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Vsシズク

「隠すことないのに。もう全部分かってるんだから」

「僕はそれを否定する! 」

龍を切り裂く。そして心がそう叫ぶ。

「うるさい」

一瞬のうちに現れた、5匹の龍に囲まれる。五匹の体勢は等しく同じ。

こんなわけのわからない力、威力にだって警戒すべきだ!一匹も逃すわけにはいかない。それなら!

「全てを貫く雷のよ、今無数の槍となりて、目の前の敵を穿ち滅ぼせ! 無槍限雷ライジングsスピア! 」

無限とも思える数の雷の槍は、龍をめった貫く。貫かれた龍は、苦しみ叫び、消えていく。

「詠唱魔法だなんて、小賢しい」

「君が言えたことか。どんな手を使ってるのか知らないけど、召喚召喚なんて」

「召喚じゃない。創造よ」

創造……?

「この力は創造。あの龍も、一つ目の巨人も、あたしが想像して、あたしが作り出したの」

そんな、強力な……! そんなこと、詠唱魔法でもできるはずがない。

「でも、わざわざばらすなんて。余裕のつもり? 」

「いいえ、関係ないもの。だって……」

一呼吸おいた後に、彼女はこう告げた。

「あたしの力に、制限なんてない」

地面が揺れ、床が割れ、城が崩れ始める。城が崩れる中、巨大な何かに乗って、天へと昇るシズク。地面へと着地し、見上げた先に見たのは、空の高みで浮かぶ魔王城よりもはるかに大きな城であった。

デカすぎんだろ……。

無制限で、生物から無機物まで何でもつくれる力。そんなギフト級の力を持つ方法なんて、一つしかない。はやくシズクを止めなければ。あの悲劇は、もう起こしちゃいけない。あれは、そういう力だ。

地面を蹴り、空高くへと飛び上がる。

彼女のもとへ行くのを邪魔するように、10数匹の飛龍が襲いかかる。おそらく創造されたもの達だ。城からわき出てきている

「邪魔をするなら切り倒す! 」

大振りで一匹切り落とし、少ない魔力で、空に足場を作り、それを踏み壊しながら、さらに高く空へと昇る。

二匹目を切り、そこから三匹目へと飛び移り切る。

火球を吐かれたなら、剣で防ぎ、群れてくるならまとめて切り落とし、さらに昇る。だが、城からわき続けている飛龍に制限はなく、むしろ、最初の方より増えている。そんな気さえする。

だが、この調子ならたどり着く。そう思った時だった。

飛龍達が攻撃せず、ただ道を塞いできた。

「どけえええ! 」

先ほどと変わらず、切り落とそうとする。だが、切った先に待っていたのは、動かない無数の飛龍だった。

「落ちてしまう! 」

下へ下へと落ちていき、地面へ叩き落とされ、飛龍の死体の下敷きになる。

「死体なんかで、こんなもので足止めなんて……」

振り払おうとしたその時、首筋に一瞬、痛みを感じる。

刃物ではない針のような何かで刺されたような痛み。痛みがした部分を叩くと、何かを潰したような感触がする。その手のひらを見ると、それはよく知る生き物だった。

「ハチ……? 」

光のように消えていくのを見て、確信する。これは、創造された、ハチだと。


「それが持つ毒は、どんなものでも死に至らしめる。終わりよ、オウカ」

天から見下ろす、復讐をうたう彼女の声が響きわたる。

「全てを貫く雷……だっけ? この城も、似たような力を持ってるの。冥土の土産に見せてあげる」

ニヤリと笑いながらそういうと彼女は、無慈悲にそれを言い放つ。

「降れ」

それは、一瞬だった。それは雷ではなく光であり、巨大な光線のような、辺り一帯を全てを消し飛ばすほどの一撃で、後にのこるものなどあるはずがなかった。

「はーっあ、すっきりした。でも、ちょっと魔力使いすぎちゃったし、次の復讐はまた明日。それじゃあサヨナラ。オウカ」

一瞬の内にその場から消えた城と共に、彼女の行方はしれず。

しかし、明日には必ず現れるだろう。過去の復讐を果たすために。


「なにがあったのだこれは……」

魔王城へと飛んで行った魔王を追って、ここまで走ってきた男が一人。

異世界の勇者、力正 イサムである。彼は、テレポートを使ったり、空を飛んだりなど出来なかったため、走ってここまでやってきたのだ。


「大きな光が見えて、急いでみれば、何一つ残っていないとは……。流石の魔王も死んでしまったか」

「死んでたまるか」

「うわああああああ、ビックリした! 生きているならそう言え! それよりこれは何だ!? 何があったのだ!? 」

君が勝手に勘違いしたんだろうがい。んで、こいつまさか走ってきたのか? まあ、来てくれたんだし、答えてやるか。

「簡潔に説明すると、僕らが探していた人に、殺されかけた」

「具体的には何をされたんだ」

「絶対に死ぬ毒を打ち込まれたうえに、この一帯ごとビーム消し炭にしようとしてきた。魔力のバリアを張らなかったら、絶対死んでた」

「いや……え? 何で生きてるんだお前」

へ? 失礼なやつだなー、向こうでもこんな調子だったのか?

「そういうの失礼っていうんだぞ? 何でって言われても、残った魔力全部使ったバリアで防いだんだよ。おかげで剣も無事だ」

「いやいやいやいやいや! お前、絶対に死ぬ毒を打ち込まれたのだろう? その時点で普通にアウトだと……」

ああ、なんだ。そんなことか。まさか知らないのか? こんな常識中の常識のことを?

「あのな。お前知らないのか? 魔王に状態異常は無効だって」

「え……えぇ……? 」

ドン引くな。状態異常ならなんだろうと、一切効かないのが、魔王になった者の特権だ。

「それより、はやくブレブに戻らないと」

「どうして急ぐ? 」

「シズクは復讐固執していた。それにあの力……ほっておくとヤバいことになる。詳しいことは後で説明する。とにかく今は、急いで戻るんだ」

僕は、イサムと共に、ブレブへと急いで戻った。



眠い。から、眠い。あ、「デカすぎんだろ」は、新テニスの王子様で、入れてみたかった台詞ベスト10に入るやつだから。あれわけわからなすぎて好きなんだよね。ドイツ戦全部神回だから、もしアニメやるんだったら、めっちゃ尺とって、しっかりやりきってほしい。ちなみに、ドイツ戦の個人的1位は、種ヶ島&切原Vsビスマルク&ジークフリート。異論は認める。

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