表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/10

主催者ではなく私個人として

えー、今回語るのは、企画主催者としてじゃなく、遥彼方、私個人の思想です。


今ここに文章を書いているのは、自宅。向き合っているのはパソコン。いるのは自分だけ。

見えているのは、パソコンの画面に羅列された、文字です。


なろうの投稿作品、活動報告はSNSです。

SNSとは、文字だけ(時に画像)のやり取りで行われます。


相手の顔は見えません。表情も、息遣いも、体温も、気配もありません。ただ画面があるだけ。


でもね。


画面の向こう側にいるのは、人間。

打ち込まれていく文字たちは、あなたと、画面の向こう側にいる人たちが打っています。

人ではなく、人たち。複数の人間なのです。


そんなの分かっている? 気をつけている?


そうかもしれない。


でも、ふっと気を抜くと。

気をつけているつもりでも。

分かっているつもりでも。


相手が自分と同じ、感情を持ち、息をしている人間だということを、忘れた発言が出る。

忘れていなくても、『伝わるだろう』『分かるだろう』という傲慢さが顔を出す。


SNSが現実よりも厄介なのは、『見えない』ことだと私は思う。

現実ならば見えるものが、見えないのだ。


言葉は薬にも、凶器にもなる。

言葉の凶器を振るったとしよう。


それは、相手のどこを抉った? どこを刺した? どこを撃った? どこを殴った?

そもそも自分は何の凶器を振るった? 拳か? ナイフか? 銃か? 毒ガスか?

相手のダメージは? 血は出たか? 肉を絶ったか? 骨を折ったか? 全身を押しつぶしたか?

振るった凶器が当たったのは、一人か? 二人か? 十人か? 百人か?


全てが視認できない。


現実では、初対面でいきなり殴れば、通り魔。

知らなくても知っている人間でも、刺せば傷害事件。


だがSNSでは血も見えないし、肉を絶つ感触もしない。周りに何人いるのかも分からない。


画面の向こう。

相手から書き込みがなければ、相手の流した血が見えない。傷が見えない。

書き込みがあって傷が見えても、どれだけ深いのか、見えない。


最悪、書き込めないほど致命傷なのかもしれない。

ナイフを持っていたつもりで、実は散弾銃。刺したつもりが乱射していて、テロなみに何十人、何百人を死傷させているかもしれない。


分からない。だって、見えないんだから。


私はそれが、なによりも恐ろしい。


逆に言葉は薬にもなります。


優しい言葉は、相手を癒したかもしれない。

楽しい言葉は、相手を明るくしたかもしれない。

柔らかい言葉は、相手を和ませたかもしれない。

褒め言葉は、相手にやる気を出させたかもしれない。

愛の溢れる言葉は、相手を救ったかもしれない。


薬だって効果は見えないけれど。

私はこっちの方がいい。


文字だけの世界って現実よりも難しいです。


SNSは一見、閉じた世界のように思えます。

だって自分の家や部屋で、自分一人だけで画面に向かっているんですもの。

画面の向こう側から反応してくれる人だって、お気に入りさんなどの一部だけ。


だけどSNSは世界中に繋がっています。

現実では目の前にいる人にだけ耳打ちできますが、SNSに書き込めば世界中に発信されます。


PVの出ない活動報告なんて、いつ誰が、どのくらいの人が見ているかなんて見えないのです。

コメントという反応をしている人だけが、見ている人だとは限らないのですから。


画面の向こう側にいるのは人間で。

一人かもしれないし、十人かもしれないし、場合によっては百人、千人、万かもしれない。


それを忘れないで、楽しくSNSを活用してくださいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ