魔女降臨
かがみんの嘆きを聞き届けたのか。使い魔の一人、金髪巨乳の美女が、勇猛果敢に化け物へ向かって突貫する。
「ギィイイッ!」
勢いを乗せて突き出される拳。それがまりあへと届く前に、使い魔は絶命していた。
間合いに入った瞬間だ。空を切るほどの速度で繰り出された上段蹴りが、突出した胸部を強撃した。
哀れ、薄布に包まれた豊乳は見るも無残に爆発四散。胸部をごっそり削り取られ、金髪の使い魔は断末魔とともに倒れた。
自らの血だまりに沈むゆく同胞を前に、周囲の美女たちが殺気立つ。美しい顔貌を鬼の形相に変えて、一斉にまりあへと飛びかかった。
四方八方から襲い来る敵。しかし、魔法の力を開花させたまりあの相手にはならない。
鍛え抜かれた鎧のような筋肉の巨体は、しかし目にも止まらぬ俊敏さで押し寄せる使い魔たちの間隙をすり抜けていく。
ひとつ攻撃を空振りすれば、致命的。
次には強大な暴力が襲い来る。
つぶらな瞳が魅力的な美女は、顔面を強打され卒倒。
くびれのラインが美しい女性は、腹部を貫かれて絶命。
すらりとした足を持つ女人は、大腿部の根元から引き千切られた。
特に、魅惑的な胸部を持つ使い魔への攻撃は容赦がない。
蹴撃。
手刀。
握撃。
繰り出される攻撃はおよそ、格闘技というにはあまりに拙く、武道と呼ぶにはあまりに箍が外れている。
素手の怪力、蹴りの速度。攻撃手段のすべてを破壊のみに特化した暴力の嵐。
あらゆる徒手空拳が行使され、美女たちの乳は確実に潰されていく。
振るう手足は、瞬く間に血と脂肪に塗れた。打ち砕かれ、臓物をぶち撒けながら宙を舞った女体は、死屍累々と辺りを埋め尽くす。
乱戦は激しさを増し、大量虐殺の惨状と化す。
甲高い叫喚と荒々しい雄叫びが織り成す、圧倒的な二重唱。
見る者すべてを震撼させる殺戮劇。
繰り広げられる惨劇の舞台上へ、ついぞ魔女が降臨する。
「アァアアアアアアアアアアアアアアアア――――――――ッ」
流水のような黒衣の裾をはためかせ、天より降り立つ女神のように姿を現した魔女。
地に転がされた使い魔たちの凄絶な最期を前にして、怒りの絶叫を張り上げた。




