その後の話。新たな日常の1ページ
あれから数日たった。
あの後、イサムは本来行くはずだった世界へ行き、魔王を倒したらしい。
城一個全壊した甲斐があったってもんだ。ハーレム状態だったっていうのは気にくわないけど。
城は直して貰ったのかって? ああ、直して貰ったさ。神々しい神殿みたいな形にされたけど。
部屋もお姉ちゃんLOVEな雰囲気に大改造されてたから、結局自分で直すことにした。
城は元通りに直したし。お姉ちゃんグッズは、捨てたら悲しむだろうから押し入れに入れたし。これでほとんど元通り。
そして今。僕は飯屋でご飯を食べている。
「あんた一応魔王なんだろう? こんなとこで食べてていいのかい?」
隣の客が声をかけてきた。
「店が客を選ばない限り、どこでも食べるさ。それに、どんな高級店でも、ここの味は作れない」
「ここの味がひどいってか? 」
店主に誤解されてしまった。
「違う違う。どんな店でも、その店の良さがあって、その良さは、意図的でない限り、そうそう真似できないってこと」
「なんでそれが分かるんだい? 」
「それが、僕らの良いところだからね」
「なるほどねぇ」
あっ、これから用事があるんだった。早く食べていかないと。
バクバクと味わいながら素早く食べる。お代は先に渡してあるので、そのまま出ようとしたその時だった。
触れてもいない扉が開いた。
そこには、殿堂入りを果たした男が立っていた。
「え……いや……なんで君がいるのさ」
衝撃で動けない。本当になんでここにいるのコイツ。
「そこらにいる人に、魔王はどこだと聞いたらここだと聞いた」
「いやさ、そういうんじゃなくてさ。ハーレム状態だったし魔王も倒したんだよね!? なんでこっちにきてるのさ!? 」
「確かに私はラスボスを倒した」
うん。そうそう。ラスボス倒してハッピーエンド。
「だが、勇者になろうと、女性に囲まれようと、私の心は満たされなかった。そして気づいたのだ! 」
すごい嫌な予感がする。今すぐ逃げたい。予定をすっぽかしてでも今すぐ帰りたい。
「お前という裏ボスの存在をな! 」
やっぱりだあああああ!
「そして女神様にお願いをし、私は今ここにいるというわけだ」
お姉ちゃあああああん!お姉ちゃん何してんのさ! 何やっちゃってんのさ!
ごっめーん! 断りきれなくてついやっちゃった!
お姉ちゃん脳に直接語りかけてこないで。急にくるとビックリするから。あと、謝罪がすっごい軽い。謝る気ないでしょそれ。それと……何してんだああああああ!
「あ、言語については心配ない。ちゃんとこの世界用のカリキュラムは終えてきた。日本語の張り紙以外、まったく読めないし分からないなんて事態にはならないぞ」
「そこじゃないのよ、そこじゃ!」
「そういうわけだから、早速戦おう魔王。強くなった私の力を見せてやる! 」
「なんで君の希望で、僕が死の危機にさらされなくちゃいけないのさ! 」
「お客さん。静かに」
もう、なんで、こーなるのォォォォォ!
眠いから寝る。