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【共生魔法】の絆紡ぎ。  作者: 山本 ヤマドリ
1章・異世界に、そして出会い。
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共也の部屋で今後の話し合い。

 今後の事を話し合う為に謁見会場を後にした俺達だったが、結局俺の部屋で話し合うと2人がどうしても譲らないためしぶしぶ移動し、現在ドアの前で再度本当にここで話し合いをするのか尋ねてみた。


「なあ……城は広いんだから、今からでも他の部屋を借りるとかしないか?」

「「さあ、早く部屋の中で今後の事を話し合いましょう!」」


 俺は2人の圧に勝てず、諦めて部屋のドアを開けて俺が中に入ると、2人も続いて入って来た。


 部屋の中にあった椅子が2脚有ったので、2人が座れるように差し出したのだが、その椅子を素通りしてベッドに腰掛てしまった為、無駄になってしまった。


 この椅子どうしよう……。


 しょうがないので手に持った1脚を元の位置に戻し、もう片方の椅子に俺が座ると3人での話し合いを始める事にしたのだった。


「2人は俺達が活動するにあたって、何か希望とかあるかい?」

「そうですね、私としてはまず2人には冒険者ギルドで冒険者登録をしてもらおうかと思ってます」

「ああ、やっぱり冒険者ギルドってあるんだ?」

「やっぱり、とは2人の世界にも冒険者ギルドがあったのですか?」

「冒険者ギルド自体は無いんだが、俺達の世界は異世界を旅する物語が流行っててな、その中で良く冒険者ギルドの話が物語の中で出てきていたから、もしかしたらこの世界にもあるのかな? と思ってたんだ」

「なるほど……。 地球ではそのような創作物が流行っていたのですね」

「ん? 俺達が地球から来たって伝えたっけ?」

「ええ、担当官達の方から、地球と言う星から来たと報告がありましたので知っていましたよ?」

「なるほど、転移者の誰かが報告したのかな?」

「かもしれませんね。 ですので地球の文化、物語、料理など、この星とは全く違うお話しにとても興味があるので、今度お2人が知ってる範囲で良いのでお話ししてくださいね!」

「良いわよ、でも知ってる範囲だけどね」

「やった! ありがとうございます。 そう考えると、召喚された人達があまり取り乱さなかったのも、その様な物語が数多くあって浸透していたからですかね?」


 そう言われてみれば俺も取り乱す事が無かったな、むしろこれから何が起こるのかドキドキしたくらしだし……。


「それが一番大きいかもな、俺や菊流達も異世界の物語を良く読んでたからな。 むしろ、異世界に強い憧れてを抱いて位だしな。 なあ菊流」

「そうね、鈴達も大好きな物語だったものね」


 俺と菊流は良く読んでいたラノベを思い出すと、そう言えば好きだった物語の続きが読めなくなったなと別方向の事を考えていた。


 そして、俺と菊流は顔を見合わせると頷いた。


「エリア今度時間が取れる時に地球の事を話すよ。 その変わり君にもこの世界に伝わる伝承や物語を、聞かせてくれると嬉しいかな」

「そうね、でも私と共也もその分野の話は大好物で良く読んでたから、語り出したら長くなるからエリアも覚悟してね?」


 俺と菊流が楽しそうにエリアに笑いかけると、彼女は可笑しそうに含み笑いをするのだった。


「ふふ、その時が楽しみですね」


 エリアが俺達に笑い返してくれた事で3人は一緒に笑いあった。

 そして俺達は今後の話を進めるの為に、一旦休憩を入れる事にした。


 お茶を飲みながらしばらく雑談をしていた俺達だったが、休憩を終わらせるとエリアが先程の話しの続きをして来た。


「話を戻しますが、お2人には明日にでも冒険者ギルドで、昨日お渡したスキルカードを登録と更新をして貰います」

「登録は良いんだが更新すると何かあるのか?」

「ええ、スキルカードが冒険者ギルドで特殊な処理をされる事で身分証として使るようになり、他国に行ってもそのスキルカード1枚さえあれば身分が保証される様になっているのです」

「そうなんだな。 ん?明日? 今からじゃなくて良いのか?」

「実はこの後に、この国にとっての重要人物の1人と会ってもらおうと思っているのです。 ですから今日はちょっと無理そうかな?」

「この後か……。 どんな人物に合う予定なんだ?」

「教えても良いですけれど、実際その人物を見てから判断して貰った方が良いと思うので、今は内緒です!」


 エリアは片目を閉じ人差し指を口に当てるポーズをして来たため少しイラっとしたが、不覚にもその仕草が可愛いな……と思ってしまう自分もいた。


 そう思いエリアの顔を見ていると、俺の臀部に鋭い痛みが走り何事かと思い臀部を見てみると菊流が2本の指で俺の臀部の肉を捻じっていた。

 慌てて菊流を見ると、その顔は笑顔だけど青筋が浮かんでいた為、俺は何も言う事が出来ずにこの痛みに耐えるしかなかった。 お尻が痛い……。

 

 その後も今後の活動に関しての話し合いが進み。 明日の予定として冒険者ギルドに向かいカードの新規登録、そしてその後に旅に必要な物資の買い出しに行く事で話しが纏まったのだった。


 何だかんだで話しが長引き、その重要人物に会う時間となっていたため、エリアに城内を案内されながら移動したのだが、到着したのは本が乱雑に山の様に積んである図書館だった。


「エリア、ここって図書館だよな? ここでその重要人物と会うのか?」

「えぇ、その方はいつもここで過ごされているので、私達が直接ここに来る方が早いかなと思って」


 俺達が不思議な雰囲気を放つ図書館内を見渡していると、奥から豪華な椅子がこちらに向かって飛んで来ているのが見えた、そしてその椅子には誰かが座っている。


「エリア王女よ、こ奴らが此度の召喚で呼び出された者達で間違いないのか?」


 図書館の床に豪華な椅子がユックリと着地すると、妙に幼い声が聞こえるので良く見ると紫色の目、薄紫色の髪と、長毛種の大きな猫耳と尾骶骨からはフサフサの毛に覆われた尻尾を持つ7~8歳位の猫の獣人の女の娘が座っていた。


「ミーリス様、お久しぶりです。 こちらの2人の能力の将来性を見てもらいたくて、面会の予約を取らせていただきました」


 ミーリスと呼ばれた少女はエリアが挨拶が終わると、怪しく光る瞳でこちらを見つめ始めた。


「なるほど、召喚された者の特徴なのか、かなり特殊な波長を放っておるみたいだの……。 どれ」


 ミーリスと言われた獣人の女の子は俺と菊流の2人をジッと見つめ続け、少しすると俺達の能力をどの様に伸ばして行けば良いのかアドバイスを始めるのだった。


「ふむ、女の方は菊流と言ったか、お主は身体能力が極端に伸びていくだろうから身体強化の魔法を出来るだけ早く覚えるのが良いだろて。

 そして……、そっちの男は何と言えばよいのか……。 魔力の波長が母のような包容力と父に守られてるような安心感と言えば良いのか?

 このような特殊な魔力の波長は今まで見た事が無いゆえ断言は出来ぬが……。


 これからお主は様々な者に出会い、縁を結ぶ事によって何かが変わるかもしれん。

 そうする事によってお主の成長にどう影響するか分からぬが、もしその様な出会いと縁を紡ぐ事が出来たのなら、今後の成長に繋がるかも? しれん……、ふぅ、こんな所かの?」


 俺と菊流は、ミーリスと呼ばれた少女に成長の方向性を示す能力に驚くしか無かった。

 

重要人物の1人ミーリスの登場です。

次回はミーリスの詳しい話しをしていきます。

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