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女神の見る奇怪な世界

 私の名前はサウリー。回復の魔法を使って神にまでなったかなりすごい元人間。それなのに魔法は使えなくなるわ、転移してきたら周りが覚醒するわ、なんか車使うわ、ただの人間がやたら強いわ、私の活躍全くなし!

 だがそれもここまでだ。私の持っている魔法が使えるようになった。病気だって、怪我だって、故障だって直せる。でもこの場にけがとかしてるやついないよな。


 私は怪我や病気を見抜くことができる魔法で周りを見渡す。部屋で戦闘を避けてこの場を脱出しようと考えている六人はいたって健康体だ。正直午前中に御堂が戦ってた時に苦戦してなかったし、大丈夫だと思うけどな。

 六人?アラに椿に佐井に太郎に万条に四条。アナと御堂も外に行ったのか。危険……でもないよな……。


 外を見ると、とんでもなく大きな怪我を抱えている奴を見つけた。


「って御堂じゃん! あんな強かったのに」


 思わず口に出てしまった。治すべきかなあどうせ勝てそうだしなあ。治すか。

 私は両手を御堂の方へ突き出して力を込めた。傷の反応がなくなっていき、消えた。


「傷は治っているはずです。本気で戦ってください!」


 御堂に声を掛けた。これでもう全部何とかなるんじゃないか?


「分かった」


 そう言うと御堂は時折水柱が上がる海の方へ向いたまま、両手を腰の前で交差させた。下半身が人でないものへと変化する。そして右腕を左に伸ばしてからゆっくりと体の正面に持ってきて、右手が肘を曲げて天を差した。


「変……身」


 その言葉と同時に御堂の姿は馬の姿を模した鎧を着たような怪人に変化した。


「かっこよすぎる……!」


 外にいる百合が呟いた。身内贔屓か?まあ全身に蹄鉄や太陽の意匠があるようなのはいい見た目だと思うが。


「行くか」


 そう言って跳んだ御堂はそのまま遠くの海中まで行ってしまった。


「あの人……泳げないんじゃなかった?」


「そうですね。助けに行ってきます」


 そう私のつぶやきに反応した百合が魔法陣を展開し、変身して飛んで行った。滑空以外もできるんだ……。


「うえー」


 海の中からミライドロンがこちらへ吹き飛んでくる。それから庇うべく北山が私や建物の前に立ったが、ミライドロンは人型に変形しながら私達を躱して海上に着地した。


「危険物の取扱いには気を付けろ」


 そう言って海中から飛び出してきたダイダークがミライドロンと押し合う。


「失敗させたのはそっちだろ!」


 ミライドロンの体からは警告音が鳴り始めた。


「こっちだよ!」


 押し合っているダイダークに赤い姿に変身したアナがドロップキックを放ち、吹き飛ばした。


「くっ。人数差が不利だ」


 ダイダークが呟いて左手を振り上げた。それと同じタイミングでダイダークの周りの空間が破かれ、十数体の植物怪人が出現した。不利って文句垂れるならせめて同じ数にしろよ。


「しまった。出しすぎた」


「じゃあ帰らせてくれない? そいつら」


 北山がごもっともな文句を言う。


「その必要はない」


 御堂が空から落下してきた。次いで百合も降りてくる。この着地のために娘に空高くまで連れていってもらったのか?だとしたらその結論に達するまでのやり取りが気になるんだが。


「五対十五くらいか」


 一人で三体くらい倒せば行けそうだな。私は頭数に入ってないんで建物に逃げ込むけど。


 建物に逃げ込む私は四条とすれ違った。あーはいはい変身ね。


「私も数に入れてもらおう。変身」


 そう言った四条は空中に小さなボトルのようなものを放り投げた。それは海中から飛び出した何かがキャッチして、四条の元へ落下した。そこで初めて飛んできたものがトビウオの機械だと分かった。直後、それは四条の体に巻き付くように変形し、光をはなった。光が収まるとそこには青い戦士がいた。


 六人は十五体の相手に向かって走り出した。

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