色々と説明しないといけないことがありそうだ。


私は真剣に御堂に話しかけた。


「お互いに説明しないといけないことがあるようです。」

この話を書いている間にブックマークが1件増えました。

ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ