Vs 倒すために
「……しかしどうにかと言われても! 」
さっきまでより、龍の湧きが早くなっている。暴走とやらの影響だろうか? だが、前提が前提。そんなことを考えている暇はない。私のやるべきことは、一刻も早くヤツを倒す方法を見つけることだ。
そんな時、先ほどの魔王の発言を思い出した。
魔力の塊……アイツそう言ったのか? あの銀龍はそうだと言ったのか? そしてアイツは言っていた、私のギフトとそれの本質は同じだと……。
つまり、アイツはこう言いたいのか? 私のギフト、エレメントセイバーズは剣ではないと。
……試してみる価値はある。
龍を作り出そうと、剣を作る時と同じように念じてみる。龍が出て当たり前、龍が出て当たり前……。
……、っ! だめじゃないか! 出ようとする気配すら感じない!
その隙を見逃すはずもなく、銀龍の火炎が襲いくる。
それをかわすも、その先に一匹の銀龍が待ち構えていた。
「相……殺ぃ!」
炎の剣を作り出し、今まさに放たんとする銀龍の口に投げ込む。
口の中で暴発した火炎は、銀龍の顔を飲み込み焼失させる。
コイツ、まさか内側からの攻撃には弱いのか? それか、顔の部分だけに耐性がないのかのどちらかだが……。しかし、それがわかったところでこの数だ。剣を投擲できたところで、全て裁ききることなど不可能。
そういえばなぜ私は剣を投げた?
剣は敵を切るもの、決して投げる物ではない。それをなぜ……?
投げた先で、突き刺さっている炎の剣を見る。
解除しようとした瞬間に何かを思い、それを止める。
本質的に同じとは、なんでも作り出せる事じゃない……、それはまさか……。
自分自身の中に生まれた答えを試すべく、私は念じた。
新たな炎の剣を作り出そうとした。
次の瞬間、自身の手の中には、炎の剣が握り込まれていた。
私の剣は、私の魔力でできている!?
私の剣は、魔法だった……?
そうかそういうことか。あくまで剣、しかして魔法。ゆえにその数に制限は無く、その使い方に際限はない。それこそが、私の魔法剣だった。
ならば、簡単だ。自身に刷り込み、イメージを現実に可能にしろ。剣とは握りふるだけではない。空に浮かばせ放つ事だって出来るのだと、自分自身に思い込ませろ……。
剣よ、空に現れよ。剣よ、敵に突き刺され。
念じる。剣は私に答えるように、空に出現し、龍へと向かって飛んでいった。
銀龍の体に浅く刺さった剣は、銀龍の体から抜けて、ポロリと落ちる。
ダメージにならなかったことは重要ではない。ただできる。できたことが重要だ。これは進歩だ、見えた勝ち筋だ。想像しろ、勢いが足りないのなら補えばいい、できないのなら補完しろ、作り出せ、敵に打ち込むための雷の発射台を。
ストックはある。だから組み合わせて、打ち込む。
雷レールで加速させた炎土の剣が、銀龍に突き刺さる。
今だ、炎よ爆発しろ!
上半身が吹き飛んだ仲間を見て、他の銀龍が戦慄す。余裕の消えた銀龍達が、いっせいに襲いくる。
銀龍に姿形は違えど、その耐久に個体差はない。だから理解したのだ。自分達の死を本能的に。
簡単に倒せるはずの私に、殺されるのだと。
だが、もう遅い。
「つくる数に制限などないと知れ」
全方位に放たれる剣は、取り囲む銀龍を全てとらえ、突き刺さる。
爆発は銀龍を全て飲み込み、跡形もなく消え去った。
しかし、銀龍は生まれ続ける。
この戦い方を続けていけば、いずれ魔力が尽きる。
あっ。と思い付いた。いままでのような魔力をあまり消費しない戦い方で、銀龍に勝つ方法を。
想像する。打ち込むわけではない。ただ自分についてくるようにする。
そして、いままでどおりに生み出すのだ。
回りに浮かぶ、連続し列をなす剣の群、この全てが光の剣だ。
銀龍共を睨み付ける。
「私はお前達のお陰で、さらに上へと強くなれた。そのお礼に、一瞬で全て葬りさってくれる! 」
握り込んだ土の剣で、衝撃波を打ち放った。
それは、空の彼方へと届き、その道にいた銀龍を全て葬りさった。
ギャアアア! 左肩がいたいよォ!




