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4・勇者は裁判で嘘をついちゃいました!?

えーと、私はあれから騎士団に連行されて、今は王城の地下の牢獄にいます・・・・

おそらく、誤解が解けなければ私はこのまま第一王女と勇者の誘拐した罪で死刑になると思う。

とにかくフィンセルが目を覚ませば裁判みたいなのがあるらしいからそれまで気長に待つか。


「おい」

「はい!?」


私の牢獄の前にいた見張りが声をかけてきた。


「国王陛下がお呼びだ、出ろ」


とりあえず、国王の前で無罪を主張するか・・・

そして私は見張りに連れられて国王の部屋まで連れていかれた。


「うわーすっごい大きい扉」


そして国王陛下の部屋の扉が開かれる。


「ミクナ!」


私の名前を呼びながら半泣きの状態で私に抱き着いてきた。


「フィンセル!よかった、元気になったんだね」

「ごめんね、ミクナ!」


フィンセルが号泣しながら私の所へ来る。


「フィンセル、私は大丈夫だから、そんなに泣かないで・・・」


そんなに泣かれたら私が困る・・・


「彼女がミクナ殿か?」

「はい、お父様」


これが国王か、結構若いな。

見た目的に30代ほどだろうか。


「お初にお目にかかります、国王陛下。ミクナと申します」

「ミクナ殿、今回は娘を助けていただき感謝する。そして、わが騎士団の不敬、大変申し訳ない」


国王陛下が椅子から立って頭を下げる。


「こっ国王陛下、頭を上げてください!」

「本当に申し訳なかった。おい!勇者を連れてこい!」

「はっ!」


そういうと、手錠のかかったコウセイ・カジヤマが大量の騎士団に囲まれて部屋に入ってきた。


「国王陛下!俺は悪くない!俺はそこの黒髪に指示されたやったんだ!すべてそいつが悪い!」


うわぁ、あれだけやっといて人に罪を擦り付けようとするのか・・・


「黙れ!貴様は、勇者という立場を利用して、フィンセルとミクナ殿を誘拐した!これは、フィンセルからすでに聞いている!」

「誘拐じゃない!俺はフィンセルを助けたんだ!フィンセルがあの黒髪に媚薬を飲まさせていたから、俺はそこで助けようとしたんだ!」


無茶苦茶嘘つくじゃんこの人・・・・


「それは違います、私とミクナは勇者から媚薬を飲まされました。幸い、耐性があった私と、 薬を作ったミクナは何の症状もありませんでしたが・・・」

「作った?それはどういうことだミクナ殿?」

「そうだ、それはあの黒髪が作ったんだ!だから責任は作ったあいつn」

「黙れ!私は今ミクナ殿に聞いているのだ」


作ったやつに責任を押し付けるなよ・・・


「はい、確かにその薬を作ったのは私です。しかし、それは以前私の店に勇者様がオーダーメイドのポーションとして注文したのであり、使用したのは私ではありません」

「国王陛下!その黒髪は嘘をついている!俺はポーションを注文などしていない」

「いいえあなたは私の店に来て媚薬を注文しました」

「証拠、証拠がない!」


こいつもくどいな・・・・


「証拠ならあります!国王陛下この書類をご覧ください」

「これは・・・」


私は店でオーダーメイドのポーションを作成するときの契約書を国王陛下に見せた。

内容は


‘契約書


オーダーメイドのポーションを製作するにあたって以下のことを厳守すること。

1・そのポーションを製作する理由の絶対提示。

2・値段の値引きなどの交渉は断固拒否。

3・オーダーメイドのポーションを使用した際のトラブル、事件などは製作者は一切責任を負わない。

以上の3点を厳守すること。

契約者名・コウセイ・カジヤマ

オーダーメイドのポーションの効果・媚薬

制作理由・国王陛下の命令による作成’


「これは・・・!」

「勇者は‘国王陛下の命令’という制作理由で、今回使用された媚薬を注文しています。それと、この契約書には、勇者直筆のサインと、生命紋まであります」


【生命紋】とは、生き物が持っている指紋のようなもの。


「勇者、これは一体どういうことだ?」

「クソッ、あーもう分かったよ!確かに俺はフィンセルと黒髪を誘拐して媚薬を使おうとした!

でも俺は勇者でフィンセルは俺の将来の妻だ!いったい何が悪い!」

「勇者よ、そなたはそのような人ではないと思っていたのだが・・・」


よかった、誤解が完璧に晴れたようだ・・・


「これから勇者、コウセイ・カジヤマの処分を決める!」

「そうはいくかよ!」


その瞬間、勇者は魔力の強制開放で、自分の身体能力を最大まで上げ、手錠を破壊した。


「こうなったらフィンセルだけでも連れて行って、遠くまで逃げてやる!」


あいつどんなだけフィンセルに執着しているのよ・・・


「私はあなたとなんて絶対に行きません!」

「なんとでも言いな、俺は無理やりお前を連れて行くからな!」

「騎士団全員勇者をとらえよ!」


国王が勇者をとらえるように言うが、勇者はフィンセルに向かって飛び込んでいく。


「ちょっとこっちに来ないで!キャッ!」

「フィンセル!」


勇者はフィンセルを《光の糸》で縛った後、森のほうへ飛んで逃げて行った。


「まずい!フィンセルが連れていかれた!急いで勇者の討伐隊を出せ!」


勇者の討伐隊って・・・・


「国王陛下、一つ願いをしてもいいでしょうか?」

「どうしたミクナ殿」

「私もフィンセルの救出に向かってもよろしいでしょうか」

「ミクナ殿はそれなりに魔法は使えるのか?」

「はい!魔法には自信があります!」

「よし、許可する」

「ありがとうございます!」


そして私は一人でフィンセルが連れていかれた方向へ《飛行魔法》で向かった。


~森の上空~


「さて、フィンセルはどこかな・・・」

「キャー!」


これはフィンセルの声!?


「あそこか・・・・ってあれ私の店じゃん・・・・」


どうやら勇者はフィンセルを連れて森の中にある私の店に立てこもっているようだ。


「私の店の中にいるならこっちが完全に有利だ!」


よし!待っててね、フィンセル!

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