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謎の組織 多次元教団!

目が覚めた私は布団の上にいた。

起き上がり周りを見回すと、

やたら広いコンクリートの部屋に数人分の布団が敷かれていて、

そこでフェンリルと賢者が眠っている。

誰かに助けられたらしい。

スライムとドラゴンはどこへいったんだ?


「まさかあのよくわからない爆発で…。」


「ほかの二人のの子は生きている。一人は無事とはいいがたいが」


いつの間にか部屋に入ってきていた御堂が答えた。

助けてくれたってことか。

無事にしては深刻な表情をしているが。


「医務室に運んで手当をしたけど腕が…その…見つけた時には…。」


言葉にするべきではない程ということか。

私の力で何とかできないか?

体の欠損だと私の力の都合で治すことが難しいが……。


「詳しく言わない方がいいような状態だ」


「そうですか。」


「1つ質問があるんですけど。」


「はい。」


御堂は不安そうな顔をして私に質問を投げかけた。


「他に海で溺れたひとはいませんか?」


「いませんよ。」


「よかった。」


こいつは人命を大切にするやつなんだな。

仲良くできる気がしてきたが、いまはそれを考えている場合ではない。


「どら、その子は大丈夫ですか?」


「止血はしてあるから大丈夫。今は寝ていますよ。」


「よかった。」


死者が出ていないことに私は安堵した。だが容態が気になる。


「ちょっとその子の様子をみさせ…」


私の言葉は突然鳴った轟音によってかき消される。


「また来たのか。ちょっと待っていてくれ。」


御堂は部屋の外に走っていった。


どういうことだ?

追いかけるべきだろうか。

最悪魔法で何とかなると思うし追いかけるか。


「おのれ多次元教団!」


多次元教団ってもうすでに上陸して人襲ってんのか。


私はドアを開けて外に出る。


そこでは御堂が旗を持って人型ロボットと戦っていた。


情報量多くない?


「フレイムフラッグクラッシュ!」


御堂がそう叫び、旗を真上に投げてロボットを蹴りその直後飛び上がった。

ロボットの全身に火花と電流が走る。

御堂は空中で旗をキャッチしてロボットをたたき切ってしまうと、

それは爆散した。

そして私に気が付いた御堂は、


「危ないから隠れいろ!」


と叫んだ。


ものすっごく説明がほしいんですけど。


「どういうこと?」


「片付いたら話す!」


大丈夫ですかそれ、死ぬ奴ですよ。


「はい。」


私は部屋の中に戻った。


戻っちゃったよ。気になることがあったのに。


「どうかしたんですか?」


部屋の賢者とフェンリルは起きていた。

外の爆発音とか聞こえなかったのか?


「わかりません。とりあえず部屋の中にいましょう。」


「はい。」


外ではいったい何が行われているんだ?

ドアに耳をつけて聞いてみよう。


「ライジングキック!」


「グワーッ!」


めっちゃ気になるんですけど。

やっぱり見てみるか?


そう考えた直後、すさまじい爆発音がした。


「きゃあ!」


フェンリルが叫び声を上げた。

こいつ一応神話生物の名を冠する種族的なあれだよな?

あれか?グレイプニールでも持っててたんか?

いやこいつ名前を冠してるだけの狼か。


少し考えていると壁を突き破って御堂が飛んできた。


「ぐっ。」


壁に空いた穴からさっき見たものとは別の人型ロボットが歩いてきた。

ロボットは全身が黒く、両手に巨大な爪がついていて、腰のマントが特徴的だ。


「ここが貴様の墓場となるのだ。異界の戦士よ。」


御堂は立ち上がってロボットに向き合った。


「俺にはきちんと御堂雄司って名前があるんだからそう呼んでくれよ。」


御堂が若干冗談交じりに言い返すと、ロボットも言い返す。


「遺言はそれでいいか?」


「自己紹介したんだからお前も名前教えろよな。」


「俺の名はダイダーク。多次元教団最新の戦士にしてお前を倒すものだ。」


死に黒いって中二病がつけたみたいな名前だな。

呼びにくそうだし。


「ところで、なぜ戦いの場に女子供がいる?」


わたしらのことだな。


「あんたが突き破ったんだろ。」


「ここは戦士の寝床ではないのか?」


「そーだけど。」


そーだったの⁈


「だがこいつらは戦士ではない。なぜここにいるのだ。」


「それはいま議論するべきことか?」


そう言って議論を終わらせた御堂はダイダークを蹴り飛ばし、

そのまま外へ出て行った。


「こっちで戦え!」


「いいだろう。」


見に行こう。


「レクエブレード!」


御堂がそう叫ぶと御堂の手元に細身で白銀のサーベルが出現した。

昭和の特撮ヒーローの武器が出てくる時の出方で。

光のフレームが出てきて、その直後に武器が出てくる奴としか形容のできないあれ。


「いくぞ!」


御堂はサーベルをダイダークに振りかざす。

ダイダークはその斬撃を左手の爪で受け止め、右手の爪で御堂を切りつける。

御堂はその攻撃を後ろに飛びのいて回避した。


「なかなかやるな、御堂よ。だがこれはどうだ!」


ダイダークはそう言って両手から電撃を放った。


少年漫画かよ。


御堂は電撃をはじいた。はじかれた電撃はダイダークにあたった。


「うぐっ。」


「とどめだっ!」


御堂が飛び上がり、ダイダークに蹴りを入れようとしたその時、

何者かが御堂にもの凄い速度で攻撃をし、叩き落した。


「何だ⁈」


「戦士の戦いを邪魔するとは!」


その正体不明の何者かは動きを止めた。


「もし私が助けていなかったら貴方は死んでいた。」


それは黒い蜘蛛の怪人だった。


「戦いの中で死ねるなら本望!」


「我々の中でかなり強い貴方に死なれると迷惑。」


どう考えても蜘蛛の方がつよそうなんだが。


「迎えが来ている。帰らなければ。」


「こいつは返してくれる気はなさそうだ。俺は戦う。」


御堂はいまにもとびかかかりそうな鋭い眼光で二人のことを見ている。


「私が時間を稼ぐ。」


怪人がそう言うと二人の背後の空間が歪み、裂けた。


「何だ⁈」


怪人は裂けた空間にダイダークを押し込んで御堂の方を向いた。


「来い。」


「待って。お前はなぜ彼を逃がしたんだ?」


「あいつが死ぬと損失が大きい。」


「それだけか?」


「それだけって?」


「仲間への情とかじゃないんだな。」


何確認してるんだこいつ。


「情があるわけないじゃないか。機械などに」


「あんまし好めないタイプだな。」


何言ってんだこいつ。敵だろ。


「好まなくて結構。」


「正々堂々とした戦いは好みか?」


「そっちの方がいいならいいよ。そこのお前、開始の合図をかけろ。」


蜘蛛怪人は私に指を指した。


私が⁈

拒否したらどうなるだろうか。

殺されるだろうな。


「えっとスタート!」


私が叫んだ直後、蜘蛛怪人は私の視界から消えた。

正確には見えないほどの速度で動き始めたのだろうが。

私が彼女のやっていることの結論に達した瞬間、

怪人が吹き飛ばされ、少し遅れて衝撃音と叫び声が私の耳に入ってきた。


「うわーっ!」


御堂はほとんど動かずに優勢だが、私たちが襲われたらどうなるか……。

そう考えたのも束の間、怪人の姿は幼げな少女の姿に変化した。


「助けてっ!」


少女は泣きながら私に訴えかけてきた。

辛口でも感想をもらえると作者は喜びます。たぶん画面の前ではしゃぎます。

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