Vsシズク その2 対峙。そして暴走
赤く燃える町の中心で、翼の生えた少女がたっていた。
「どうやって弾き返したのかしら? 」
シズクだ。創造の力はこんなことまで出来るのか。
「あんな見かけ倒し、魔力反射で余裕だっての」
「どれだけの威力あると思ってるのよ。そんなものを跳ね返せるほどのデタラメな魔力反射なんて普通じゃない」
「魔王になれるやつが普通なわけないし。そっちこそ、ここまでする必要あった? 」
「あたしは、必要かどうかなんてどうでもいいの!! ただ、ぶっ壊して、ただ気持ちよくなりたい!! それがあたしの復讐、あたしの権利!! あたしはこの国のせいであんな目にあったの。こんなことしたって文句言わせない!! 」
だいぶ進行してる。あの時よりもずっと早く。もう時間が無いのかもしれない。早く決着つけないと。
「なんて言うかは自由だし、何をするかも自由だけど、僕は止める。絶対にだ」
「へぇ? やれるもんならやってみなさ……」
彼女の言葉が止まる。これは……まさか!
急がなければと全速力で彼女のところへと走る。
しかし、すでに遅かった。
「ア……ア……アアアアアアアアアアアアアアアアア!! 」
圧によって弾かれる。遅かった、彼女は暴走してしまった。こうなっては、被害を抑えるっていうのは難しくなってくる。
シズクは空へと登りながら、創造を繰り返す。
「どうなっているのだ、これは! 」
イサムが追い付いてきた。
「チートが暴走した。自我を失い、自然の魔力を吸収しながら、能力を行使し、破壊の限りを尽くす。このまま行けば世界が滅ぶ」
「そんなの助けるどころの話ではない! いっそ、殺すしか……」
「だめだ」
「なぜだ! もう彼女を助けることは……」
そういう問題ではない。
「助ける助けない以前の問題だ。今の彼女を殺せば、魂だけが暴走を続け、能力の行使は止まらない。どっちみち世界が滅ぶ」
「じゃあどうするんだ! 」
「だから言ってるだろ。助けるんだ」
「どうやって!? 」
「一応先に言っとくけど、夢物語なんかじゃない。僕が手に入れた勇者の力なら、アイツを助け出せる」
「本当に助け出せるのか!? それは、信じていいのだな!? 」
敵は待ってはくれない。銀龍が放った火球が、近くまで迫ってきている。
僕とイサムはギリギリでかわす。
「とにかく、僕はアイツを助ける。それまでの間、地上にいる雑魚処理を頼む」
「その雑魚に負けるのが私だぞ! 」
「たかが魔力の塊だ! 勝てない奴に任せたりはしない! 負けたことを引きずる暇があるなら勝て! 」
今度こそ、あの力から助けるために。僕は空を飛び、シズクを追った。
寝る寝る寝ーるね。




