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【共生魔法】の絆紡ぎ。  作者: 山本 ヤマドリ
6章・魔族と人族の戦争。
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リリス救助隊視点②

 スキル氷結によって体が徐々に氷に覆われ始めている私の目の前には、港町アーサリーの手前で別れたオートリス四天王である獣人将ガルボが、コキュートスの頭を破壊して吹き飛ばすと私の前に立ち塞がった。


「与一、助けに入るのが遅くなってすまん。 こんな氷なぞすぐに壊してやるから少しだけ待ってろ」

「う、うん。 でもガルボ……、どうしてここに?」

「別れる時に約束しただろう、オートリスと決着を付ける時に力を貸してやるって。 ……まあ、俺が情報を得るのが遅くなっちまってこんなギリギリになっちまったがな……」


 ガルボがそう説明してくれている間も、私に張り付いた氷を取り除こうとしてくれているが、小さな欠片すらビクともし無い上に凍り付く部分が増えている。


「何だこの氷は!? 俺の馬鹿力ですらビクともしないとかふざけるな! 壊れろ、壊れろ!!」


 ガルボが技を使って何度も何度も氷を殴りつけるが、氷は欠ける気配すら見せない。

 その間に私の下半身が氷に覆われてしまい、移動する事すら不可能となってしまった。


「ガルボ、私の事はもう良いから行って!」

「諦めるな与一! きっと解除方法があるはずだ!!」


 ガルボが懐から火炎の呪符を取り出し自分の拳に巻き付けて殴り付けるが、やはり無駄だった。


 そこに頭を再構築させたコキュートスが、不快な笑い声を響かせる。


「ハッハッハ。 無駄だ、無駄だ! 我がスキル【氷結】を発動する時に宣言した『未来永劫』の文言によって、その氷は発動させた本人である儂でさえ解除出来ない強度にまで跳ね上がったのだからな」

「コキュートス……」


「久しいなガルボ、相変わらずの馬鹿力でその娘を助けようとしても無駄な努力だぞ?

 すでに儂のスキルは発動したから、例え儂が死んだとしてもとその氷が解除される事は無い……。 残念だったな、お前が駆けつけるのが一歩遅かったんだよ」

「共也……。 ごめん……、ごめんね……」


 私はコキュートスの言葉に心が折れて愕然としてしまい、目から大粒の涙を流す事しか出来なかった。


 そんな私の頭にガルボは優しく手を置いた。


「与一、敵であるあいつの言葉なんて信じるな。 お前があんな死に掛けの奴の台詞を信じてどうするんだ」

「でもガルボ、あなたの攻撃でも壊れないって事はこの氷は……」


 ガルボは獅子の顔の口を歪めて笑うと、コキュートスに向き直った。


「そんなお前に今から見せてやる! あいつを破壊して、奴の言った事が本当の事かどうかをな!!」

「ガルボ……」


 そう言えばさっきガルボは、コキュートスが死にかけだって言ってたけど、私にはピンピンしてる様にしか見えないけど……。


「ハッハッハ! 俺を破壊するとは大きく出たなガルボ。 貴様とは何度も戦ってきたが、今まで決定打を受けた事が無いのを忘れたか!?」


 馬鹿みたいに大声で笑うコキュートスに、ガルボはユックリと拳を前に突き出して宣言した。


「1撃だ。 この1撃で貴様を粉砕してやるよ」

「1撃……だと? ガルボ貴様、儂を馬鹿にしているのか?」

「嘘だと思うなら避けるが良いさ、まあ所詮貴様はその程度の奴だったと思っておくさ」


 コキュートスの氷で出来た顔が、ここからでも分かる位に怒りで引きつっていた。


「良いだろう……受けて立ってやる。 だが1撃で儂を倒せなかった場合は貴様の命を貰うぞ、ガルボ!」

「耐えれたら好きにしろよ……。 行くぞコキュートス」

「来い!!」


 てっきりガルボはその圧倒的身体能力とスピードに物を言わせてコキュートスの体を打ち砕くと思っていたのだが、予想に反したガルボはユックリと歩いてコキュートスに近づいて行った。


 あれだけ自分を挑発して来たガルボが歩いて来るのだから、当然コキュートスは激昂する。


「き、貴様! そのふざけた態度は何だ!!」

「あっ? 五月蠅いな。 走ろうが歩こうがどうせこの1撃で決まるんだ。 そんなの俺の勝手だろうが、氷野郎」

「こっ……。 ハッハッハ。 貴様がそうするならば、儂も勝手にさせて貰おうか【氷結】我が体を凍てつかせて硬化させよ!」


 コキュートスの体は氷結のスキルによってさらに固くなった様で、物理攻撃主体のガルボの攻撃を受け止める準備が完全に整ってしまった。


(ガルボ……。 本当にコキュートスを1撃で葬り去る事なんて出来るの?)


 ガルボがコキュートスの目の前まで来ると、拳をユックリと振り上げた。


「馬鹿が。 コキュートス、お前なら必ずそうすると思ったよ」

「何だと!?」

「お前、さっき自分で言っただろう? 俺とお前は今まで何度も戦って来たと。 何でお前の行動をを俺が予測出来ないと思った?

「あ……」

「もう遅い……。 氷結で体を硬化しなければまだ生き残れる可能性がほんの僅かに残ったものを……」

「ま、待て! 待つんだガルボ!!」

「『獣神拳・振』さらばだコキュートス」


〖ポーーーーーーン!』


 不思議な事にガルボが拳をコキュートスに叩きつけると、打撃音では無く音叉を叩いたような音が辺り一面に鳴り響き渡った。

 私もその現象に驚いたが、一番驚いたのは攻撃を受けたコキュートスだった。


「何だ? あれだけ大見えを切ったのに結局私の体が崩壊する事も無く無事ではないか。 結局何がしたかったのか分からんが、約束通り貴様の命を頂くぞ! ガルボ!」

「逃げて、ガルボ!!」


 ガルボの命を刈り取る為に氷麟斧を出現させたコキュートスが斜めに振り抜くと、その場には何も起こらなかったかのように立っているガルボがいた。


「貴様、儂の氷輪丸の攻撃を受けて何故立っている!」

「攻撃? 俺は氷輪丸の1撃なんて受けてねえよ」

「だが、私は確かに振り下ろして……」

「その御自慢の氷輪丸を振り下ろしたお前の右腕を見て見ろよ」

「右腕がどうしたと言うの……なっ! 無い!? 儂の右腕が!! 貴様何をした!!」

「言ったろう? お前を破壊するってな、ほらお次は左腕にヒビが入ってんぞ?」

「何!?」


 ガルボの言葉通り、コキュートスの左腕に細かなヒビが入り始めると、粉雪の様に細かく砕け散ると地面に小さな雪山を作り出していた。


「な、一体何が起きているのだ!! ガルボから受けた攻撃など痛くも痒くも無かったと言うのに!!」

「そうだろうな、さっき繰り出した俺の攻撃なんて痛くも痒くも無かっただろうさ。

 だがな与一の攻撃を受けたお前は、重要な核にヒビが入っていたんだよ。 そこに俺が振動系の技を叩き込んだら、どうなるかなんてわかり切ってるだろう? お前は俺にじゃない。 与一に負けてたんだよ」

「ではこの両腕が砕け散ると言う現象は……」

「あぁ、お前の核が砕け散る前兆だよ。 コキュートス、お前とは長い付き合いだったが、これでさよならだな」


 核が砕ける寸前。 この現象が何かをガルボから聞いたコキュートスは、明らかに狼狽するとオートリス城がある方角に走り出した。


「はぁ、はぁ、こんな……、こんな所で俺が!! グロウ様、申し訳、申し訳ありませんコキュートスはここまでで……」


 森の中を走っていたコキュートスはその振動で完全に核が崩壊してしまったのか、グロウへの謝罪の言葉を最後まで言い切る前に砕け散り、森の中に季節外れの小さな雪山を作り出すのだった。


「完全に崩壊したか……。 魔法生物故に骨すら残さず消え去るとは哀れだよな」


 ガルボは突き出していた腕を降ろすと、与一がいる場所に振り向いた。


「奴の言葉を嘘だと思いたかったが、こんな所だけは本当の事を言いやがって……」

「そうね……。 残念だけど私はここまでのようね……」

「与一……。 奴の言う通り、俺がもう少し早く助けに来ることが出来ていれば……」

「ううん……。 ガルボのせいじゃ決して無いわ。 あなたが助けに来てくれたから、私は共也に伝言を伝える事が出来るんですもの。 感謝こそすれ、恨むなんてあり得ないわ……」


 そう言うと与一は精一杯の強がりでガルボに微笑んで見せた。


 そう。 今も与一を包み込もうと浸食するコキュートスの置き土産は、奴が消滅しても解除される事が無かったのだ。

 ガルボは自身ではもうどうする事も出来ないこの状況が、ただただ悔しかった。

 そして、今の与一にしてやれる事は、仲間達に伝言を伝えてやる事しか無い事も理解していた。


「与一、ガルボの名にかけてお前の仲間に必ず伝言を伝えてみせる。 だからから聞かせてくれ、お前の最後の言葉を……」


「……ガルボ、ありがとう。 本当なら菊流達にも伝言を頼みたかったけど……、共也に……。 共也に会える事があったら、こう伝えて……」


 与一は際限なく溢れ出る涙を拭う事すら出来ない中、悲しみで震える口を精一杯動かして共也への伝言を口にした。


「ごめんなさい、結局あなたとの約束を守る事が出来なかった……。 遠い未来の何処かで復活する事が出来るかもしれないけれど、私はあなただけを愛して過ごします。 さようなら愛しの共也。 ガルボ、それだけを彼に伝えて……」


 一体どれだけ先の未来で復活する事が出来るのか分からないが、これでもう本当に共也と会う事が出来ないのだと悟ってしまい、悲しみで胸が張り裂けそうだった。


「分かった……。 共也と言う奴には会った事が無いが、そいつの近くには菊流達もいるのだろうから必ず見つけ出してお前の伝言を伝えてみせる。 だから安心して眠れ与一。

 もし時が経ってお前を蝕む氷結のスキルの解析が進めば、必ずお前をその氷の中から助け出す手段が見つかるはずだ。

 だから……。 今は安心して眠れ与一……」

「うん……、待ってる。 最期にガルボもう一つお願いを聞いてもらって良いかな?」

「何だ、言ってみろ」

「私が完全に凍りに包まれたら人目に付かない様にして貰って良いかな? 全く知らない他人に、氷漬けにされた私を見られたく無い……」

「分かった、後で土魔法を使って崖に見せかけておいてやる。 ついでだから色々願いを聞いてやるぞ? 他に願う事は無いのか?」

「うん。 この後ガルボは戦争に介入して多くの人を救ってくれるんだろうし、もうこれと言ってお願いする事は無いかな」

「そうか…………」


 私を覆う氷はすでに口元にまで来ているので、後数分もしない内に私は氷漬けになって眠りに付いてしまうだろう……。


(皆、ごめんなさい。 こんな所で離脱してしまう私を許してね……)


 顔全体を氷が覆い尽くした為、いよ考える事が出来なくなって来た私が思い浮かべた光景が、共也とじゃれ合ったりした日々だった。


(共也……。 いつかこのスキルを解除出来て遠い未来で復活出来たとしても、あなたが居ない日常なんて……。

 でも私は老衰で死ぬその時まであなたを愛して過ごします。 菊流を大切にして上げてね、共也……) 


 それを最後に与一は完全に凍り付いてしまい、何も反応を示さなくなってしまうのだった。


 ガルボは完全に凍り付いた与一の氷像を前に、悔し涙を流し続けていた。


「与一、お前との約束は必ず守ってやる……。 だがここを去る前に、お前との約束の1つを守らないとな。 ……地の精霊達よこの者の四方を覆え【ストーンウォール】」


 ガルボは土魔法を使い与一の氷象の周囲を壁で覆った事で、見た目はただの小さな丘に見える状態にした。


「与一、お前をこんな寂しい所に隠して行く俺の事を許してくれ。 いつか……、いつか必ず共也と言う奴を連れて来るからな……。 それまでさらばだ……」


 ガルボは与一の伝言を携えてこの場を後にしようとした所で、藪の中に何か光る物を見つけた。

 戦場に急いで向かおうとしたガルボだったが、どうしても気になってしまい藪を掻き分けてその光る物体の元に行くとそれはあった。


「これはコキュートスが使っていた氷輪丸と言う片手斧か……。 これは消滅しても残る物らしいが、今から戦場に向かう俺が持っていても……。 いや、戦力は少しでも多い方が良いんだ、持って行くか……」


 氷麟斧を肩に担いだガルボは後ろ髪を引かれる想いだったが、与一との約束を守る為に沢山の人達が戦って土煙が上がっている戦場に向かうのだった。



 ====



 共也達は与一と別れた後もオートリス城を目指していたが、彼女の事が気になってしまい注意力が散漫となっていた。


「ねぇ共也、与一の事だけど……」

「菊流、頼むから今は与一の事を言わないでくれ……。 一度気になってしまったら進めなくなりそうなんだ……」

「そうだね……ごめん。 まずはリリスちゃんを助け出す。 その目的が達成出来たら急いで戻りましょう」

「あぁ……」


 それ以降なるべく会話をしない様に務めていると、やっとオートリス都市の外壁が見え始めた。


「都市に入る前に少し様子を見よう……」


 俺達が草むらに身を潜ませて暫く様子を見ていたのだが、都市に入る為の門は開きっぱなしの上に警護する者もいない。

 そのあまりの無防備さに、俺達は都市の中に進入するかどうかの決断をしかねていた。


「ここまで無防備だと罠を疑ってしまうが……、ジェーン偵察を頼めるか?」

「はい、任されました。 ルフちゃん、透明化の風魔法をお願い」

「あい! ごにょごにょ……。 えい!【インビジブル】」


 ジェーンと風精霊のルフは魔法の発動と同時に見えなくなって行き、門に罠が仕掛けられていないか様子を見に行った。


 暫く無音の時間が続いていたが、門の様子を見て来たジェーンが俺達の前に忍者着を着た姿を現した。


「共兄、やっぱり門の周辺には誰もいませんし、罠も仕掛けられていませんでした」

「そうか……。 でもリリスの所に行くまでに戦闘は回避したいから、ルフちゃんに俺達全員にさっきの透明化の魔法を掛けて貰えるように頼んで貰って良いかい?」

「頼んでみます。 ルフちゃんお願い出来る?」

「あい!」


 風精霊のルフが俺達全員に手を翳すと、全員が段々と薄くなり始めた。


「うわぁ、姿が見えなくなるってこんな感覚なんだね。 ちょっと新鮮な感覚ね」

「菊流、喋ったら意味が無いだろ……」

「ご、ごめん。 気を付けるね……」


 この後何人かの青い肌の魔族の兵士とすれ違ったが、俺達の事に気付かなかった様で問題無く素通りしてくれた。

 どうやら同じ魔法効果が発動した者同士は薄っすらと姿が見えるようだが、魔法の掛かっていない者からは全く見えなくなっているようだ。

 これなら皆と逸れると言う間抜けな事態は回避出来そうでホッとした。


 俺達は物音をさせない様に細心の注意を払いながら都市の中を進んで行くのだが、兵士以外の姿を一切見ない為何かあったのかと思って心配したが、どうやら家の中に引き籠っているだけで窓から路地を見ている人をチラホラ見かけるので何かあったと言う訳では無さそうだ。


「すでに戦争が始まっているのに、何も行動をしようとしないなんて……。 この都市の人達は一体どうしたのでしょうか……」

「エリア、それも気になるが、それはこの戦争が終わってから考えよう。 今はリリスの救出を優先しよう」

「そうでしたね、まずはリリスちゃんを優先しないと……。 見えましたあれが城門ですね」


 ようやくオートリス城の城門に辿り着いた俺達だったが、外壁と同じく門は開けっ放しで門番も居なかった。


「またか……。 魔王グロウはもしかして全戦力を外の戦いに投入しているのか?」


 俺達は先程と同じく用心しながら城門を潜り城に進入に成功したのだが、あと少しで城に入る為の扉に辿り着こうと言う所で、その扉から1人の魔族の男が俺達の前に現れた。


「あん? 貴様等どうやってここまで入って来た。 姿を現せ下衆共」


 男が魔力を籠めた右腕を横に振るっただけで、俺達に掛けられていたルフの透明化魔法が砕け散った。 


「ルフちゃんの魔法が、砕け散った!?」


 俺達が呆然としていると、その魔族の男は獲物を見つけた獣の様な顔で楽しそうに喋り始めた。


「ほう人族共があれだけの戦力を掻い潜って良くここまで来れたものだ。 だが運が無かったな、この魔王グロウ様に見つかって生きて帰れると思わん事だ!」


 魔王グロウ。 俺達はリリス救出の作戦を考えた時点で確かに遭遇するかもしれない可能性は考えたが、ダグラス達が戦っている場所にグロウも向かうと思い遭遇する可能性は低いと考えて切り捨てていたが、ここで最悪の乱数を引くのかよ……。


「クックック、いたぶって殺してやる。 この僕の力の一部となれるかもしれないんだ、ありがたく思えよ人間!!」


 こうして俺達はいきなり魔王グロウと戦う事となってしまった。


 俺達は内心焦っていた。 ルフが掛けた魔法を右手を払っただけで効果を消し去る程のこいつを倒した上で、リリスを救出する事が出来るのだろうかと……。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

与一が永久凍結により離脱する事になってしまいました、そして共也達も王都に残っていた魔王グロウとの闘いが開始され生き残る事が出来るのでしょうか。

次回は“魔王グロウの実力”で書いて行きます。

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