表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴァンパイア・かうんせらー‼ ~吸血鬼があなたのお悩み解決します~  作者: ふっしー
相談者:スノーマンの氷島ヒロ大先生 『鍋料理を食べてみたいものです』
PR
13/26

『ありがた迷惑』の”ありがた”って、ありがたくないのだから迷惑だけでいいと思う。

 ――後日。


「ちわー、宅配便でーす」

「はーい……。……って、あれ!? スーホさん!?」


 宅配便を持って玄関に立っていたのは、以前客としてきていた馬頭鬼のスーホだった。


「どうしてスーホさんが!?」

「九緒夢さん、実はあっし、あの後郵便配達員の面接を受けたんですよ。結果は一発合格。一昨日から配達員として仕事を始めているんですよ」

「へぇ、そうなんだ! 制服、似合ってるよ?」

「えへへ、本当ですか!? 嬉しいですね! おっと、こんなこと話してる時間はないんだった! 早速ですがハンコ、お願いできやすか?」

「はい!」

「ありがとうございやす! それではあっしは次の配達がありやすのでこの辺で失礼致しやす。白夢さんにもよろしくお伝えください!」

「うん! 頑張ってね!! スーホさん!!」


 スーホの姿を見送ると、白夢が部屋に出てきた。


「宅配便?」

「うん。配達員はスーホさんだったよ! ハクによろしくって!」

「そうなんだ。それで誰からの宅配物?」

「う~んとね。あっ、スノーマンのヒロさんからだよ! きっと報酬だね!」

「報酬にそんなに大きい箱がいるのかな……」


 なんだか嫌な予感がした。


「どうなんだろ? 結構重たいんだよ」


 九緒夢はその箱を応接間の机の上に置いて、封をしているテープに爪に突き立てた。


「それ、ヴァンパイアクロ~~~」


 吸血鬼の爪はナイフよりもよく切れるのだ。


「さてさて、中身は~~~~~」


 ガバッと箱をオープン。その中には……。


「ま、ま、マックスコーヒー詰め合わせ……!?」

「……ハク。実は私、この箱を持った時から薄々気づいてはいたんだよ」


 箱の中には、マックスコーヒーの缶がこれでもかと敷き詰められていた。

 いや、それだけではない。


「ね、ねぇ、箱のそこには本がたくさんあるんだけど……」

「『USUBAKAGEROU』だ……。一冊でも要らないのにこんなに……」

「あれ? 手紙がある」

 本の下にぽつんと置いてあった手紙らしきもの。

 早速封を開けて読んでみる。


「え~と、何々? ……『今月の給料を全てマックスコーヒー購入金と『USUBAKAGEROU』の自費出版に当ててしまっていたので、現金がありません。その代りに報酬の五倍分のマックスコーヒーと、ベストセラー間違いなしの『USUBAKAGEROU』をお送りします。過剰分は美味しいお鍋の代金だとお思い下さい。お気になさらず飲んでくださいね!』……だって……」

「もしかしなくても現金は?」

「……入ってないね」

「「…………はぁ…………」」


 二人揃って深い嘆息。

 なんだか最近こういうことが多い気がする。


「どうする? このマックスコーヒー」

「飲むしかないよ。キュー、頑張って!」

「こんなに飲めないよ~~~!!」


 二人がこの大量のマックスコーヒーをどうするべきか思案しているとき、またも玄関のベルが鳴り響いた。


「また誰か来たみたいだ」

「……ねぇ、ハク。私今気づいたんだけどさ。この手紙には報酬の五倍分送るって書いてあるよね」

「……うん」

「……この一箱の中身って、報酬の五倍分もあった?」

「……どうだろ。この本、いくらで売るつもりなんだろう……」


 二人を急かすかのごとく、もう一度ベルが鳴る。


「もしかしてこのベルって……」

「……もしかしないと思うけど……」


 九緒夢は意を決し扉を開けた。


「あ! 九緒夢さん! お届け物です!」

「やっぱりスーホさんだ……」

「すいやせん、またハンコお願いできやす? これ全部に」


 見るとスーホの後ろには段ボール箱が山のように積まれていた。


「これ全部マックスコーヒーなの!?」

「いえいえ、中には本も入ってるそうですよ?」

「こんなに要らないって!!」


 この日からしばらく、光寺吸血相談所で出されるコーヒーは全てマックスコーヒーになり、『USUBAKAGEROU』は鍋敷きとして重宝されることになったのだそうだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ