王都への帰還、そして次の目的地。
バリルート山脈で目的の氷の魔石を入手する事に成功した俺達は、オリビアさんの用意していた馬車に乗ってシンドリア王都へと帰還していたが、後もう少しで王都に着くと言う所で黒のローブを纏った連中に襲われる事となり、意味も分からないまま応戦する事となった。
襲って来た連中を無力化していると、騒ぎを聞きつ行けた王国の兵士達がこちらへと駆けつけて来る姿が見えた。
そして、兵士達がこちらに駆けつけて来る姿は黒ローブ達にもその様子は見えているはずなのに、逃げる様子は無い。
こいつ等は何が何でも俺達を殺そうと言う覚悟が、こいつらの行動から見て取れた。
そこまでして殺そうとされる理由が俺には思い浮かばず、目の前にいる黒ローブの1人に問いかけてみた。
「なぁ、そこまでして俺達を殺そうとするって事は、あんた達に恨まれるような事を知らない間にしてしまったのか?」
「いいや、お前達に恨みなんて無いさ」
「なら、何で俺達の命を狙う!」
「は! ただお前達の命が欲しいと言ってる方がいる。 理由なんてそれで充分だろ?」
「そんな曖昧な理由で、殺されても困るんだが?」
黒ローブ達に襲って来た理由を尋ねる事で時間を稼いでいたが、ようやく待っていた人達が到着したようだ。
「そこまでだ、暗黒教団アポカリプス。 もしお前等が反抗した場合は、殺しても構わないとグランク王から許可が出ている。 大人しくするんだ!」
「クソ、ここまでか……」
到着した兵士達によって次々と捕縛されて行く黒ローブ達の姿を見て、俺達はようやく気を抜く事が出来た。
連中を捕縛している兵士の中に、アストラも居たので軽く頭を下げて挨拶をしておいた。
「これでお前達の馬鹿げた祭りも終わりだな」
「馬鹿とは酷いじゃないか。 結果的にお前達の命を刈り取る計画は成就しなかったが、俺達は俺達で全人類を救うために戦っていたんだぞ?」
「何で俺達を殺す事と、全人類を救う事が繋がるんだよ……」
俺が心底不思議に思い地面にうつ伏せに倒されている男に問いかけると、何が面白いのかそいつは口角を持ち上げて薄ら笑いを浮かべていた。
「へへ、さてな? これから死ぬ俺達が、お前達に重要な情報をくれてやる理由なんて無いだろう?」
「これから……死ぬ?」
「そうだよ、俺達はこれから……死ぬ!」
その言葉が引き金になったのか、俺達を襲って来た黒ローブ達が急に胸を掻きむしり苦しみ始めた。
「お、おい!?」
「任務を遂行できずに申し訳ありません教祖様! 先に暗黒神様の元に向かう事をお許しを! ゲボ!」
口から血の泡を吹き出しながらも教祖と言う存在に謝罪していた男だったが、1度地面に血を大量に吐くとそのまま動かなくなった。
兵士達が捕縛した他の連中も次々と血を吐いて死んでいくため、アストラ達もどうする事も出来ない為、黒ローブ達が全員死亡して身動きする者がいなくなるまで呆然とする事しか出来無かった。
「全員……死んだのか……」
「おい、ボーっとするな。 こいつ等全員が本当に死んだのか検死もしないといけないし、これだけの遺体を運ぶなんて俺達だけじゃ無理なんだから、応援を呼ばないでどうする!」
「そ、そうでした。 応援を呼んで来ます!」
アストラの指示を聞いた若い兵士が、遺体を運ぶための応援を呼びに、1人王都へと走って行った。
「アストラ加勢してくれて助かったよ、良くここで俺達が襲われているって分かったな」
「よう共也お帰り。 王都で話題になっている黒ローブ共が外壁近くまで飛ばされて来れば、嫌でもここで誰かが襲われているって分かるさ」
俺はアストラの言葉に首を捻る。
「こいつらは王都で有名なのか? 数日前に王都を出たが、その時には冒険者ギルドでも全く噂話を聞かなかったが……」
アストラは、俺がこいつらの事を知らない理由を納得したのか、どうして今王都でこいつ等の事が有名になっているのかその理由を話してくれた。
「こいつらが有名になり始めたのは2日くらい前だから、共也達が王都を出てすぐの頃じゃないか?」
あぁなるほど、俺達とすれ違いだった訳か。
「なるほどな、それでこいつらはどうして有名になったんだ?」
「あ~…。 理由はグランク王から直接聞いてくれ。 俺が知ってる情報はまた聞きの部分が多くて正確な部分が所々抜け落ちてる可能性があるからな。 当事者である王本人から聞くのが一番確実だ」
「まあアストラがそう言うなら、後でグランク王に直接聞いてみるが……」
「ああ、不確定の情報しか持っていない俺がお前達に情報を渡す訳にはいかないんだ、一応この国に雇われている身だからな!」
アストラの奴気付いて無いかもしれないが、俺の横には王族のエリアがいるんだぞ。
「一応ってお前……、その雇い主の親族がここにいるのにそんな事を言って良いのか?」
「あ……。 姫様、今のは何卒聞かなかった事に!」
エリアは悩んだ素振りを見せて、アストラに聞かなかった事にする1つの条件を突き付けた。
「それならお父様に謁見するための予約を今から取って来て下さい。 今日は謁見の予定は無かったはずですから簡単に取れるはずです」
「え、エリア様、今日は謁見の間にてこの黒ローブ達の教祖と名乗る者と王が会談しましたが、やはり今日は謁見の予定が無かったのですか?」
「会談したのですか? 会談の予定は私も常に確認しているので知ってますが、今日は謁見の予定は入って無かったはずですよ?」
「王もその様に申してましたが何故か謁見する予定者リストに名が記載されており、仕方なく急遽会談をする事に……」
今日はグランク王に謁見する予定が入って無かったはずなのに、名簿者リストに名が記載されていたと言う事は、城に勤めている誰かがその名簿に教祖の名を書き加えたって事か?
その事にエリアも考えが至った様で、渋い顔をしていた。
「それは……。 城の内部にスパイがいる可能性が出て来ましたので、急いでその時の状況をお父様に聞きに行きます。
1国の代表者の予定を変更するなど有ってはならない事です、すぐに城へ戻りますのでアストラさんはお父様への謁見予定をねじ込んで来て下さい」
「はい!」
エリアの要望に応える為に、今度はアストラ自身が城へと走って行った。
「バリスさん、申し訳ないですがギルドへの報告はまた後日で大丈夫ですか?」
室生がそう尋ねると、バリスさんは自身の光る頭を撫でて、諦めたように溜息を付いた。
「こんな状況が起きたのならしょうがないだろうな……。 分かった……。 だがなるべく早く報告に来てくれ、あの大量の魔石を数えて書類にしないといけないと考えるだけで憂鬱になっちまう……」
その言葉を聞いた俺達は、バリスさんはよっぽど書類仕事が、嫌いなんだなと察して小さく笑い合った。
「では王城の方に戻って、グランク王にここで有った事を報告しておきます」
「ああ、頼む。 あの兵士達の反応から見てこいらの事を知ってる雰囲気だったからな。 俺の方でも調べておくが、お前達も何か詳しい情報が入ったらギルドに報告しに来てくれ。 情報料として少しだが金銭を出す事も出来るからな」
情報料と聞いて俯き加減だった鈴が、勢いよく顔を上げてバリスさんに近づいた。
「情報料が発生するなら、必ず伺う様にします!!」
「お、おう……。 鈴、急に眼を輝かせて……」
「お金が無いと色々と行動する事も難しくなりますから、お金は大事なのです!」
「そ、そうか……」
ドン引きしているバリスさんと鈴を置いておいて、オリビアさんとテトラちゃんが馬車は無事か確認をしていると、ジェーンが馬達を心配そうに伺っていた。
「馬さん達も無事で良かったねテトラちゃん」
「本当だよ。 時々馬を狙って攻撃して来た奴らがいたから、この子達を守る事で必死だったよ」
「でも結局どうして私達を狙って襲って来たのか分からず仕舞いだったね……」
「うん、恐らく短剣に毒が塗られていたはずだから、無事に撃退出来て良かったけど今後が不安になるね……」
「テトラちゃんも、アーヤちゃんの事があるんだから今後は身の回りには気を付けてね?」
「そうだよね、私も攻撃対象だったみたいだからもっと気を付けておくよ。 ジェーンちゃんも早く王に報告して、今後の対策も練ってもらって来ると良いよ」
「うんそうする。 でもテトラちゃんは平気?」
「私の近くには常に店長がいるから大丈夫だよ!」
「テトラちゃん!?」
魔除けみたいな扱いをテトラちゃんにされたオリビアさんも、ちょっと驚いていたが不満は無い様だ。
「ふふ。 テトラちゃん、王様と今後の対応を話し合ったらお店の方に報告に行きますね?」
「うん、ジェーンちゃん待ってるね!」
こうして俺達はバリスさんやオリビアさん達と別れたその足で王城へと向かい、王様達に面会する事となったのだが、公に出来ない話しらしく、図書館にみんなで集まる事となった。
「公に出来ない話しって何だろう……」
「情報が少なすぎてまだ何とも言えないですが、決して良い話しでは無いでしょうね。 ここまで情報が洩れるのを恐れて話をする面子を選ぶのは、お父様には珍しい事ですから……」
「タイミング的には黒ローブ達の事なんだろうな……」
そして図書館まで案内してくれた兵士が、扉をノックすると中からグランク王の声が聞こえて来た。
「誰だ」
「は! エリア様達が来られました」
「中に入る事を許可する」
「エリア様、どうぞ」
「ありがとうございます」
兵士が図書館の扉を開けてくれたので中に入ると、すでに椅子に何人もの貴族が座ってこちらを見つめていた。 その中には先日クーデターを起こす首謀者にされかけて、その疑いが晴れたレイルさんもいた。
「皆、亡くなった兵士達の為にバリルート山脈まで行ってくれて、先程帰って来てくれたばかりで疲れていると思うが事情が事情だ、申し訳ないが私達が知っている情報だけは伝えておきたいので、もう少しだけ頑張ってくれ」
「わかりました。 それで俺達に伝えたい事とは一体……」
一呼吸置いた後に、グランク王は昨日謁見した黒ローブ達の宗主であるグノーシスやアポカリプス教団の事を話し始め出した。
「兵士達の報告によると、君達が黒ローブを纏った者達に襲撃されたと報告が上がって来たから、これは早々に君達と情報共有するべきだと思い、堅苦しい形式が要らない図書館に集まってもらったのだ」
「それで謁見の間では無くて図書館に……」
「あぁ、そして何故図書館に集まる事を選択されたのかと思っているかもしれないが、ここには常に防音の魔道具が設置されているので、裏切り者達に情報が洩れる心配が無いのだ。
それ故にここに集まってもらう事にしたのだ」
防音の魔道具……。 ちょっと見て見たい気もするが今はそれどころじゃないな。
「何故図書館なのか、という疑問は解けました。 それでグランク王様は黒ローブ達が宗主と崇めている人物と謁見して人となりを見たから、それを俺達に伝える為にここに集まったと思って良いんですよね?」
「その通りだ」
「バリルート山脈に同行してくれた現地の人達も一緒に襲われたので、注意喚起の意味も混めて情報共有したいと思っているので少しでも情報を貰えると助かります。
「ふむ、奴らの危険性を広めるには確かにそちらの方が都合が良いかもしれんな。 良いだろう、今から伝える事は私が謁見の間であいつ等を見た主幹も入っているが構わんか?」
「はい、お願いします」
「そうだな、まずは昨日奴らが城門前に現れた所から話そうか……」
グランク王は、昨日謁見の間で有った事を事細かに説明してくれたのだが、俺達転移組全員の命が狙われていると知らされて、穏やかでいられるはずも無かった。
「私達の命を暗黒神に贄として捧げて人類に永遠の守護をしてもらう……ですか。
今日、私達を襲って来た黒ローブの人達もそれなりの人数がいたのですから、アポカリプス教団と言う組織はすでにかなり大きくなっていると見た方が良いですよね……。
私達転移者達は魔族達との戦いに向けて必死に向けて頑張って居るのに、現地の人間達が暗黒神だなんて言う曖昧な存在の為に、私達の命を狙うだなんて……」
魅影は自身が守ろうとしている人達に、逆に命を狙われているこの状況に酷く落ち込んでいた。
「城で暮らしている年少組に関しては警護の人数を倍にして対応するが、きっと彼等も内心では我々を警戒しているはずだから、同じ転移者である君達が時々で良いから様子を見に行ったり話しかけてやってくれないか?」
「はい、それくらいなら構いませんよ」
「すまぬ、手間をかけさせる……」
そこに宰相のギードさんが、こんかいの襲撃者に関する事を室生に質問をしてきた。
「室生殿、賊どもは全員亡くなったと聞きましたが、どのように亡くなったのか分かる範囲で構いませんので、当時の状況を出来る限り詳しくお聞かせ願いませんか?」
「はい、俺達が奴らをある程度撃退した時に、丁度巡回していた兵士達によって捕縛された所から異変が起こり始めました」
室生は黒ローブ達が兵士達によって捕縛された所で、全員が急に苦しみ始めて死んだ事を伝えるとギードさんは小さく「やはり……」と小さく呟いた。
「王よアーヤ殿を攫おうとした人物の事を覚えていますか?」
「ああ、あの頭が剥げた頭目だな。 そう言えばあいつも急に苦しみ始めたと思ったらすぐ死んでしまったな、まさか……」
「はい、恐らくですが同じ毒によるものでしょう。 連中はその頃にはすでに転移者達を殺すための活動を開始していたと見た方が自然でしょうね……」
事情を知っている俺とジェーンは、頭の剥げた頭目グラスが謁見の間で苦しんで死んだ場面を思い出していた。
「黒ローブの連中は、暗黒神と言う奴に俺達の魂を捧げると未来永劫外敵から守ってもらえると、本当に信じているんでしょうか?」
「今日君達を襲った連中は命を懸けて毒を煽って情報が漏れない様にしていた以上、本気で暗黒神と言う神が守ってくれると思っていたのだろうな……。
君達を殺して、その魂を捧げて暗黒神に守ってもらう。 そうして築いた一時の平和など、その暗黒神の機嫌ひとつで、どうとでもなると言う事を気付いておらんのかもしれんな……」
「最悪、未来永劫暗黒神の家畜……ですな」
図書館内でこの話を聞いていた他の貴族達も『未来永劫守ってもらう』この言葉の裏を知らさられた事で今後甘言に惑わされる事はないだろう。 そして彼等はお互いの顔を見て頷き合っていた。
その輪の中にはレイルさんもいて、彼は自身の首に掛けられているロケットを開くと愛おしそうに眺めていた。
「転移者達の命の狙った襲撃。 この件を重く見た我々シンドリア王国は、黒ローブ達の信仰するアポカリプス教団を邪教と認定。
そして、徹底的に排除して行く事をここに誓うものとする。
この事は君達転移者を支援してくれている国々にも通達される事となり、連中を排除していく方向で動く事になるだろう。
特にエルフの国【ノグライナ王国】は潔癖症な所があるからな、絶対に連中を許す事は無いだろうな」
エルフ……。 俺達幼馴染組は憧れのエルフの国と聞いて、気持ちがソワソワするが押さえる事に必死で、グランク王達に悟られないようにする事で必死だった。
「そして、共也殿達にはバリルート山脈から帰って来てくれたばかりで申し訳ないが、新たなクエストを指名依頼として発注したいと思っているのですが受けてくれますかな?」
「どんなクエストなのでしょう?」
「2国に親書を届けて、アポカリプス教団の脅威を代表者に説明する役目ですな」
親書の配達とアポカリプス教団の説明。
宰相のギードさんから俺達への新たな指名依頼として、ノグライナ王国とケントニス帝国へ親書を持って出向き、その代表者達にその新書を手渡す事と、アポカリプス教団に襲われた俺達の口から説明して欲しいと言われ、迷うこと無く頷いた。
「おお、受けてくれるか! それでノグライナ王国がある場所なのだが……。 大陸の右端に位置して森に囲まれた場所に存在しているため、馬車で向かうとなると3ヵ月以上かかってしまうのだ」
「3……。 魔族との闘いは間に合うのですか?」
「うむ……。 それも心配だから、今回は別ルートで向かってもらおうと思う。
まずこの国の南西にある港町アーサリーに向かい、そこから雇った船に乗り【ケントニス帝国】に向かってもらおうと思う。
そして、ケントニス帝国で親書を渡して用事が済んだなら、そこから竜騎士達が操る飛竜達に乗せてもらい、ノグライナ王国に向かってもらおうと思う。
それでも往復を考えると、それなりの長旅になるかもしれないが受けてくれるだろうか?」
ギードさんの口から出て来た、竜騎士! 飛竜! ロマン擽られるキーワードに俺達の答えはすぐに決まった。
「「「「 はい!! 必ずこの任務遂行してみませます! 」」」」
「う、うむ。 受けてくれた事には感謝しますが……、何故そんなに興奮しておられるので……?」
居並ぶ貴族の人達には分からないだろうが、オタク気質な俺達は憧れに近い竜騎士と言う存在に心が躍ってしまい力強く返事をすると、グランク王達がちょっと引いていたが気にしない。
ラノベなどを読んでいた俺達は、憧れであるエルフの国に行ける。
それだけで俺達のテンションは早くも爆上がりするのだった。
「今から冒険者ギルドに依頼を出すから、君達は今回のクエストの報酬を貰っておいてくれ、氷の魔石を集めて来てくれたのだろう?」
集めて来たのは来たんだけど……。
返答に困った俺達は、お互いに苦笑いをする。
「お父様……。 その……、氷の魔石を集めて来たのは来たのですが、数が数でして……」
「ハッハッハ! お前達が魔石を集めに行ってたった数日じゃないか、よほど効率良く集めれたのか? エリアどれくらいの数が集まったんだ?」
少しの沈黙の後にエリアが恐る恐る答えた。
「この図書館が何個か埋まる位です……」
「…………何だって??」
普段凛々しくしているグランク王も、流石に予想外の数を提示された事で素が出てしまっていた。
「この図書館が何個か埋まる位の魔石が集まりました……、お父様どうしましょう?」
「ギードよ図書館が何個も埋まる位の魔石を集めて来たと聞こえたが、俺の耳がおかしくなったのかな?」
「私もその様に聞こえましたが……、エリア様それは本当の話しなのでしょうか?」
俺達は雪山で出会った雪豹のフェリスや、洞窟で魔石を譲り受けた事を話すと納得してくれたのだが、その量をどう扱うべきか、グランク王とギードさんは頭を悩ませるが最後まで結論が出る事は無かった。
「取り合えず亡くなった兵士達に必要な量の氷の魔石は買い取るが、暫くはその袋の中で保存しておいてくれ……。
そんな大量の魔石を置いておく場所も無いしな……」
「分かりましたお父様。 もし、必要になった時は私に言ってください」
こうして俺達は港町アーサリーから船で、次の目的地の【ケントニス帝国】に向かい、そこから【ノグライナ王国】に飛竜に乗って向かう事になったのだった。
次の目的が決まりました。
次回はケントニス帝国に向けてを書いて行きます。




