3・街を歩いてたら誘拐されちゃいました!?
「ねえミクナ、あなた今の状況どうするの?」
「ごめんフィンセル、まさか監禁されるとは思ってなかった・・・」
私は今、フィンセルと一緒機監禁されています・・・
…遡ること3時間前…
「やっと入学式終わったー!」
「ねえミクナ!」
「なに?フィンセル?」
「あなたせっかく森から出られるようになったんだし、一緒に街の市場に行かない?」
「フィンセル、第一王女なのに町の市場とか言って大丈夫なの?」
「大丈夫よ!あなたがいるのだから!」
「どうして私をそんなに信頼してるのよ・・・」
「まあまあ、とりあえず市場に行きましょ!」
市場とか行ったら、私また冷たい目線で見られるかも・・・
「そういえば、はいミクナ」
「ん?なにこれ」
「この服を着て、フードがついてるからそれをかぶっていれば周りの人からの視線はどうにかなるはずよ!」
「ありがとう!」
そして市場に向かう私とフィンセル。
「すごい!市場って色々あるんだね!」
「ミクナも、学園の寮に入るために生活必需品を買っておくといいよ」
「そうすることにするよ」
「ねえ、あの店行ってみない?」
~キゼルのポーション屋~
「ポーション屋か・・・」
「ねえミクナ、ポーションの値段を見てみて」
「値段?」
・低級ポーション 銅貨20枚
・中級ポーション 銀貨8枚
・高級ポーション 銀貨15枚
・超級ポーション 金貨20枚
「高すぎない!?」
「違う、あなたが売っているポーションが安すぎるだけよ」
ちなみに私のポーションの値段は
・低級ポーション 銅貨3枚
・中級ポーション 銅貨10枚
・高級ポーション 銅貨20枚
・超級ポーション 銀貨1枚
「だから私のところにあなたみたいな人がポーションを買いに来ていたわけね・・・」
「そう!あなたのところのポーションは安いから、その分王城の資金が浮いて学園の設備を良くしたりできたのよ」
「だから今年から、一人一部屋なわけね」
すると、店の中に急に謎の煙が充満し始めた。
「なにこれ煙!?」
「店から出ないと!」
「ダメ!しまってる!」
「あれ・・・」
ーバタリー
「あれ・・・ここは?」
私が目が覚めると、手足が縛られて暗い部屋にいた。
「フィンセル起きて!」
「はっここは?!」
「多分私たち監禁されたわね・・・」
…そして今に至る…
「やあやあ、お嬢ちゃんたち。ようやくお目覚めかい?」
「だれ?!」
「俺ですよ、コウセイ・カジヤマですよ」
「あなたは・・・」
目の前に現れたコウセイ・カジヤマと名乗る男
「あ!思い出した、入学式前にいじめてた人だ!」
「いじめてたとは失礼な。俺はただ勇者の俺様の通る道を遮っていた平民を制裁していただけだ!」
あれって制裁っていうのかな・・・
「コウセイ・カジヤマ!どうして私たちを監禁した!」
「監禁なんて失礼な!助けてあげたのですよ。将来俺の妻となる人が、こんな黒髪と一緒に街に歩いていたんで」
え・・・将来の妻?
「どういうことフィンセル?」
「コウセイ・カジヤマは異世界から召喚された勇者で、勇者としてこの世界で生活してもらう代わりに、私が将来この男と結婚するという条件なんだ」
「ちなみにその条件を立てたのは?」
「もちろん俺だ!」
ですよねー
「俺は勝手に異世界に召喚されたんだ!だから、これくらいは当然だと思うけどな!」
「あんたものすごく最低ね・・・」
同じ元日本人として無茶苦茶恥ずかしすぎる・・・・
「あっそうだ二人とも!そろそろのどが渇いてきたんじゃない?」
確かにこの部屋は妙に蒸し暑い。
「これ飲みなよ!」
そういってコウセイ・カジヤマが渡してきたのは瓶に入ったポーションのようだった。
「これは何?」
「ただのポーションですよ。少々手荒な真似をして助けてあげたので、これくらいはしてあげないとと思いまして」
あれ?このポーション・・・どこかで見たような・・・・
「これはいったい何のポーションなの?」
「いいから飲め!」
私たちは無理やりポーションを飲み込まされた。
「なにこれっ体が熱い!」
「さすがはあの店のポーションだ、効き目が出るのが速いぜ!」
「てことは、媚薬!?」
「そのとーり!さあ、俺を楽しませてくれよ!」
あ!思い出した!それなら・・・・
「ここまで来たら仕方がないわね・・・」
「ちょっとミクナ、正気をもって!」
「あなたを楽しませるにも、手足が縛られていたら何もできないわ。だから、この縄をほどいてちょうだい///」
「いいだろう!さあ俺のところに来い!」
コウセイ・カジヤマがミクナの手足の縄をほどいた瞬間・・・
「おりゃ!」
「グハッ」
ミクナが思いっきりコウセイ・カジヤマの脇腹を蹴った。
「よし!」
「ええ!ミクナ!?」
「なぜだ!媚薬はしっかり効いてるはずなのに!」
「あなたね、自分が作ったポーションに体制がないとでも思ったの?」
「てことはお前は・・・!」
「あなた、一週間くらい前に私のところにオーダーメイドのポーションつくりに来た人でしょ」
「貴様、あの森から出られないんじゃなかったのか?!」
「いろいろあって出られるようになったのよ」
「そういうことだったのね・・・コウセイ・カジヤマ」
「お前も媚薬が効いてないのかよ!?どういうことだ黒髪!」
「私のポーションが弱いんじゃなくて、フィンセルの状態異常体制スキルがごいのよ」
「クソッそういうことか・・・」
「さあ、覚悟はできてるのね・・・」
おーいフィンセル、笑顔が超怖いよ・・・
「残念だったなお前ら!俺には女神の加護がある!今俺に危害を加えたら天罰が下るぞ!」
『そんなの知るかあああああ』
ードオオォォンー
ミクナとフィンセルが同時にコウセイ・カジヤマの腹にグーパンチを食らわせる。
そして、部屋の屋根を突き抜け空高く舞い上がった後、地面に強く叩きつけられるように落ちてきた。
「はあー疲れたよミクナ・・・」
ーバタリー
「あれ?ちょっとフィンセル?」
どうやらコウセイ・カジヤマを殴ったときにあまりにもの腹立たしさに、最高威力の身体強化魔法で殴ったせいで急激な魔力消費で疲れたらしい。
「はあー私も疲れたな。とりあえず、こいつを騎士団に突き出さないとな・・・」
するとその瞬間
ーバァンー
「王女殿下!無事ですか!?」
どうやらすでに騎士団が王女を救出に来たらしい。
「あっすみませんこの人誘拐犯なので連れて行ってくれますか?」
「貴様!第一王女様と勇者様に何をした!」
「えっいや!私は何も!」
「嘘をつけ!この状況を見てお前しかいないだろ!」
あ・・・確かに私以外の人全員倒れてるわ・・・
「貴様を王女殿下と勇者を誘拐した罪で連行する!」
「いや、違いますから!」
「問答無用!」