蜃気楼の果て
蜃気楼の果て
ゆらゆらと
路面電車の線路
待ち合わせの時間
無駄なことは何ひとつない
たまには、こうして隣同士
揺られてみてもいい
軽めのカバン
思いきって勝負に出た
わたしのアピールしたいものは
何ひとつ、なくて
薄めの化粧は
マスクでごまかしたりもしない
昨夜は雨に降られて
風邪をひかないように
それだけを気をつけて
今日を迎えた
真夏の恋の準備は
わたしの方から
昨日までと
あきらかに違ってる風を頼りに
追いかけた恋も
落ち着きを見せた
次の駅までもう少し
左肩を少し寄せても
あなたは気づかない
手をつなぐタイミング
どこかで探りを入れたりしてる
視線だけは相変わらず
落ち着かず
ココロも揺らめいてる
駅に到着のアナウンス
切符を持ち替えて
左の手のひらを準備しながら