緑髪の女性の居場所は?
ノグライナ王国で開催された晩餐会では、美味しそうに調理された野菜や肉がテーブルの上に所狭しと並べられ、女王であるリリーとジュリアさんが居る場所にこの国の貴族らしき人達が次々と挨拶をしている所だった。
やっぱり貴族の人は全員エルフなんだな。
小説に載ってるみたいにやっぱり長命なのか、みんな若く見えるな。
俺がリリー様とジュリアさんに挨拶をしている人達を眺めて居ると、袖を引かれている事に気付き視線を下に落とすと、白いドレスを着てアクセサリーなどで着飾っているジェーンが居た。
「ジェーン……。 メイドさん達に着せ替え人形の様に扱われたな?」
「う、はい……。 彼女達がずっと逃がしてくれなくて、気付いた時にはこのような恰好に……。 って私の事は今は良いですから共兄、マリちゃん達は部屋でお留守番しているのですか?」
ジェーンにマリ達はまだ眠い様だから今は魔剣の中で寝ている事を告げると、少し残念そうな表情を浮かべていた。
「そうですか。 マリちゃん達と一緒にこの城の中を探検してみたかったのですが、寝ているならしょうがないですね。
それにマリちゃんが元気にしているので忘れてしまいそうですが、生まれてまだ数日なんですから疲れが出たんですかね?」
そう言えばマリってジェーンが言う様に、卵から孵ってまだ数日しか立ってないんだった……。
「その可能性もあるかな。 ジェーン、マリが起きて来たらまた一緒に遊んでやってくれ、きっとあの娘も喜ぶはずだ」
「はい! えへへ、楽しみです♪」
ジェーンの頭を俺が優しく撫でると、彼女は嬉しそうに微笑んで頷いた。
俺が再びリリー様とジュリアさんの2人に視線を向けると、未だにリリー様に挨拶する人の列は減少続いていたが、ジュリアさんに挨拶をする貴族達は居なくなっていたので、リリーに一度耳打ちすると俺達が歓談している所に歩いて来た。
「はぁ、疲れた。 共也ちゃん、ジェーンちゃんこんばんは」
「「ジュリアさん、こんばんは」」
俺とジェーンは、王族らしいドレスを纏ったジュリアさんを改めて見ると、ギルドの受付嬢をしていた時も綺麗な人だと思っていたけれど、こうして着飾った姿を見ると、ちょっと直視出来無いほどの美しさを醸し出していた。
「あ、2人とも目線を逸らしたな!? もしかして私の恰好を見て馬子にも衣裳って思った?」
「そ、そんな事は思ってませんよ! むしろギルドの受付嬢をしていた頃よりずっと……」
「ずっと? その先は?」
「えっと。 その……」
ジュリアさんは面白がって、その整った顔を俺のすぐ目の前に近づけて来るものだから、顔が熱くなるのを感じていた。
「おや? おやおや? 共也君、顔が赤くなってるけど、まさか私に見惚れちゃったのかな♪」
「む~。 ジュリアさん、共兄に悪戯をするのは止めて下さい!」
「ありゃ、ジェーンちゃんに怒られちゃった。 しょうがない、ジェーンちゃんの嫉妬心に免じて、共也ちゃんで遊ぶのはここまでにして上げますか」
「し、嫉妬って!?」
今度は自分にジュリアさんの矛先が向いて来るとは思わなかったジェーンは、顔を真っ赤にして固まってしまった。
そんなジェーンを見たジュリアさんは、悪戯が成功した事に満足したのかクスクスと柔らかく笑っていた。
そして、ジュリアさんがエルフと言う種族を加味したとしても、とても絵になる笑顔だった。
「しかし、私には社交界は肌に合わないわね。 どうしても挨拶に来た貴族の人達に、笑顔を向ける事が難しい事に気付かされるわ。
その点リリーは凄いよね、嫌な顔一つ見せずに挨拶に来る人1人1人に笑顔を向ける上に、ちゃんと対応出来るんだから……」
いつも冒険者ギルドに居る荒くれ者達にも笑顔で対応しているジュリアさんを知っているので、今の言葉には違和感を感じたので、あえてその事について聞いてみた。
「ジュリアさんもギルドで様々な人に、笑顔で対応してくれてるじゃないですか」
「ふふ、共也ちゃん。 人より長く生きて来たエルフの貴族達と、冒険者を同じ生き物と思わない方が良いわよ?
あそこに居る人達は無駄に長生きして経験を積んでいる分、人を騙す事にも長けてるし、その能力を過信して段々と傲慢になって腹の中が真っ黒になる人達が多いのよ……」
「ジュリアさんは、そうなって無いじゃないですか」
「そう……。 だから私はこの国の社交界が苦手なの、むしろ嫌悪してると言って良いわ。 そんな私が王位を継いだ場合、きっとこの国は崩壊するわ」
「ジュリアさん……」
「あ……あら、ごめんなさい。 2人にこんな事を言うつもりは無かったんだけど、親しい人を見かけたからつい愚痴を言っちゃった。 てへ♪」
「ジュリアさん……。 私はジュリアさんの事を優しいお姉さんと思っています……。 だから今度からも遠慮なく愚痴を言ってくれて良いですし、頼って下さい!」
子供のジェーンに気を遣われた事が余程嬉しかったのか、彼女を優しく抱き締めたジュリアさんの目の端には少し涙が滲んでいた。
「ありがとね……、ジェーンちゃん」
「もうジュリア姉さん、そうやって私の事を持ち上げるけどさ、全体の能力で言ったら姉さんの方が遥かに高いじゃない」
ジュリアさんを姉と呼ぶのは1人しかいないので、声を掛けて来た人物が誰か分かった上でそちらを見ると、そこにはやはりジュリアさんによく似た顔で王の証であるティアラを頭に付けた女王リリー様が腰に手を置いて立っていた。
「リリー、あなたが私個人の能力を高く評価してくれるのはとても嬉しく思うわ。
でもね、私の能力が例え高かったとしてもこの国の人達を纏める事が出来なければ、いずれこの国が崩壊する事には変わらなかったわ。
私にはこの国を纏める能力が無かった。 そんな絶望を感じている中で、あなたが生まれ、そして成長し頭角を現してくれたから、私も王位継承権を放棄して他国で暮らす勇気を持つ事が出来たのよ?
あなた以外に王を継ぐ事が出来た人物は居なかったの……、それは忘れないで」
ジュリアさんの想いを初めて聞いたのか、リリーさんは目を剥いて驚いていた。
「ジュリア姉さん、そこまで考えてこの国を出たんですね……」
「ふふ……。 こんな事を晩餐会場で話す事じゃ無かったわね……。 ごめんなさい、リリー」
「……お姉ちゃんはいつもずるいよ。 そんな事言われたら、私を置いて出て行ったと思っていたこの気持ちを何処にぶつければ良いのよ……」
「年を重ねたエルフは狡猾になるのよ? さっきの話を聞いてたんでしょ?」
「何よそれ……」
深く考えてジュリアさんはこの国を出て行った事を知ったリリー様は、それ以上何も言う事が出来なくなり黙り込んでしまうのだった。
だがジュリアさんの前に居る俺の存在を思い出した様で、リリー様は話し相手を俺に変えて来た。
「最上 共也さん……、と言いましたね? グランク王からの親書を預かっていると聞いていますが、ここで受け取っても構いませんか?」
「はい。 グランク王からの親書は私が預かってますが……」
俺がジュリアさんに、ここで本当に渡して良いのか確認の意味も込めて見ると、頷いてくれたので懐から親書を取り出すとリリー王女に手渡した。
「ありがとうございます、確かにシンドリア王国の押印で封蝋されている手紙ですね。 公式の場ではありませんが、緊急の要件が書かれていると言うので、ここで拝見させて頂きます」
〖ペリ〗
その場で親書を広げて読み始めたリリー様だったが、読み進める内に次第に眉間に皺を寄せていった。
そうして手紙を読み終えたリリー様は、グランク王からの親書を丁寧に仕舞うと溜息を吐いた。
そしてメイドの1人に紙を用意させ、その場で親書の返答を書き始めた。
「共也さん、これをグランク王に渡して頂けますか? 親書に対しての返事が書かれています」
「はい。 必ずお渡しします」
リリー様は少しして手紙を書き終わると、厳重に封をして俺に渡して来た。
「手紙の内容は把握いたしました。 アポカリプス教団……その組織に対して私達も国を挙げて注意を払う事をお約束いたします。
そしてケントニス帝国で起きた事もシグルド殿からお聞きして把握していますが、人類が一致団結しないといけない時に、こんな宗教団体が出て来るなんて本当に不愉快だわ……」
リリーはアポカリプス教団と言う組織の目的そのものに、嫌悪している様子だった。
アポカリプス教団の名前が出たせいで険悪な空気が流れてしまったので、どうこの空気を変えようかと考えていた時だった。
(ふわぁ~~。 パパ、おはよう~~……)
(良く寝た……)
(この空間が気持ち良すぎるのがいけないんだ……)
どうやらマリ達が目を覚ましたらしく、剣の中から出て俺の前に現れた。
幼女、スライム、雪豹の3体が急に眼の前に現れた事でリリーは最初驚いていたが、3人を見た瞬間に目をキラキラと輝かせて被り寄った。
「と、共也さん! この可愛い子達を私に紹介してくれませんか!?」
「ちょっとリリー、落ち着きなさい!」
この急な雰囲気の変わり方は、いつも菊流で見ているから確信した……。
どうやらリリー様も菊流と同じく可愛い物に目が無い様で、先程までの女王の雰囲気が無くなってしまい、そこに居るのは只の可愛い者好きの女の娘だった。
「あ~~。 共也ちゃん、ごめんなさいね。 リリーは可愛い者を見るといつもこうなっちゃうのよ……」
「やっぱりそうなんですね。 菊流も可愛い物を見るとこんな感じなのでそうなのかな? とは思っていましたから大丈夫です。 でもマリ達が怖がっていないか心配ですね」
「リリー。 少し離れて上げなさい」
「え~~。 せめてこの子達の紹介くらいしてくれても良いじゃ無いですか……」
確かにマリ達を紹介するくらいなら……。
いや、それで本当に離れてくれるのか? と思った俺はマリ達を紹介して良い物か悩んでいると、マリ達の方が先に自己紹介を始めてしまった。
「マリです。 海龍の子供で今は共也パパと一緒に旅をしています、よろしくお願いします?」
「マ、マリちゃんは海龍の子共なの!? でも見た目は人間の子供……。 姉さん一体これはどう言う事!?」
「あ~、マリちゃんはケントニス帝国で例の事件に巻き込まれた時に生まれたんだけど、今は色々あって一緒に旅をしてるのよ。
マリちゃんはこんな幼いけど人化の魔法を使って人の姿になれる、れっきとした海龍の子供よ?」
「違う! 姉さんそこじゃない! とっっっても可愛い子じゃないですか!? マ、マリちゃんって言うのね!? 少しだけ抱きしめても良いかな???」
リリー様があまりにも必死な表情で近づいて来るので、ビックリしているマリだったが俺を一度チラリと見て来たので、苦笑いをしながら俺が頷くと笑顔を彼女に向けた。
その笑顔は抱きしめても良いと言う意味を理解したリリー様は、嬉しそうにマリを優しく抱きしめた。
「柔らかいし良い匂い……えへへ~~」
「リリーお姉ちゃんもお日様の匂いがする!」
「ありがと! えへへ。 この子可愛い……。 すぅ~~、はぁ~~~!)
「ちょっとリリー! リリー! 人様に見せられない顔をしてるわよ! しっかりして!」
ジュリアさんの忠告を受けて「ハッ!」っと我に返ったリリーが急いで顔を引き締め立ち上がったのだが、俺の足元に居るディーネとスノウを見た事で、リリーは再びだらしない表情となり抱き付こうとして2人ににじり寄って行った。
「スライムさんと雪豹さんの名前も教えてくれるかな?」
(い、良いよ、ディーネ。 だよ、よろしく……ね?)
(ス、スノウだよ。 雪豹の子だからって乱暴に扱わないでね?)
「2人も可愛いね。 私が抱いても良いかしら?」
((え……))
ディーネとスノウは、リリーのその独特な雰囲気に恐怖を感じてしまい、慌てて剣の中に逃げ込んでしまった。
「あぁ! まだ抱っこしてないのに!」
凄く残念そうにするリリーを横目に、ジュリアさんにこのリリーの事で思った事を正直に聞いてみた。
「ジュリアさん……。 もしかして妹さんって……」
「はい……。 共也ちゃんの予想通り、菊流ちゃんと同じく可愛い存在に目が無い上に、その子と親しくなるとポンコツになっちゃいます……」
「やっぱり……」
「あ、でも。 それはそれで可愛いとは思うのだけれど、為政者としては弱みに取られかねないのか心配で良く注意はしていたのだけれど、どうやら周りの貴族達は御高齢の方が多い様で、リリーの事を孫と重ね見ている人が多いのよ。
だからでしょうね、リリーが女王なら国の為に働く!と言う人がほとんどなのよ……」
「あ、だからジュリアさんは、リリーの方がこの国の代表に相応しいって、そう言う意味?」
「共也ちゃんと私の秘密だからね♪」
ウインクしてくるジュリアさんが綺麗すぎて恥ずかしいので、周りにいるエルフの貴族達を気分を紛らわす為に見て見たのだけれど。
ジュリアさんの言った通り、リリー様の姿を愛おしいそうに見守るお爺ちゃんの様に、目尻が下がりっぱなしの顔で眺めていた。
「なるほど……。 確かにこれはリリー様じゃないと統治する事は無理そうですね……」
「共也ちゃん、分かってくれた? でも、こんな統治の仕方で恥ずかしい限りです……」
「ま、まぁ、戦争ばかりしている所よりはよっぽど平和な統治の仕方ですし、良いと思いますよ?」
「そう。 そうよね。 今も何処かで戦争をしている所よりはずっと……」
ジュリアさんもリリー様の事を愛おしそうに見ていたが、流石にずっとこのままと言う訳にもいかないので、リリー様の腕を掴むと強引に立たち上がらせた。
「ホラ、まだ貴族の皆さんが居るのだから、しっかりなさいリリー」
「姉さん……、まだディーネちゃんとスノウちゃんの2人を抱っこしてないの!」
「はぁ……。 後で共也ちゃんに相談してみなさい。 でも2人が抱かれる事を拒否するようなら、今日の所は諦めなさいね?」
「はぃ……」
口を尖らせて不満タラタラのリリー様だったが、俺は元々中庭で会った女性の事について尋ねようとしていた事を思い出したので、丁度良いと思い2人に尋ねてみた。
「緑髪を腰まで伸ばしている緑目の女性ですか? 私は城で働く者達を全員覚えていますが見掛けた記憶がありませんね……。 キーリス、あなたは共也さんの言う特徴に合う女性って知っています?」
「いえ。 私もこの城にかなり長く勤めていますが、初めて聞く人物の特徴ですね。 共也君その人物はエルフと言う訳では無かったのだね?」
「そうですね。 見た目はとても綺麗な人でしたけど、耳は尖って無かったですからエルフの方では無いですね」
リリーとキーリスはお互い目線で知っているか確認しているようだが、2人が首を横に振った事でやり知らないと言う結論に至った様だ。
「そうですか……。 いきなり尋ねてすいません……」
「だが、中庭に居たのなら私達の関係者の可能性が高いから、メイド達にも知っている者がいないか聞いてみようじゃないか。
その人物の居場所などが分かったら、共也君に伝えれば良いかな?」
「ええ、その方向でお願いします」
俺はリリー様とキーリスさんに頭を下げてお礼を言うと、横に居るジュリアさんやジェーンが不思議そうにしていた。
「共兄、この城に着いたばかりなのに何故その緑髪の女性が気になるのです?」
「ジェーンちゃんの言う通りよね。 まさか共也ちゃんがその娘に一目惚れ……って訳じゃ無さそうね」
「違いますよ!!」
「しかし、今日来られて偶々中庭で会っただけの人物を探そうとするとは、何か探している理由があなたに有るのなら理由を伺ってもよろしいでしょうか?
城の中庭に居たと言う事は一応この国の者でしょうし、もしその者の情報が上がって来たとしても理由を聞かない内に教える事は出来ません。
共也さんが答えられる範囲で構いませんから、答えて貰う事は出来ますか?」
「探している理由ですか……」
ジュリアさんを見ると答えるべきだと頷いたので、今日この城に来てから中庭での出来事を掻い摘んで、話し始めた。
もしかするとその緑髪の女性が暗黒神の事を色々知っているかもしれない、と伝えるとジュリアさん、リリー様、キーリスさん、ジェーンの4人が一様に驚いていた。
「暗黒神の情報を握っているかもしれない緑髪の女性ですか……。
共也さんの言う通り、それは確認しないといけない案件ですね……。 分かりました、今から城で働いている全員を招集して、その特徴に合う女性を知る者がいないか探してみましょう」
リリー様は、ライナと言う名のエルフのメイド長を呼び寄せると、城にいる全ての者に対して緑髪の女性に関する聞き込みをするように指示を出した。
「分かりましたリリーちゃん。 他の子達に聞いて来るわね」
「ライナさん! 公式のでは無いと言っても他国の使者が来てるのに『ちゃん』と言うのや止めてって前から言ってるじゃない!!」
「あら、ごめんなさい、つい、ね?」
「ついじゃ無いでしょう!!」
「ふふ。 そこのあなたもリリーちゃんと仲良くしてあげてね? この娘意外とシャイだから歳の近い男の人と話すの久しぶりじゃないかしら?」
「もう、良いから聞き込みしに行って来てーーー!!」
「はい、はい。 それじゃまた後でね?」
リリー様から聞き込みの指示を受けたメイド長のライナさんは、その場から煙の様に消えるのだった。
「はぁ~、はぁ~~」
「ジュリアさんもしやライナさんは戦えるメイドさんでは!?」
「うん? 確かにライナさんはそこら辺の冒険者に負けないくらい強かったとは思うけど……。 何でそんなに共也ちゃんは嬉しそうなの?」
「ちょ、ちょっと思う所があって……」
「ふうん?」
やっぱり戦えるメイドが恰好良いと言えないよ!!
「ライナさんったらもう! 共也さん少し時間はかかるかもしれませんが、この城の関係者なら必ず見つかるはずですので今は晩餐会を楽しみましょう?」
「はい……。 それでリリー様」
「公式の場で無いならリリーで構いませんよ? どうされました?」
「そろそろマリを解放して上げて欲しいのですが……」
「もう少し! もう少しだけお願いよ!! えへへ~~」
駄目だこの女王……可愛い娘が相手だと「本当にポンコツになるんだな……」大丈夫かノグライナ王国……。
「ああ! 共也さんが私の事をポンコツ! ポンコツって言った! 私が本気で気にしてる事なのにーー!!」
あ、と思った時にはすでにポンコツと口にしてしまっていた俺は、未だにマリを抱きながら涙目で非難してくるリリーに、どうやって謝ろうか頭を悩ませるのだった……。
晩餐会で緑髪の女性の居場所は分からない様でした。
次回は“ユグドラシルの樹木”で書いて行こうかと思っています。




