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7・勇者をたくさん召喚しちゃいました!?

「ん・・ここは・・・」

「ミクナ!起きたの!」

「フィンセル、私魔法でやられて・・・」

「ここは王城の私の部屋のベッド。ミクナ、あの後3日も寝てたから心配したんだよ!!」


私3日も寝てたのか・・・

あの魔法すごい威力だったから、絶対一人で放ったものじゃない。


「フィンセル、結局あれ何なの?」

「あれは多分。『闇の魔女信仰団』ね」


なにそのすごい怪しそうな信仰団体は・・・


「なにそれ?」

「ミクナは100年位前に世界を滅ぼしかけた魔女の話知ってる?」

「あーこの黒髪が差別される原因みたいな・・・」

「そう、その魔女が闇の魔女で、『闇の魔女様こそが世界を救う方だ』とか、誰かがそんなこと言いだしたせいで、いつの間にかとても大きい団体になってたの」

「でもどうして、その団体がフィンセルを狙ったの?」

「この個人対抗戦の目的ってなんだっけ?」

「え~と確か、勇者候補を集めるため?」

「そう、闇の魔女信仰団体にとっての敵は光の勇者、つまりこの対抗戦で勇者が決まるから、妨害したんだと思う」

「闇の魔女の信仰団体があるってことは、光の勇者信仰団体もいるの?」

「その通り。最近はあちこちで二つの信仰団体同士の争いが起きてるわね」


そのうち二つの信仰団体のせいで世界が滅びそう・・・


「そういえば、個人対抗戦はどうなったの?」

「これ以上は生徒が危険だから中止になったわ」

「じゃあ勇者はどうするの?」

「今、お父様がいろんな人と会議してる。多分、最終手段を使うことになるわね」

「最終手段?」

「召喚魔法よ」


召喚魔法てことは、今井氏になってる勇者と同じ方法でこっちの世界に連れてくるってことか。


「学園の中から勇者を決めようとすると、また闇の魔女信仰団体が手を出してくる可能性があるからね」

「召喚魔法って大変なの?」

「ええ、20人くらいの国家魔術師が魔力を全消費して行う魔法だから、短期間で何回もはできないの」

「だから今回の個人対抗戦で決めようとしてたのか」

「だけど、前回召喚した勇者があんなのだったからね・・・」

「今回召喚する勇者がちゃんとしたのとは限らない、か・・・」

「そう、そこが問題なんだよねー」

「じゃあ誰かがその勇者と一緒にペアを組むってのは?」

「ペア?」

「そう!今度召喚した勇者が妙なことをしたら、そのペアになった人が対処するってこと」

「そうか!それならこの前みたいに勇者の暴走を防げるってことね!」

「その通り!」

「早速お父様に伝えてくるわ!」


そう言うと、フィンセルは急いで国王のところに走った。

さて、私はどうしよっかな。

ていうか、何のために勇者を召喚するんだろ?やっぱり、魔王討伐とかかな?

それにしては、この国はあまり魔物の被害を受けてないように見えるけど・・・

まいっか、私が気にすることでもないし。



…そして1週間後。王城の一室にて…


あれから1週間結局勇者は召喚するということになりました。

そして今日はその勇者召喚当日。

ちなみに勇者のペアは・・・


「じゃあミクナ、勇者とのペア頑張ってね!」

「はあ~、なんで私が・・・」

「いろいろ話し合って、一番いいってことになったから!」


まあ、前の勇者のこともあるから、私が一番って結果になるのが当たり前か・・・


「ではこれから、勇者の召喚を始める!魔術師は全員、ありったけの魔力をこの魔方陣に注げ!」


国家魔術師団長がこの場にいる魔術師全員の士気を挙げる。


「まじめな勇者が来るといいけど・・・」

「ねえフィンセル」

「どうしたの?」

「これ召喚される人って何の予兆もなく急に召喚されるんだよね」

「たぶん、そうじゃないかな」

「急に見知らぬ世界に連れてこられた時ってどんな気持ちなんだろ?」


私は、死んだからこの世界に来たわけであって、ちゃんと前の世界との区切りがあったから、新しい人生としてできたけど・・・

召喚された人って前の世界でもまだ生きていられるっていう未来があったのに、召喚されたことによってその未来が断ち切られてるんだよね・・・


「まあ、召喚された人にはこの世界に来てくれ相応のお礼などを挙げてるけど、そう考えると結構悲しいものかもね」

「私はそのサポートも兼ねてるってことか」

「そういうこと、だから頑張ってね」


まだ私が別の世界から来たってことは話してないけど、そのうち話すことになるのかな。


「でははじめ!」


団長の合図であらかじめ設置されている魔方陣に魔力を注ぐ


「あれ?魔方陣ってこんなに大きいものなの?フィンセル?」

「あ、あれ~前回は人一人分の大きさだったのに・・・」


激しい光とともに召喚者が現れた。


「ま、まさか・・・」

「うそでしょ・・・」


私とフィンセルが召喚された光景を見て唖然とする。


「おいここどこだよ!」

「今国語の授業中だったよね」

「いつの時代だここ」


魔方陣の上には30人ほどの人がいた

もしかして、何処かの学校のクラスを召喚しちゃった感じ?!?!


「フィ、フィンセル!とりあえず召喚された人たちに今時の状況説明しないと!」

「あっそうだった!」


あまりにも想定外のことだったので自分の役目を忘れてしまったらしい。


「召喚者の皆様落ち着いてください。ここはあなたたちの世界とは別の世界です」

「別の世界だと!ふざけるなさっさと戻せ!」


まあ、それが普通の反応だよね。


「残念ながら元の世界に戻ることはできません」

「何!?」

「あなたたちは勇者としてこの世界に召喚されました。どうか、私たちのの国を救っていただけませんでしょうか」

「俺たちが勇者・・・?」

「皆様を勝手に召喚してしまったことは、大変申し訳ございません。なのでそれなりのお詫びを用意させていただきます」


前の勇者は、このお詫びで私のポーションを勝手あんなことしたんだよね・・・


「ちょっと待てください!どうしてこの国は救われないといけないのですか?」


あっそれフィンセルに聞くの忘れてた!


「今、この国の近くにあるダンジョンで以上量の魔物の発生が確認されています。ダンジョンから魔物があふれてこの国を襲撃するのも時間の問題です。そこで皆さんに救っていただきたいのです」


そういうことだったのか、結構大変だったんだな。


「では、私たちはそのダンジョンに行って魔物を討伐すればよいと」

「正確にはダンジョンの魔物を発生させている核というものを破壊してほしいのです。そしたら、魔物の発生は止まります」

「でも私たち、そんなことやったことないし・・・」

「皆さんには、バルバスト学園に通ってもらいます、そこで魔法などの使い方などを学んでもらいます」


この人たちが来たら一層学園が騒がしくなりそうだな・・・


「私たちはこれからどうすれば?」

「とりあえず今から、この魔石で皆さんのステータスを確認してもらいます」


私、自分のステータスを誰にも言ったことがない気がする。



…そして、みんなが魔石でステータスの確認が終わった後…


結局、光の勇者の称号を持っていたのは一人、そして聖女の称号を持っていたのが二人。

他の人は全員、異世界の勇者の称号を持っていた。

そうだ!いいこと思いついた!


「ねえねえフィンセル」

「なに、ミクナ?」

「私、召喚者たちの中に紛れ込んでいい?」

「紛れ込む?」

「召喚者たちのサポートはもともと私の仕事だし、ちょっとやってみたいこともあるしね」

「まあ問題はないと思うけど」

「じゃあ決まり!」

「でも、服とかも違うし、すぐにバレるんじゃないの?」

「それなら大丈夫」


というと、私は変装魔法で服などの自分の容姿を変えた。


「ほらっ、これなら大丈夫でしょ」

「ほんと、ミクナの魔法ってすごいわね、ミクナって全くわからないもの」

「よし、明日から頑張るぞ!」


…翌日 バルバスト学園勇者クラスにて…


「みんな!これは急なことで驚いてるかもしれないけど、ここはみんなで協力してこの国を救おう!」


今このクラスを仕切っているのは、綾崎 崎戸 光の勇者の称号を持っている男子か・・・

この召喚者たちは前の勇者と違って真面目そうだな。


「とりあえず、僕たちは高校3年生になったばかりだ。だからこの際一人ずつ自己紹介をしよう!」


へえー!この人たち高3だったんだ!


「とりあえず僕から。このクラスの男子学級委員の綾崎 崎戸。称号は光の勇者、スキルは剣術。これからよろしく!」


この人たちのステータスを魔石で確認してた時、みんな普通の兵士よりは数値が高かったけど、光の勇者はダントツで数値が大きかった気がする。


「次は私ですね。女子学級委員の香山 香奈江。称号は聖女、スキルは女神の加護。これからよろしくお願いします!」


香山 香奈江って、中学の頃私を無茶苦茶いじめてた人だ!

そんな人が学級委員なんて、かなり変わったわね・・・

しかも女神の加護持ってるし。

そして一人ずつ自己紹介をしていき、最後に私の番となった。


「じゃあ最後に、君は・・・?」

「あっ私は2年の名屋 来未です」


私が名前を言った瞬間、クラス全体がどよめく。

「もしかして君は、名屋さんの妹かい?」

「はい、そうです」


という設定で忍び込んでいく


「どうして2年生がここに?」

「先生に頼まれて、理科の器具を運ぶために廊下を歩いていたら急に・・・」

「そうか・・・ちなみにスキルは?」

「製薬スキルです」


いま私が持ってるもので一番自然なのが製薬スキルだったからね!


「じゃあこれで全員自己紹介は終わったね、じゃあ僕たちは1か月後からダンジョンに行くらしいから、それに備えて頑張ろう!」



…そして夜…


とりあえず今日は自己紹介だけで終わった。

明日からはこの世界について色々説明されるらしい。


「なんか王国に来てから、私色々トラブルに巻き込まれすぎ・・・」


王国に来てから、前勇者がフィンセルを誘拐したり。

終わったと思ったら、今度は個人対抗戦。

しかも二回戦目で妨害が入って中止、しかも私負傷。

そしたら今度は勇者の召喚で想定外の人数を召喚・・・

ロクな目に合ってない。


「ちょっとだけ、休むか」


そして私は、勇者たちがダンジョンに行くまでの一か月、休息をとることにした。


「休むって言っても、何をすれば・・・」


私はこの世界に来てから、あまり出かけたことがない、なのでどうやって休息をとればいいのかがわからない。

前の世界でも、学校が休みの日とかは、1日中寝るか、ゲームか、本を読むのどれかしかしてなかったからな・・・


「何か一か月間暇つぶしできること・・・・そうだ!」


旅に出よう!


異世界転生系と言ったらやっぱり旅に出なくちゃ!

これから作るポーションとかもあるから、ここにはない素材とか、食べ物にも興味あるし!


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