特別編 星に願いを、力をメテオに!
七夕の特別編です。
昨日思いつきで書いた物で、特にストーリーには影響の無いお話なので気軽にお読み下さい笑
今日は7月7日。
前世では七夕と呼ばれる日だ。
村の中央に突き刺した笹もどきを私とアーシアは満足気に見上げた。
そしてその隣に机と椅子を置き、あらかじめ短冊状に切った紙や筆記具を準備する。
「準備完了ね!」
「うん。早く来ないかなー」
私は椅子に座り、村の皆が集まるのをワクワクしながら待っていた。
アーシアは我慢できずに机の周りをソワソワと歩き回っている。
「……ルシアちゃん、アーシアちゃん、こんな所で何してるのニャ?」
お、早速ミケ・ポチ・タマが近づいてきた。
私は自慢気に笹もどきを指し示し、説明した。
「調べた本によるとね、今日は『七夕』って言って、神様にお願い出来る日なんだよ!」
「「「お願い?」」」
「そう! お願いをね、この紙に書いてこの木に吊るすと、神様がそれを読んでお願いを叶えてくれるんだよ」
「まっかせなさい!」
いやいやアーシア。そんなドヤ顔してるけど、実際に見るのも叶えるのもこの世界の神様だよ? たぶん。
とりあえず私は短冊状に切った紙を皆に渡し、筆記具を使うように促してみた。
しかし3人は紙を受け取っただけで困ったように見合わせるだけだ。
「どうしたの?」
「ルシアちゃんは文字が書けるかもしれないけど、私達はあまり得意じゃないのニャ」
何だそんなことか。
私はミケの言葉に、にぱぁー!と笑って頷いた。
「任せて! 私が代わりに書いてあげるよ! ほら、私に耳打ちしてね!」
私は早く早く!と3人を促す。
ミケはおずおずと私の耳に近づき、コソコソとお願いを私に伝えた。
「任せて!」
サラサラと紙に聞いたお願いを書き記し、最後に『ミケ』と名前を書いておく。
「はい! 書いたよ! これを吊るしてきてね!」
ミケは少し嬉しそうに私から短冊を受け取ると、笹もどきにそれを吊るしに向かった。
「ほら、ポチとタマも! 私が書いてあげるから!」
ちょいちょいと私は2人を手招きする。
2人は顔を赤らめながら私に近づき、順番に耳元で自分の願いを伝えた。
「ほーほー、ポチもタマも男の子だねー」
私はニヤニヤと笑いながら2人の願いを短冊に書き、それぞれに渡した。
そうしていると村の皆が集まりだして、私はしばし皆のお願いの代筆をするのだった。
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『皆といつまでも友達でいられます様に ミケ』
『鈍感なアイツをもう少し何とかしてくれ! ポチ』
『大切な人を護れますように タマ』
『さいきょー! アーシア』
「うん。壮観だね!」
すぐに笹もどきには沢山の短冊が吊るされることになった。
短冊は風にたなびき、サラサラと音を立てる。
村の皆は基本的に文字が読めないので、「何お願いしたんだよ」「へへっ、内緒♪」みたいな会話が所々から聞こえてくる。
ま、私はすべて読めるんだけどね!
短冊を一つ一つ確認して、感心したりニヤニヤと笑ったりと忙しい。
ふふ、ここは異世界。神様が実際に存在する世界。
だったら少しくらいは皆のお願いが届くと良いな!
なお、この『七夕』というイベントはボルカ村に定着する事となり、気になる人の短冊を読めるように勉強して村全体の識字率が地味に高くなるのだが、それは別の話。
……え? 私のお願いが何か、ですか?
ふふ、私はネタ寄りのお願いかな。
折角魔法が使えるようになったからね。
一度言ってみたかったんだ。
『力をメテオに! ルシア』
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同時刻、アーシアに壊された世界の壁を修復中の創造神オルフェノスは地上からの願いの波長に気づき、作業の手を止めた。
「ルシアと言う娘が何かしているな……ほう、異世界の七夕か。いいですとも! ルシアよ。その願い、叶えてやろう!」
この数年後、ルシアはお蔵入りになる隕石魔法を覚えるのだが、これも別のお話。




