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ここからが全力だ!

絶対的な自信に不審者は笑う。

「ここまで打ちのめされてなお、そのような台詞が吐けるとは……」

「ここからが全力その一。覚悟しろよ不審者! 」

「私は勇者だ! そんな脅しに屈するものか! 」

不審者は橙色の超射程ロングレンジソードを振り下ろす。

それを僕は、握り混んだ剣で打ち砕く。

「脅しなもんか」

キラキラと輝きながら消えていく橙色の欠片を見て、ある確信を持った。

「砕かれただと……! 」

「それじゃあ行くよ! 」

「させると思うか! 」

走り出す僕に、不審者は水の刃を複数飛ばす。

軽々かわし、剣で防ぎ、僕の勢いは止まらない。

「何だというのだ! 」

ついに至近距離までたどり着いた僕は、大剣を振るい、やつの水色の剣とぶつかり合う。

「なぜだ!? さっきまでは打ち砕こうとすらしなかったというのに! 」

「君のそれは魔力の剣。他よりちょっと固いけど、その魔力量を越える火力ならば! 打ち砕ける! 」

またも打ち砕れた不審者は思わず下がる。

「またも打ち砕くか……! まさかそれが貴様の実力だとでもいうのか!」

「違うんだなー。正確にはこの武器のおかげ。君のそれも、同じなんだろ? 」

何かに気づいたようにはっとする不審者。

「まさかそれがギフトだとでもいうのか!? そんなの許されるはずがない! 魔王がそれを持つなぞ、許されるモノかァアアアアアアアア! 」

叫び声に呼応するように大地が揺れだし、橙色の剣を形作る。

それは次第に大きく、大きく、不審者すらも飲み込み、さらに大きく巨大に変貌していく。

「力に飲まれたな」

「ドウダ、マオウ! 私ノ叫ビニ、星ガ答エテクレタノダ! 」

それはもう剣では無く、橙に輝く1人の巨人であった。

「全身魔力ノ完全武装……! オマエニハ破レマイ! 」

これは、少しマズイかも。

「死ニヤガレェ!ガイアクラッシュ!! 」

ズガーンと響き渡る衝撃。巨人が巨大な拳で殴り、地面を大きく抉ったのだ。砂ぼこり舞う中、ただ一人立ち尽くす大きな巨人は、魔王を倒した喜びで溢れそうになっていた。

「ヤッタ……ヤッタ……ヤッタヤッタヤッタヤッタゾオオオオ! 私ハ勇者! 世界ハ平和! 成シ遂ゲタゾ魔王討伐! 正義ノ拳ハ魔王ニ届キ、私ハ世界ニ称エラレルノダ! 」

しかし僕は生きてる。さすがに危なかったので、全力その二を使わざるをえなかった。

「おい。そこのバカ」

声をかけられ初めて気づいた。まだ魔王を倒していないことに。

「ナゼダ! ナゼダ! アノ威力耐エラレルハズガナイ!」

「そう。だからこれは第三形態。全力その二だ」

「ナニヲフザケタコトヲ! 」

「予告しよう。僕はお前をワンパンする」

僕の思い出は、心剣バディールに刻まれた印は、赤く燃えている。

「ヤレルモノナラバ、ヤッテミセロ!」

橙に輝く体から、無数のエネルギーがこぼれだす。

こぼれたエネルギーは瞬く間に無限とも思えるエネルギー球へと変化する。

エネルギー球は、僕の頭上に降り注ぐ。

瞬間、僕は上空へと移動する。

巨人が気づく。僕は空を蹴り、とてつもないスピードで接近していく。

巨人は、打ち落とさんとするばかりに、エネルギー球を打ち込み続ける。

「心剣バディールは、もう一人の僕! 能力値は僕と同じになり、そして赤く輝くとき! バディールと僕の能力値は共に3倍となる! 」

攻撃の隙間という隙間を通り抜け続け、たどり着く。

ここからなら攻撃が届く!

「バケモノメ! 」

お前がな!

「レッドォオオオオオオオ!! スラアアアアアアアッシュ!」

橙に輝く巨人の体は、真っ二つに切り裂かれる。

ルールのおさらいだ。魔力で出来たものを壊すには、その魔力量を超える威力で攻撃する。

剣のおかげで3倍に羽上がった僕ならば、これくらい余裕である。

「ヌオオオオオオオオオオアアアアアア!! 」

苦しむような叫び声をあげながら、橙色の巨人は崩れていく。エネルギーは地面の中へと帰り、残されたのは、空からズシーンと落ちてきた、不審者だけとなった。

「はああああ、疲れたぁ……。久しぶりにこんな全力で戦ったなぁ……」

僕にとって、これほどまでの闘いは、半年前の戦い以来であった。

すんごい疲れた。めっちゃ疲れた。

「それにしても、なんで転生者がこの世界にきたんだ? 念のため、最初の国に、僕の住所を貼っておいて本当によかった。魔族の人達のところで暴れたりなんてされたら、こんなものじゃ済まなかっただろうし」

「も……もうしわけ……ありません……」

ん? 不審者が喋りだした。これ、もしかしたら、誰が送り込んだかわかるんじゃ……。

「ビューティスト……さ……ま……」

わかった。と、同時に……。ちょっとした「えっ?」って気持ちが湧いてきた。

その名前は、よく知っている。いや、知っているどころの話じゃない。めちゃくちゃ知っている。その人は、僕の担当女神であり、俺の……!

お姉ちゃんである。

分かった方もいると思いますが、ガンダムパロディマシマシです。当たらなければうんたらとか、赤い3倍とか、必殺技の名前は漢字で書くと「赤い斬撃」です。一撃にするとモロなので斬撃です。知識は、00、逆シャア、ハサウェイ、ドアン、ファイターズはGMまで視聴済み。初代は今、アムロが家出してるところです。あとはだいだい半分視聴して、見れなくなりました。

テニプリの「デカすぎんだろ……」とかいれてみたかったんですが、二つも混ぜるのはあんまりよくないと思ったのでまたの機会です。

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