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Eden ~黄昏の神話~  作者: Akuro
第一章 Return world
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The last of Paradise

ネットワークが急速に成長していくこの時代。あるネットワークコミュニティ型RPGアクションゲームがブームを起こしていた。


ゲーム名:The last of Paradise//R.W.2th.//


最後の楽園、通称エデン。

このゲームは幅広い年層に繋がっている。十代から五十代。更に、最近では孫や息子から進められたと言う六十代、七十代の人達もやっている。

ゲームの内容は至ってシンプルだ。勝って勝って勝って勝ちまくり強くなる。そこに規定はない。レベルは無限に上がり続ける。しかし、それだけで幅広い年層にウケるわけがない。そこに、あるコミュニティサイトが目をつけた。

Pixie(ピクシー)と言うコミュニティサイトである。このサイトは、顔の知らない相手と色々なミニゲームやチャット、メールのやり取りが出来ると言うサイトだ。そのサイトは、他にも好きな趣味や悩みなどを相談出来るギルドと言うモノがある。これは、誰かが主となりそのことについてチャットしたりメールをして相談や受け答え、話の合う人を探すなどをすることが出来る。

今では珍しくもないサイトではあるが、ネットワークが多くの人に知られることとなった時期からこのサイトは存在していた。歴史は古いと言うわけだ。そして、携帯、パソコンなどの電子機器からアクセスすることが可能であることから直ぐ全世界に広まった。

今の携帯、パソコンは翻訳機能もしっかりしていてチャット、電話での会話もその設定した言葉に直してくれる。気軽に言葉が通じない外国の人間とも喋ることが出来る。

そんな、ツールすらも無料で配信するようなコミュニティサイトの要が注目したネットゲーム、それがエデンだった。

エデンに、注目したPixieの運営者の考えがわかる者などいないだろう。

あんな、勝てば良い、敗者はクズだと罵られる様な秩序もないようなゲームに注目したPixie運営者の考えなど。

しかし、Pixieとのコラボのおかげで幅広い年層のユーザーが増えたことで皮肉にもエデンの持ち味であったフィールド、タウンなどでの殺戮行為は禁止となった。


このゲームは元々対人ゲームであった為、モンスターなどのステータスなどにはまったく力はいれていなかった。

システムとしてはリアルに近いグラフィック、戦闘システム、ボイスが売りではあったが、コラボの要求は、根本的な対人殺戮ゲームと言う場所を真っ白に塗りたぐった。

問題がなかったわけではない。仮想ゲーム世界を直で見ることが出来るヘッドギア「virtual life」をネットゲームで初めて採用した事で残虐性の問題が上げられて騒がれた事もないわけではなかった。

それでも、今までのユーザーの為にとエデンの運営者はアリーナ殺戮闘技場を設けた。


これは観戦可能な闘技場で、時間指定をうけた場所でアリーナを展開し戦い合えると言うものだった。優しい感じで包んだシステムではあるが、結局は見せ物の戦いになる。当時のゲームをプレイしていた人達はそう思うだろう。このアリーナにも色々イベントが追加され、その時期にあった公式殺戮杯が行われた。それをPixieでは、サイトやネットで生中継を流す。それを閲覧すればどこかから広告料がPixieに入る。ネットマネー(ネット通貨)と言うモノも増え、今ではネットで買い物する者の方が多くリアルで買い物する比率は半々とまでなっている。

今やPixie、エデン共に金銭面的には中々の大手に成長していた。

エデンを作り上げているtreasure hunt社からして見ればイメージ回復も必要と言う事もあり、この合併吸収は願っての事だったのかもしれない。


そして作り替えられたエデン。


そこに、俺はいた。


作り替えられたエデンは、今までのエデンとはまったく異なっていて和むアバターが行き交っている。

今までは三種類しかなかったジョブ(職業)が五種類まで増えた。いや、最近に一種類増えた為に六種類か。

そして、エディットを細かくすることで個性を出すことが出来る様になり、更に今までは人型しかいなかったのに対して、種族と言うシステムも増えた。

ヒューマン(人間)、オーガ(鬼人)、エルフ、ドワーフ、メタリカ(人間型ロボット)、牙尾獣(獣人)。

この6つだ。ジョブと種族を同じ数にしたことには意味があり、それぞれステータスの成長が違うと言うものだ。

単純に腕だけで競うゲームは、育成性も加えられたゲームへと成長していた。

そして、Pixie内にあるギルド機能をそのまま移したエデンでは、パーティープレイが普通となりアバター操作も楽となった。


合併吸収の為にと改善されたのは一年前。

それ以前のユーザーだった俺は、エデンの有り様に落胆し再度ログインすることはなかった。それだけじゃない。ゲーム改善の実装により今までのユーザーのアバターは削除。確かにゲームと言えば聞こえはよくないかもしれないが、あの時友と一緒に過ごした時間、共に過ごした自分の半身の有無を言わせぬ削除。

怒りを覚えないわけがなかった。


じゃぁ、なぜ俺がエデンにいるのか。


それは、時間を遡って昨日の事に至る。

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