表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/169

狩り人80

背嚢からカンテラを外す。

鉄のフレームで覆われた四角い箱型。

風の影響を阻害する為に三方は鉄板となっており、一面のみが鉄の格子となっている。

前面のみが照らされる仕組みなのだ。

無論、ガラスなどが用いられる事などない。

格子板を開き、カンテラ内の芯へ火口箱の火種より火を。

燃料は可燃性油を含んだガソラ樹液である。

此方はカンテラの燃料入れ部分に補充されているが、それとは別に鉄瓶へと入れた予備もある。

これは雪山にて採取した品で自分用に取り分けておいた品である。

カンテラ内部は光を反射する様に工夫されており、照らされる方向は意外と明るい。

そのカンテラを持ち簡易ピッケルと腰の剣のみを携えて移動。

残りの荷物は、此処へ置いて行く事に。

状況も解らぬのに重い荷物を携えて移動するのは無謀と判断したのである。

移動に対しダリルは、自分の腰とカリンの腰とをロープにて繋ぐ。

十分なゆとりを持たせてはいるが、万が一での命綱となるであろう。

洞窟の奥へと挑む。

暫くは入り口と同様の広さが続く。

やや下方へと下る感じか。

途中で水が壁より湧き出している。

壁を伝い地を流れる水は、足元を滑り易くし非常に危ない。

慎重に移動を。

途中で分岐が何ヶ所か。

行き止まりとなり引き返す事も。

穴がポッカリと空いている場所などもあり、なかなかに危険である。

少し開けた場所にて石筍が。

百枚田とでも言える場所も。

どうやら途中にて鍾乳洞と繋がったらしい。

水に濡れた鍾乳石がテラテラとカンテラの灯りを反射し、幻想たる景色を映し出す。

取り敢えずは狭い場所は存在せず、ダリルが屈んで歩まねばならぬ箇所が問題となった位であった。

途中から景色を愛でながらも進む。

ある地点に差し掛かると、前方がボワァッと明るく。

何事かと警戒しながら近寄ると、壁面に生える苔が発光を。

「こ、これは…

 話に聞いた事がある光苔なのか?」

本来の光苔とは己で発光する訳では無く、光をレンズ状の部分にて反射増幅し光っている様にみせるのだとか。

だがダリル達が生きる世界の光苔は晶石成分を使い苔の生態上の絡繰りにて発光している。

故に完全な暗闇であろうと発光するのだとか。

ただ光苔も非常に珍しい植物である。

何処にでも生えると言う植物では無く、適した環境下でのみ生息するのだとか。

そんな光苔に導かれるか如く歩む2人。

やがて唐突に終点へと。

「うわぁ~

 凄いやぁ~」

カリンが感嘆の声を上げる。

人が1人通れる幅と高さの洞窟を抜けると、唐突に広い空間へと。

野球場がスッポリと入る広さと言えば良かろうか?

天井の一部は崩落しており、そこから外の光が入り込んでいる。

その光と光苔の光にて、洞窟内は明るい。

そして洞窟内の壁面より水が流れ出し滝へと。

その水は洞窟内へ川を作り出し、その川は少々蛇行しながら反対側の壁面へと。

そこには穴が空いており、その水洞窟へと流れ出していた。

川の途中にて水が澱み泉が。

そして外から種が入り込んだのか、小さな林が存在し草花が咲いていた。

ダリル達が入って来た場所意外にも洞窟は存在。

調べてみたが、全てが行き止まりであった。

ただ…

「此処は宝の山だな」

そんな呟きを。

「プラティオン鉱石が見付かったの?」

ダリルの呟きに反応した花梨が尋ねる。

「いや…

 此処の穴へ生える茸は薬効成分を含む薬効茸だな。

 彼方にの穴には薬効苔。

 高級キノコのポルチーニ茸と宴舞茸など…

 林にも特薬草や解毒成分を含む草花がな。

 しかもだ。

 此処には岩塩が存在する。

 しかもブルー、レッド、グリーン、イエロー、パープルの通常とは異なるな。

 これらは力を含んだ晶石が岩塩へ取り込まれ溶け出したとの言う伝えがあるそうだ。

 過去に存在したとの伝承はあるが、本物が見付かったと言う話は聞かぬな。

 洞窟の途中途中には各種の鉱石層も存在した様だし…

 こりゃ、一財産どころじゃないぞ」

ダリルの説明を聞き、カリンはポッカァ~ンっと惚ける。

余りの事態に、どう反応して良いのか分からないといったところか。

ダリルは暫し思案を。

干し肉などは岩塩に漬け込めば、少々では傷むまい。

鳥などは現れているが、動物の姿は無い。

此処に荷を隠し、洞窟で採取できるサンプルを得て持ち帰る方が良いと。

さすれば、発見者として利益の何割かを得る権利が与えられるであろう。

この様な場所の採掘開発には多大な労力が必要であり、費えもデカいものだ。

しかも個人が隠していた事がバレると罰せられもしよう。

そう言う意味からも、此処で見付けた事は告げねばならない。

目先の利益に欲が眩み誤ってはならぬのだ。

(これが村の領内であればな)

そうなれば、引き返してでも村長へ告げたであろう。

この山付近は何処の領内でも無かった筈。

この様に管轄地として割り振られていない場所は多々あるが、管理する労力を払う値が無いと思われる場所は管理地となって無いのだ。

とは言え、他領を跨いで所領を主張する事は出来ぬ。

故にダリルの故郷カーラム村が得る事は出来まい。

まぁダリル所有となる事は無いが、成る可く良い配分を得たいものである。

そんな思案を纏めていると…

「うわっ!」

カリンの悲鳴が!?

「どうしたぁっ!」

慌てるダリル。

すると…

「落ちちゃったぁ~」

情け無い声で告げるカリン。

林を調べていて苔にて滑ったとみえる。

泥濘へと嵌まり込み、泥だらけになっていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ